06/09/18 12:20:46
全集を第三巻まで読了しました。その第三巻の冒頭が「創造」という
芸術家が主人公の作品で、芸術と実人生の一体化(の不可能性)が
モチーフ、みたいな、まあ、だからどうしたって感じの作品なのですが、
中でぎょっとするのが、主人公たる芸術家の設定が、結婚に芸術的意味を
見出せず「T子」という前妻と離婚している、というんですね。
実はこの時谷崎は1ヵ月後に千代子夫人との結婚を控えていたのです。
しかも他の登場人物に、離婚の原因は、当人の異常な性的性癖が原因では
ないかとまで言わせているという。
その前後の作品でも谷崎と思しき主人公がばんばん浮気する小説を書き
まくったり。普通の物差しでは計れない人ですよね。
谷崎好きが昂じると「駄作」と言われる作品にも妙な面白みが見出される
ということで、強引に前のレスに繋げると、337さん、全集を読みなされ。
文庫に入った折り紙つきの「名作」ばかり追求するのは勿体無いですぞ、
谷崎の場合。