エミリー・ブロンテ  『嵐ヶ丘』at BOOK
エミリー・ブロンテ  『嵐ヶ丘』 - 暇つぶし2ch419:吾輩は名無しである
04/10/16 18:35:25
映画のシクスセンスみたいに、実は子供の時のヒースクリフは実在しておらず、
キャサリンやヒンドレーやネリーのような子供や、一部の大人だけにしか見えない
霊的な存在だった。といった謎解きが最後になされても、しっくりくるような
不思議な存在のヒースクリフは、なかなか作家が生み出そうとして創作できる
ものではないと思うな。きっとエミリブロンテのなかに、ヒースクリフは住んで
いたんだと思うよ。エミリブロンテの生涯の本を読んだ事があるけれど、牧師の
家に生まれたエミリは寄宿学校へ兄弟と共に預けられ、そこで何回も死線を
体験し、友達、兄弟たちが死線をさまよい、ある者は死に、あるものは生き残る
というようなことを経験している。生と死の極限に何度も行ったり来りしながら
孤独のなかで、彼女は姿のない友達、愛人、恋人であるなにかと一緒であることで
この世に生を受けたことに耐えていけたのではないかな。夜の鏡にうつる自分
自身のような、しかし自分とは違ったなにかが、きっと彼女の一部分として
存在していたんだろうと、嵐が丘を読むと思う。そして、その黒々としたものが
魔物ではなく、まさに人間の本質だというところが嵐が丘の価値のあるところ。
作り物の捏造魔物ではなく、彼女の描く魔物がまさに人間の本質のある面である
というところが、この作品の価値だと思う。


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