03/04/21 23:03
「悪人」「常識人」のキャラクター造型のこと,流れを面白く
読ませてもらっています.
で,自分の興味は,「各キャラがどの程度,土地,そしてそこに連綿と
生きてきた家系の血と深く関わっていたか」ということにあり,その点に
目を向けて,パラパラでも再読をしたいと思っているのですが,なかなか
時間が取れず,それができないでいます.
ネリーや使用人たちは「土地の呪縛」みたいなものから,わりにフリー
な立場として書かれていなかったろうか…という問いの元に確認しながら
読んでみると,何か見えてこないかなーと期待しているわけです.
というのは,社会が凝集性を失い,個人の価値観の多様化が進みきった
現代においては,たとえば階層ごとにある程度普遍的な人物パターンを
描くことを小説家はしない.できないと言うべきか….
むしろ,「こんな個性がある」と特殊なキャラ造型に走ります.