04/06/04 20:38
>>328
そうだよね。一番エミリブロンテの、力(りき)が入っているのは、キャサリン
(母)が死んで、ヒースクリフが荒涼たるヒースの荒野をさまようあたりから
彼が死ぬまで、そのあたりの霊的なエネルギーはこわいほど。その力がさまざまな
人たちにインスピレーションを与え、同時に、この作品を世界的な名作に
押し上げているのだと思う。
キャサリン(娘)とヘアトンのおだやかな描写は、まさにキャサリン(母)と
ヒースクリフの物語が終わったのだと、読者に印象ずけるものでもあると
思う。設定を考えたら、粗野なヘアトンとお嬢様育ちのキャサリン(娘)とは
深く考えれば、そんなにうまくいく相性ではないかもしれないのに、めでたし
めでたし風に終わっているのは、いかに、エミリブロンテが、主役のふたり
以外には興味が薄かったかを、物語っているのかもしれない。