05/12/28 15:05:08
余談
春樹は何がしかの事情で“幻の処女作”を放棄して、「風の歌を聴け」に取り組んだ。
単なる想像だが、これは村上龍の存在がそうさせたのではないか。
8年かけて超大作に望んでいた春樹は、彗星のごとく出てきた3歳年下の龍に嫉妬した。
まだ「限りなく」や「海の向こう」には、勝てると踏んでいたが、「コインロッカー」の存在は春樹を打ちのめした。
そして、(“幻の処女作”を放棄して)何でもいいから作品を完成させなければ、と心臓がビートを刻んだのではないか。
龍との対談で春樹は「「コインロッカー」を読んで「風の歌」を書き始めた」というようなことを言っているらしいが、これはあながち社交辞令ではないのではないかと思える。