09/01/18 22:11:41 XpRl9mUl0
┌──────
| よし、全員準備はいいか?
└────v──‐
∧∧
(゚ー゚*)
(| |)
| ,,)~
し'`J
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
現場監督:リスク
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| それから数日後、 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌─────
| こちらはOKですッ! ┌─────
└──v───‐ | こっちもいいですよ~。
└──v───‐
/■\ ∧∧
( ´∀(ヽ (*゚ ヮ゚)/ ̄/
( ノ ( つ/_/
| | | ~(,, |
(__)_) し'`J
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
作業指揮:カルド 設計・施工管理:ナツコ
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| 王都に程近い山々で、 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
174:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/18 22:12:12 XpRl9mUl0
┌─────
| よぉし、作業開始ッ!
└────v─―‐
∧∧
(゚O゚*)')
(| ノ
| ,,)~
し'`J
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| 鉱石の、採掘作業が始まった。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────
| ……全く、うちだって金や人が有り余ってる
| わけじゃあ無いんだからな……
└───v──────―‐
┌───────────
| まぁまぁ、ダッテ様が帰って来たら請求すればいい。
| それまでの間、ちょっと借りるだけだって。
└──v────────―‐
∧∧ ボクチク ダッテ
(*゚ー゚) マダ トチュウダシ。
(| つ ∧,..,.
| ,,)~ (゚- ゚*)`ヽ~
し'`J ∩と )(,,つ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
資金&人手提供:アスター
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| ……ハニャライト家の私費と私兵を使って。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
175:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/18 22:12:44 XpRl9mUl0
从
そ ∧∧
w(゚- ゚*) 从
< ウボァー (| つ そ ∧,..,.
| ,,)~ w(゚- ゚*)`ヽ~
し'`J ∩と )(,,つ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| しかし…… |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────―
| な、何だ?何がどうしたんだ?
└───v────‐
┌──────
| ももも、申し上げますッ!
└──v───―‐
/■\ ∧∧
∧∧ (´Д`; ) (゚ヮ ゚;)
(;゚ 0゚) と つ (つ[_U_]
/ つ ,ヘ ( ( ( | ,,)~
と__,,) U (_(__) し'`J
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| その作業は、思わぬトラブルによって突如中止を余儀なくされてしまう。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
176:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/18 22:13:15 XpRl9mUl0
∧∧
┌(;゚ 0゚)───────────────‐
| 坑道の一部が地下水脈に突き当たった模様で、どんどん水が坑道内に
|
| 流れ込んできており、とても作業が行える状況ではありません!
└─────────────────
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
:: :: :: :: :: ,-――――――――――――――――
:: :: :: :: < ∧∧ シィィィィ!!
:: :: :: ::ノ 、 ザパーッ!! (ili>o<) チベタイヨゥ!!
:: :: :: ::)´ ^ 、 ゚ 。 ( つ つ
:: :: :: :> 、 o 、 と(,, ノ
:: :: :: :ヽ~゚~~~゚~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
:: :: :: :: :ー----―---―---―---―---―---―---―---―---―---―---―---―--
:: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: :: ::
∧∧
┌(゚ヮ ゚;)──────────────‐
| な、なんだってー!
└────────────────
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| そのトラブルとは、坑道の浸水。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌─────────―
| はてさて、また厄介な事になったが……
└─────v────‐
┌──────────―
| 何とかしないと、作業は進められませんね……
└───v────────‐
┌──────────
| 何んとかって言っても、何をどうするんだ?
└──v───―────‐
∧∧ /■\ ∧∧ ボーッ
(;゚ ヮ゚) ( ;´Д`) (゚- ゚;)
( つと) ( o o ( ∞ ) ∧,..,.__)
と__,,),,) ( つと) (,,(,,__つ と(゚- ゚*)O つ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| これに対して、カルドやナツコ、リスクはその解決策を話し合ったが、 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
177:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/18 22:13:46 XpRl9mUl0
┌──────────────
| 排水路を掘って、水を逃がしましょうか?坑道の一番下に
| 繋がるように、下側から新しい坑を掘り、繋げるのです。
└───v───────────‐
┌──────────────―
| しかし、下手な掘り方をすると繋げる際に死人が出る恐れがある。
| 第一、そこが坑道の一番下の部分かなど、外からでは分からんぞ。
└─────v──────────‐
┌────────────
| じゃ~、一体全体どうすればいいんでしょうねぇ……
└──v───―──────‐
∧∧ /■\ ∧∧
(;゚ ヮ゚) ( ;´Д`) (゚- ゚;)
( つと) ( o つ ( ∞ ) ∧,..,.__)
と__,,),,) ( つと) (,,(,,__つ と(゚- ゚*)O つ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| なかなか結論は出ず、作業の一時中止も止む無しと思われた時…… |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────―
| 湧いて来るなら、汲み出せばいいじゃないのさ。
└─────v──────‐
!
∧∧ /■\ ∧∧
(;゚ ヮ゚) ( ;´Д`) (*゚ -゚) ボソッ
( つと) ( o o ( ∞ ) ∧,..,.__)
と__,,),,) ( つと) (,,(,,__つ と(゚o ゚*)O つ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| アスターが、ぼそっと一言言い放った言葉によって、 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
178:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/18 22:14:17 XpRl9mUl0
┌─────────────―
| それだーッ!水を湧き出る以上の速さで汲み出すのだーッ!
└─────v─────────‐
┌────────────
| ええぇぇええぇぇぇええぇえぇぇぇぇえぇぇ~~~ッ!
└──v──v───―──v──‐
∧∧ /■\ ∧∧
(ili゚ ヮ゚) ( ili´Д`) (*`ヮ´)
( つと) ( o o ( つ つ ∧,..,.__)
と__,,),,) ( つと) (,,(,,__つ と(゚0 ゚ili)O つ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| 作業は思わぬ方向へと進むのであった。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
┏━┳━━━━━━━━━┳━━━━━┳━━━━━━┓
┃呆┃アフォシリア王国 ┃☆☆☆☆★★★★★★┃同盟:- 仇敵:-
┣━┻━┳━━┳━━┳━━┳━━╋━━┳━━┳━┻━━━━━━┫
┃能 力┃身 04 ┃統 07 ┃知 03 ┃政 05 ┃繁 09 ┃合計 28 ┃建国王ハナン 支持率: 87%
┣━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━━━━━━┫
┃民:28500人+軍:1500人=総人口:30000人
┣━━━━─国土─┓4コマ12村 総収穫:小麦28000石/年
┣━━┯━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━┫
┠──┘28年04月:状況:なにやら制作中……
┃
┃ 新しい坑道を掘ろうとしたまでは良かったが、その行動から水が出てしまい、一時的に採掘を
┃ 中断せざるを得なくなったカルド達。しかし、リスクに何か策があるらしく、秋から季節が冬、
┃ そして春に巡り、4月に入ったと言うのにまだ何かを作っている模様。
┃
┃ 何か大がかりなからくり仕掛けの建造物を建てているようであるが……。
┃
┃ そして、ダッテは一体どこに行っているのか、「過去を振り返る旅」とは何か、王の体調の優れぬ
┃ 理由とはッ!アフォシリアに散りばめられた謎はまだまだ尽きないぞッ!
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃Go to next episode l> Episode - 33「風の旅路とインクの記憶」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
179:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:20:35 J6s6pgT50
┌───‐
| ん、むむむ?
└─v──
┌──────────────
| いかがなされました?また陛下の無駄遣いでも発覚しましたか?
└─────v─────────‐
从
∧∧ て ∧∧
( *゚ -)/ ̄/ (゚ー゚*)
/ つ/_/ (三@と )
~(,, _| ̄| ̄ ̄ ̄| @三) | ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)三) し'`ヽ,)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|l| それは、27年10月のある日、ナツコとカルドがダッテを訪ねて来る .|l|
|i| |i|
|l| 数日前の事。……王国の新しい法や制度を作る参考にするために、 |l|
|i| |i|
|l| 史料を読んでいたダッテは、ある事に気が付いた。 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───────────────‐
| あっさりと我らの主君を疑う発言をするな、今回は無駄遣いでは無い。
| ……古い記録を読んでいたのだが、その内容がいろいろと酷いのだ。
└─v──────────────
┌──────────
| へぇー、酷いってのは、どんな感じですかね?
└───v───────‐
∧∧
(*゚ -゚)/ ̄/ ∧∧
/ つ/_/ (゚- ゚*)`ヽ
~(,, _| ̄| ̄ ̄ ̄| @三) U U ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)三) (三@`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|l| それは、それらの史料が統一戦争から先のアーツフォーの乱、果ては |l|
|i| |i|
|l| 内政、法に至るまでハナン王側からの視点で書かれている事である。 |l|
`ー────────────────‐'
180:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:21:12 J6s6pgT50
┌───────────────‐
| 例えば、これだ。「ファットマンの遺臣、ハラグロスなる者、ハナン王に
| 逆らって兵を挙げるが、ダッテに防がれ、降を乞いて馘られる」……。
|
| これでは他の戦いとの時間軸の関係がさっぱりわからぬ……。おまけに、
| ファットマンの娘を盟主に担ぎ出したことが記されておらぬではないか。
└─v─┬─────────────
| ぶっちゃけ、そちらの戦いは地味でしたから。
.┌──┴────v───────
.| これは「地味だから」で済まして良い問題ではないだろう……。
.└v─────────────
∧∧ ∧∧
( ;゚ -)/ ̄/ (゚- ゚*)
/ つ/_/ U U |
~(,, _| ̄| ̄ ̄ ̄| @三) | ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)三) (三@`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|l| つまり、ハナン王の行動は「何を考え、どう動き、どうなった」のかが |l|
|i| |i|
|l| 詳しく書かれているが、他者の行動は「どうなったか」しか書かれて |l|
|i| |i|
|l| おらず、それすらもかなり信憑性に欠ける場合もあった。 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌────────────────‐
| 「ハニャライト家のアスターなる者、リスクという者と共にハナン王に謁見し、
| カクメートン南方に異民族の村があり、危険であると告げた。王は驚き
| アスターらに褒美を与えると、部下に兵を集めるよう命じた」……。
|
| これもまた酷い。異民族との接触の公式な記録が、たったこれだけか?
└─v─┬─────────────
| 一応、リスク様がおにぎり族について私的に纏めた記録が
| 以前イストアルカードのどこかにあったと思います……。
| 今どこにあるかと聞かれると、「わからない」としか言えませんが。
.┌──┴────v──────────
.| そういや、何か読んだ気がするけれど……。
.| もっとキチンと国家政策として、纏めるべきだ。
.└v──────────
∧∧ ∧∧
( ;`-)/ ̄/ (゚o ゚*)
/ つ/_/ (つ∩)
~(,, _| ̄| ̄ ̄ ̄| @三) | ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)三) (三@`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|l| 例えば、アスターとリスクが盆地のおにぎり族と争った事について、 .|l|
|i| |i|
|l| その資料にはその原因、経緯が書かれておらず、ただアスターと .|l|
|i| |i|
|l| リスクが褒美を求めハナン王に会いに来たとしか書かれていない。 |l|
`ー────────────────‐'
181:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:21:43 J6s6pgT50
┌───────────‐
| いくらなんでも、これは酷い。これらを書いた者を
| 今すぐここへ呼んで来い。少し、詳しく話を聞く。
└─v──────────
┌──────
| あー、それですか……
└────v─‐
∧∧つ ∧∧
( ;`0)/ ̄/ (゚- ゚;)
/ つ/_/ (∞ )
~(,, _| ̄| ̄ ̄ ̄| @三) | ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)三) (三@`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|l| ダッテは、すぐさまそれらの史料を書いたものを |l|
|i| |i|
|l| 呼び出す様、部下に命じたが…… |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───────────
| ぶっちゃけ、誰が書いたものか分かりません……
└────v──────‐
┌──‐
| 何ィ!!
└─v─
∧∧ ∧∧
(;゚O゚)/ ̄/ アタマガ('(゚ワ゚*)')パ~♪
/ つ/_/ ヽ ノ
~(,, _| ̄| ̄ ̄ ̄| @三) と ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)三) (三@`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| 返ってきた答えは、とんでもないものであった。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
182:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:22:14 J6s6pgT50
┌───────────────
| そいつなんですがね、特に誰が専属で書いていると言う訳でもなく、
| 会議や王への報告などで必要になった時に手の空いている人が
| てきとーに書いているだけのものなんですよ……。
|
| ダッテ様はいつも忙しかったのでご存じないと思いますが……。
└──────v─────────‐
┌──‐
| えー……
└─v─
∧∧ ∧∧
(;゚ o゚)/ ̄/ と(゚ヮ^*)
/ つ/_/ ヽ |)
~(,, _| ̄| ̄ ̄ ̄| @三) | ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)三) (三@`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌──────────────‐
| それはいかん、それはいかんぞ。それでは後世、それらの史料が
| 必要になった時に全く役に立たぬではないか。
└─v─────────────
┌───
| ですよねーw
└──v─‐
∧∧
(;゚ -゚) ∧∧
/ ∞) (゚ヮ ゚;)`ヽ
~(,, _| ̄| ̄ ̄ ̄| @三) (つと ) ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)三) (三@ し'`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
183:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:22:46 J6s6pgT50
┌─────────────‐
| よし、私が今からアフォシリアの各地を巡り、詳しい史料を
| 纏めてきてやる。供の者は私の私臣から出すから、お前は
| 私が留守にしている間の館内の雑務を頼んだぞ。
└─────v────────
┌────
| は、はぁ……
└──v──‐
∧∧
( *゚ -) ∧∧
( つ (゚o ゚;)`ヽ
.| ̄| ̄ ̄ ̄| ~(,, | (つと ) ,,)~
ミ'"""""ミ|_|___| @三)し'`J (三@ し'`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|l| その話を聞いたダッテは、突然立ち上がると「史料を集める |l|
|i| |i|
|l| ために旅に出る」と言いだし、荷物をまとめ始め…… |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌─────────────‐
| まずは、我らしぃ族発祥の地であるイストアルカードに向かう。
| 各地の古老や知恵ある者を訪ね、話を聞き、王都に招くのだ。
└────v──────────
∧∧
(*゚ o゚) ∧∧ ∧∧ ∧∧
__ハハと^ヽ /)゚O゚*) __ハハ (゚ー゚*) (゚ー゚*)
('_゚ ミヽ_,,>~ ヽノヽ、lつ('_゚ ミ@三) ( 人 ^ヽ ( 人 ^ヽ
ヽ "U´)ミ | ,,)~ ヽ "@三)ミ , | -|lニ) , | -|lニ)
<^| ̄<. <,_し'`J_,,ヽ <^| ̄< <,_し`ヽ,)_,,ヽ <,_し`ヽ,)_,,ヽ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| 身の回りの世話をする者を数名だけ連れ、王都を後にした。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
184:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:23:19 J6s6pgT50
∧∧ 新生ログスト島
━ (*゚ー゚) ━===========================━━━
(`ー―---, (`ー―----, i'ヽ i´| (`ー―---,
 ̄ ̄´/ /  ̄ ̄ ̄`ー, ノ (`ー, ,-、 || | |  ̄ ̄´/ /
i`/ ノ ノ `(`ー, ノ ノ l_,,) | | i`/
| | // =i|=  ̄ // // | |
ノノ `ー' ,ノl| (二二ニノ ノノ ノノ
/-|- ノー-、 _ヽ_ ー,--
-l‐ ノ ノ | ニニ -ノ┐
| .ノ ノ l二二l 、三三,
,、 ト、ト、 'l`
//l\≧,,゚ w>,m | 王の治世編 Part.5
⌒^⌒/E⌒lー―――――――――
(^l:::::::| 風の旅路とインクの記憶
ヽ`ー'ー―――――――――‐
 ̄ソ┌─┘ Episode - 33
― 27年10月 王都アフォシリア
━━━===========================━━━
185:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:23:47 J6s6pgT50
┌───────────‐
| ってワケでね、ハニャライトの一族は竜を呼べる……
| と見せかける事で威権を確立し、村を治めてた訳さ。
└─────v──────
┌───────────‐
| 何故だろう、なんだか聞いた覚えがあるような……
└─v──────────
∧∧
(;゚ -゚)/ ̄/ λλ ヨボボ…
/ _]つ/_/ (゙'p゙'=)、
<,,ノつと) OO、 ヽ~
ミ""""""ミ ┃ し`J
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|l| イストアルカードに着いたダッテは、各地の古老や知恵者を |l|
|i| |i|
|l| 訪ね歩き、過去の話を聞いてそれを書き留めたり、 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌─────────────‐
| あなたの話は実に興味深い。王に宛てた紹介状を渡すので、
| 是非とも王都へお越しになり、王家の客となって下され。
└───v──────────
ハイッ!! ナニガ ヨカッタノ?
∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ワカラン
(,,゚ー゚) (゚ー゚*) (*゚ -゚) (゚- ゚;)
( つー-と^ヽ ( 人 ^ヽ ( 人 ^ヽ
~(,, | , | \ ヽ , | -|lニ) , | -|lニ)
ミ'"""""'ミ し'`J <,_し`ヽ,)_,,ヽ ミ""""""ミ <,_し'`J,ノ <,_し'`J,ノ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| 彼らに紹介状を渡して王都に招いたりしながら、旅を続けた。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
186:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:24:18 J6s6pgT50
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从 Z
∧∧ て 人,、 z
_(*゚ -゚)/ ̄/ 从::,、:ノ |ヽ z
/::::::)つ/_/ (:::( ):::) <(*゙ ヮ゙)o‐-、
/::::::/,,),,) 、/,l、l,ヽ,,、 @ノ:´:::::::::::::::::ヽつ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|l| 夜は、焚火の側で今まで書きとめた史料に目を通す日々が |l|
|i| |i|
|l| 続いたが……、そこで、ダッテはまた新たな問題を見つけた。 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
過去
20↑
|
|
15|
|
|
10|
|
|
5|
|
| ∧∧ ココガ、イマ。
┝━━━━━━━━ 今 と(゚ー゚*)
|
|
5|
|
|
10|
|
|
15|
|
|
20↓
未来
|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| それは、時の表記法である。 |l|
|i| |i|
`ー────────────────‐'
187:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:25:17 J6s6pgT50
過去
20↑
|
|
15|
|
|
10| ← ココ
| ┌──────‐
| | 今を去ること10年前……
5| └───v───
| アソコラヘンダネ。
| ∧∧ λλ
┝━━━━━━━━ 今 ('(゚* ) (゙'p゙'=)
|
|
未来
|i|ー────────────────'|i|
|l| 古老達が過去の事を語る時は、「~~年前」と時間を表現していたが、 .|l|
|i| |i|
|l| 「今の時間」がハッキリしている対話でなら、この表現方法でも |l|
|i| |i|
|l| 全く問題は無かった。 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
↑
|
|
|
| ┌───────────────‐
| | 「今を去ること10年前」?この史料が言っている「10年前」ってのは
| | 今から数えて何年前の時点の「10年前」なんだろう……。
| └───v────────────
| ワカラン
| ∧ ∧
| (;@o@)/ ̄/
↓
|i|ー────────────────'|i|
|l| しかし、これを史料に残すとなると厄介である。後世、史料を読んだ者が |l|
|i| |i|
|l| 「~~年前」と言われても、「何時から~~年前か」が分からない。 .|l|
`ー────────────────‐'
188:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:25:49 J6s6pgT50
∧∧
1○ と(゚- ゚*)
2|
3| ┌─^────‐
4| │ ここが歴史の始まりね。
5| └──────
6|
7|
8|
9| ← ココ
11|
12|
13|
14| ┌──────‐
15| | それは起源9年の事……
16| └───v───
17|
18| λλ
19┝━━━━━━━━ 今 (゙'p゙'=)
21|
22| ┌─────────‐
23| | へー、起源9年にそんな事があったんだ。
24| └─v────────
25|
26| ∧ ∧
27| (,,@ー@)/ ̄/
28|
29| 未 来
↓
|i|ー────────────────'|i|
|l| そこで、ダッテは時の流れのある時点を基準として定め、そこから .|l|
|i| |i|
|l| 数えて何年目かを記す事によって、時間を表そうと考えた。 .|l|
|i| |i|
|l| 問題は、どの時点を「歴史の始まり」とするか、である。 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
↑
| ゴラルド&イッテ暗殺、統一戦争開戦
| イストアルカード陥落
|
|
| ミミモギード参勤の令
| 第一次オテュテンサ平原の戦い
|
| 第二次オテュテンサ平原の戦い
|
○ アンヨークの戦い、大村長ハナンが王を称える ← ココ
|
| ハナン王の大失政
| アーツフォー&モロシーの乱勃発
| ハラグロスの乱、アフォシリア高原麓の戦い、王都の戦い、第一次ヒギャクード砦攻防線
|
|
| 第二次ヒギャクード砦攻防線
| ハラグロス降伏、斬首。アーツフォー&モロシーの乱、終結
↓
|i|ー────────────────'|i|
|l| 実際のアフォシリア建国の年は、統一戦争が終わり、ハナンが王を称えて .|l|
|i| |i|
|l| 建国を宣言した年であるが、そこを基準とすると統一戦争全てを |l|
|i| |i|
|l| 「紀元前」扱いにせねばならず、記述に色々と不便が生じる。 |l|
`ー────────────────‐'
189:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:26:20 J6s6pgT50
↑
○ ゴラルド&イッテ暗殺、統一戦争開戦 ← ココ
| イストアルカード陥落
|
|
| ミミモギード参勤の令
| 第一次オテュテンサ平原の戦い
|
| 第二次オテュテンサ平原の戦い
|
| アンヨークの戦い、大村長ハナンが王を称える
|
∧∧
┌(;゚ -゚)──────────────‐
| 統一戦争は、私の父上と、ハナン王の父君が和平の席で毒殺され
| 始まったもの。そんな不吉な日を国家的記念日にはしたくないな……。
└────────────────
|i|ー────────────────'|i|
|l| かと言って、統一戦争の始まった年を元年とする訳にも行かなかった。 .|l|
|i| |i|
|l| 戦争が終わった日ならともかく、戦争が始まった日はめでたいものでは .|l|
|i| |i|
|l| 無いので、国家的な記念日にするのは縁起が悪い。 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
↑
○ ゴラルドの娘ハナン、生まれる ← ココ
| イッテの娘ダッテ、生まれる
| ゴラルド&イッテ暗殺、統一戦争開戦
| イストアルカード陥落
|
|
| ミミモギード参勤の令
| 第一次オテュテンサ平原の戦い
|
| 第二次オテュテンサ平原の戦い
|
∧∧
┌(*゚ -゚)──────────────‐
| なので、ちょっと時間を遡ってハナン王の誕生日を記念日にするか。
| 建国王たるハナン様あってこそのアフォシリア王国なワケだし……。
└────────────────
|i|ー────────────────'|i|
|l| そこで、ダッテはもう少しだけ時間を遡る事にした。それは、ハナン王が |l|
|i| |i|
|l| この世に生を受けた日。国家の始祖たる建国王の誕生日ならめでたい |l|
|i| |i|
|l| ものであるし、国の始まりと規定してもそこまで違和感のある物でも無い。 |l|
`ー────────────────‐'
190:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/29 23:26:49 J6s6pgT50
1年 1月、イストアルカードの村長、ゴラルド・アフォシリアの長女、ハナン生まれる。
この日を持ってアフォシリアの歴史の始まりと定める。
4年 1月、ポンポートの村、アンヨークの村の軍の攻撃を受ける。ポンポートの村長、
イッテ・マルタード、ゴラルドに救援を要請し、ゴラルド、配下の兵25を率いて
ポンポートに入る。ゴラルド、イッテと共にアンヨークの村長、ドン・ボールと和議を
行い、ドン・ボールに謀殺される。ドン・ボール、略奪を働きポンポート、廃村となる。
2月、イストアルカードに悲報伝わり、ミミモギードの村長ファットマン、イストアルカードを
狙い兵100を率いて北上を始める。ゴラルドの臣下に動揺が走り、内数名が謀反を
起こしてハナンの母を弑し、ファットマンに降る。ハナン、臣下に連れられてポンポート
の村跡に逃れる。
10年 1月、ファットマン、オテュテンサの大アスター・ハニャライト及びアンヨークのドン・ボールに
毎年正月の来朝を命ず。両名、これを拒否し、以降ファットマンと両名の嫌隙、広がる。
7月、ファットマン、兵400を率いオテュテンサの村を攻める。大アスター、兵200を率い
これを迎撃し、詐術を用いてファットマンの軍を破る。同じ頃、ハナン、兵20を率いて
イストアルカードを攻める。ファットマン、敗走しイストアルカードに向うもハナン軍に見つかり、
ハナン、手ずからこれを斬り、イストアルカードを奪還する。
・
・
・
|i|ー────────────────'|i|
|l| かくして、ハナン王の生まれた日を元年一月一日とする暦が作られた。 |l|
|i| |i|
|l| ダッテは、この暦を「アフォシリア歴」と名づけ、アフォシリアの歴史を |l|
|i| |i|
|l| 記す為に用いた。……これが、アフォシリアの歴史学の始まりである。 .|l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
∧∧
(゚ー゚*) ∧∧ ∧∧ ∧∧
__ハハと^ヽ (゚ー゚*) __ハハ (゚ー゚*) (゚ー゚*)
('_゚ ミヽ_,,>~ (|ノヽ、lつ('_゚ ミ@三) ( 人 ^ヽ ( 人 ^ヽ
ヽ "U´)ミ | ,,)~ ヽ "@三)ミ , | -|lニ) , | -|lニ)
<^| ̄<. <,_し'`J_,,ヽ <^| ̄< <,_し`ヽ,)_,,ヽ <,_し`ヽ,)_,,ヽ
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|l| こうして、一年以上の時を使い、アフォシリアの各村を踏破した .|l|
|i| |i|
|l| ダッテは、馬の背に積んださまざまな史料と共に王都へと帰還した。 |l|
`ー────────────────‐'
こ~へんへつづく。
191:白茶 ◆SIROEqquJ6
09/01/31 01:11:48 liaWYoA90
,. '  ̄ `ヽ .,. '  ̄ `ヽ ./ ̄ ̄\__/ ̄ ̄\_____/ ̄ ̄ ̄ ̄
/  ̄ ̄`ヽ ', /::゙■■■■', ./ ̄ ̄ ̄\_____/ ̄\_____/ ̄\
! (二)- }.:. l | !■■ l / ̄\___/ ̄ ̄\_____/ ̄ ̄ ̄ ̄\_
、__ _,ノ.;/,.' 、.゙■■ ■,'..○━━━━━━━━━━━
ヽ . _ ..,. '  ̄ `ヽ、. _ .. ' ..┃ROGUSTO / STORY/ OF/
/ .|\_/| ',━━○━━━━━━━━━━━
!....|磊盾都| l / ̄\ !|\ |  ̄| ̄ / ̄\  ̄| ̄ | ̄\  ̄| ̄
/、|\_/| ,' .| | | \ | | | _ | |_/ |
/ .゙ヽ . _ .. ゙' \_/ !| \| _|_ \_/ _|_ | \ _|_
○━━━━━━┳━━━━━━━━━━━
┃32:平和の盾王・第一話 :::::┃27年6月
○━━━━━━┻━━━━━━━━━━━
.
192:白茶 ◆SIROEqquJ6
09/01/31 01:12:19 liaWYoA90
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「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||| ログスト暦27年6月、盆地村。 |
||| ラーラロ逃亡以降この村は長老衆の合議によって統治されていた。 |
|」________________________________|
193:白茶 ◆SIROEqquJ6
09/01/31 01:12:51 liaWYoA90
「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||| 反逆者であったラーラロの独裁に悪いイメージを持っていた人々は、 :|
||| 統治の形態が変化したことに対して微かだが安堵を覚えていた。 :::::|
|」________________________________|
___________________________________
____________________________________
売国奴の女狐に代え、
以下五人を「長老衆」とし盆地の統治に充てることを此処に公布す。
西長老 クェアウト
東長老 グェンクトル
北長老 リルゲン
南長老 レーグル
中長老 アバト
合議によりて政を仕切り、
連合の一角たる盆地村の歴史を作り上げるものである。
南の同胞の支持を取り付け、北の蛮鬼どもと闘うべく、
人民の誠実な態度と然るべき応援に期待するものである。
: :::::, ´|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|`、::::
::::/ :|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ヽ::: 盆地村政庁 .....┌┬┐
/ 、 ....├盆┤
| / | └┴┘
 ̄ ̄.| . ∀l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.ヽ、 ノ , ´|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|`、
 ̄ ̄ ̄` ァ ヾ´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ :|;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ 、
| |
「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||| だが、それもつかの間に過ぎなかった。 :|
|」___________________|
194:白茶 ◆SIROEqquJ6
09/01/31 01:13:23 liaWYoA90
__l__l_|::|:::::::::::::::::::|_l__l__l__l__l__l__l:|::|:::::::::::::::::::|_l__l__l__l_
_l__l__|;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;/__l__l__l__l__l__l_:::|;;|;;;;;;;;;;;;;;;;;/__l__l__l__
__l__l_| | ̄ ̄ ̄|_l__l__l__l__l__l__l_| | ̄ ̄ ̄|_l__l__l__l_
_l__l__| | |__l__l__l__l__l__l__:| | |__l__l__l__l
__l__l_| | |_l__l__l__l__l__l__l_| | |_l__l__l__l_
_l__l__| | |__l__l__l__l__l__l__:| | |__l__l__l__l
__l__l_| | |_l__l__l__l__l__l__l_| | |_l__l__l__l_
_l__l__| | |__l__l__l__l__l__l__:| | |__l__l__l__l
__l__l_| | |_l__l__l__l__l__l__l_| | |_l__l__l__l_
_l__l__|_|___|__l__l__l__l__l__l__:|_|___|__l__l__l__l
: :::::::::::::::::::::;;;::|;;|::::::::::::::::|;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ::::::::::::::::::::::::::::::::: :::;;|;;|::::::::::::::::|;::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
: ::::::::::::::::::::;;;;;;|;;|;;::::::::::::;;|;;::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::::: :::::::::::::::::;;;;|;;|;;::::::::::::;;|;;:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`'――'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄~`'――'  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ̄/ ヽ ̄/
/■\ /■ヽ /■ヽ ヽ ̄/ / ヽ / ヽ
( ´〈Д) ( ゚〈Д) (゙Д゙") / ヽ ヽ__ノヽ__ノ
( ∪∪ ( ∪∪ ( ∪∪ ヽ__ノ
( ̄__)__) ( ̄_)_) ( ̄_)_) /⌒、/⌒、/⌒、/⌒、 ̄`、
、_/、_/、_/、_/_/
,―──^───^──^────
│あーでもない こーでもない あーでもない こーでもない
'────────────
,―──^───^──^───
│まぁ、貢納は安定してるから、大丈夫でしょう。
'──────────
「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||| 私欲の塊のような長老達の議論においてまともな意見採択は無いに等しく、 |
||| 政庁は貢納をひたすらに毟り取るだけの愚かしい集団に成り果てていた。 |
|」_________________________________|
195:白茶 ◆SIROEqquJ6
09/01/31 01:14:01 liaWYoA90
ウォォォ…
/★ヽノ ./★ヽノ /★ヽノ
(;;田゚::;:) /★ヽ (皿;:;:# (o:;:;:;;,:;;) ォォォォ…
⊂人:;⊂ (;:;::;*;:;)/★ヽ⊂::;§ ⊂..,;⊂;;) /★ヽノ
- 八;:;:;、 ⊂#;:;;:;;;(。∀゚;;:);::;:;| | ( ( (゚:田゛;:;) ゥゥゥ…
(,;:;;,,,_と Y ⊂;:;⊂ )__し (_(_) 0;,.;,::,,0
(_)★ヽ人 〈:::(;:;(
/□ヽ ⊂゚皿;;,,二丿⌒ヽ (_)し´
\(゚∀゚ )ノ
( )
〈 \
「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||| 追い討ちをかける事件も発生する。 .|
||| 「悪夢教徒の乱」である。 ......|
|」_________________|
196:白茶 ◆SIROEqquJ6
09/01/31 01:14:34 liaWYoA90
┏━━━━━━━━━┓
┃ρ-σ-τ-υ-φ-χ-ψ-ω-/┃
┃─└─┐─└───┐─┃─┤-┃
┃火│山│; ; │ │林│林│山┃~│6 ┃
┃━┓─└─┐─┼─┌─┘─┃─┤-┃
┃~┃山│山│, ‐→村│山│山┃~│7 ┃_____________________
┃━┛──/──┘─┌─┃─┤-┃;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;
┃─┬─‐´│山│山│山│ ┃~│8 ┃:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
┃─┼│┼─│─┌──┘─┃─┤-┃ .................................... ..................::::::'''':;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;
┗━━━━━━━━━┛........................................................... .................................::::::::::::::::::
::::::::::::::...................................... ............................................... .'''''''''''.....................................
................................................................................................................................
......................................................... ....................................... .................
ヘ/★\ ヘ/★ヽ ヘ/★\ ヘ/★ヽ
(;:;;:::Д) (;:;:;д) .(#:;::;:;::;::) (:;:;:;:;:゚)
(:;::;:つ;:;つ |;:;つ:つ (:;::;:メ:;::;つ /:;:;:つ
;;:.. ..,,.人:;::ヽノ.. ..,....,;:. ..,;;:;~|;::;:;:;0.,;;:: .,,.:;: ..,.,w人:;::ヽノ.. .,, ;::,,:;' ,,~(:;:;:;ノつ..,.. ...,..,;; :;:,::,, ..,. :;;, ::;.,, ..,,.:.,
(__(__) ,;;:.';'"" ' .,し'´ . (__(__) ' ; :' (/ . . ,
「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||| バウェツ兵団の解散以後、治安維持力を失った盆地一帯は、 ::|
||| 逃げ延びた悪夢教徒には絶好の集結地点であった。 ::::::|
|」____________________________|
197:白茶 ◆SIROEqquJ6
09/01/31 01:15:05 liaWYoA90
/□ヽ
、(:;:;::;:;:;;)ノ
(:;::;:;:へ
└
───
「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||| 治安状況は、日に日に悪化の一途を辿って行った。 |
|」_________________________|
「| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||| 深刻化する事態の中で、 ::::::|
||| 人々が長老衆という存在に疑問を抱くのは時間の問題だった。 :|
|」____________________________|
198:白茶 ◆SIROEqquJ6
09/01/31 01:15:37 liaWYoA90
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄
/ To Be Continued ───
/____________ _ _ _ _ _ _
// \\
// \\
// \ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄  ̄
// \ ┼ ! i ! i ! ! i ! ! i
_______// \_______ _ _ _ _ _ _
/ / /
/ / /
_____/ / /
/ /
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
.
199:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/31 21:31:14 /Iq/l9o80
∧∧
┌(*゚ー゚) 部下A ─────────
| ナツコ様は王都から東にしばらく行った山岳地帯で
| 鉱石を掘る為の建物を建てるとおっしゃっておりました。
└───O─────────
o
┌──────‐
| ふむ、ここら辺の筈だが……
└───v───
。
/つ∧ ∧とヽ
ヽ(゚- ゚*三*゚ -゚)ノ
ミ 彡
| ,,)~
し'`ヽ,) ))
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|l| アフォシリア歴の28年秋。王都へと帰還したダッテは、早速王都を巡り、 |l|
|i| |i|
|l| 王都に住む貴族や知恵者、技術者を集め始めた。 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
=\ \ ┌────‐
===\ \ ┌─────‐┤ って、なんだこりゃ!
====| \ \ | ……ん?誰か来たの? └─v───
====ヽ: \ \ └───v──
======ヽ: \ \ □
=======|: \ / | トントン
=======|: \ / 彡 ∩
=======| \/ ∧∧
=======ヽ__________□―と(*゚ ヮ゚)
=========ヽ\\\\\\\\\\\\\と )
==========|\\\\\\\\\\\\\\,)~
==========| \\\\\\\\\\\\\\
==========| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| 从
==========| | そ ∧∧
==========| | W(゚; )
==========| | と ヽ
==========| | > ,,)~
==========| | (,/^ヽ,)
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200:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/31 21:31:47 /Iq/l9o80
=\ \ ┌諛言「ザ・ティース・フロート」───────────‐
===\ \ | あ、これはこれはダッテ様。王都から旅に出たと聞いて心配しておりましたが、
====| \ \ | 御無事で何よりです。ダッテ様は国家の柱石、陛下の片腕。王にとっても民に
====ヽ: \ \ | とっても我々にとってもかけがえの無いお方で御座いますから、はい。
======ヽ: \ \ |
=======|: \ / | ……ところで、このような辺境までお越しとは、何か御用で御座いますか。
=======|: \ /... └────v────────────
=======| \/
=======ヽ_____________
=========ヽ\\\\\\\\\\\\\ 从 ┌無視「パーフェクトスルー」─────‐
==========|\\\\\\\\\\\\\\ ∧∧ そ . |まぁ、もちろん用はあるが、それよりこれは何だ?
==========| \\\\\\\\\\\\\\゚ ヮ゚)W. └──v─────────
==========| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|と )
==========| | ,,)~ ∧∧
==========| |J (゚* )
==========| | ( )
==========| | | ,,)~
==========| | し'`J
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
=\ \
===\ \
====| \ \
====ヽ: \ \
======ヽ: \ \. ┌─────────────────
=======|: \ /. |ああ、これですか。少し前に新しい坑道を掘ったのですが、そこから水が出て
=======|: \ /. |しまい、それを汲み出す為にリスク様が発案、カルド殿と私が設計、建造した
=======| \/ |アフォシリア高原の風を利用する新時代自動労働装置、「風車」に御座います。
=======ヽ___________└───v──────────────
=========ヽ\\\\\\\\\\\\\ ┌─────‐
==========|\\\\\\\\\\\\\\ |新時代自動労働装置?
==========| \\\\\\\\\\\\\\ └──v────
==========| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
==========| | ∧∧ ∧∧
==========| | (*゚ ヮ゚) (゚; )
==========| l と, |) ( )
==========| | ~(,, | | ,,)~
==========| | し'`J し'`J
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
201:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/31 21:32:18 /Iq/l9o80
∧∧
┌(*゚ ヮ゚)──────────────‐
| はい、この「風車」は4枚の羽根が風の力を受けて回転し、内部の軸に
| その力を伝える事で、人を使わずさまざまな仕事を行えるのです!
└────────────────
| ̄|
─────→ 彡 | | ミ ← 回る
___| |___
──高原の風─→ |___○___| 動く
| |==ヽ______
─────→ ミ | |===彡\\\\\ |
|_|====| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ←┘
l======|. |
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
∧∧
┌(゚- ゚*)──────────────‐
| 具体的には?
└────────────────
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
∧∧
┌(*゚ ヮ゚)──────────────‐
| 今の所は、水を組み上げて選鉱所に送り込む程度ですね。将来的には、
| おにぎり族の村で作られていると言う「パン」という料理の材料となる
| 小麦を石臼で挽いて粉末にしたものを製造しようという計画があります。
└────────────────
_________ ∧∧ 彡
/◆ξ◇◆ξ◆ξ◇ ./| (*゚ー゚)つ ミ
/ ○◆◆ξ◇◆ξ_ /./ ( つ ノ ◆ ◆◆◆ξ◆
/○○◇○◆ξ◇○/./ | ,,)~ ◆ξξ◆ξξ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ し'`J ◆◆◆◆◆ξ◆ξ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ∧∧ ◇◇○○
(゚д゚;) ○◇○◇◇○○
| ヽ
■━O━U~ ______ ∧∧
/ ̄ ̄ ̄○ ̄/l し'`J /:;:;:;:;,.,.,. /l (,゚д゚,)
/_________/./ / ''''::;:;;;:;,.,. /./ ヽ:;;;:;ノと)
|_____|/ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/ | |
∧∧. ∧∧  ̄ ̄ ̄ ̄' ∧∧ し'`J ∧∧. ∧∧
(゚ー゚*). (゚ー゚*). (゚ー゚*). (゚ー゚*). (゚ー゚*)
――O-‐と )――O-‐と )――O-‐と )――O-‐と )――O-‐と )-,
~ /_/. ~ /_/. ~ /_/.~ /_/. ~ /_/.~/|
~ ∧∧. ~ ∧∧. ~ ∧∧. ~∧∧.~ ∧∧. ~/ |
( *゚) ̄/ ~( *゚) ̄/ ~ ( *゚) ̄/ ~ ( *゚) ̄/ ~ ( *゚) ̄/_ / |
―‐( つー'――‐( つー'――‐( つー'――‐( つー'――‐( つー'―l' /
~,,. | ~,,. | ~,,. | ~,,. | ~,,. | | /
∧∧
┌(゚- ゚*)──────────────‐
| ふむ、なるほど。他にも色々使えそうだな……。
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202:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/31 21:32:50 /Iq/l9o80
=======|: \ / ┌────────────
=======|: \ / | よし、この「風車」についても記録に残すとしよう。
=======| \/ | ナツコ、ついて参れ!「風車」の事、聞かせてもらうぞ!
=======ヽ_____________ └──────v──────
=========ヽ\\\\\\\\\\\\\ ┌──────‐
==========|\\\\\\\\\\\\\\ |あ、あわわ、まだ仕事中……
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==========| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
==========| | ∧∧ ∧∧
==========| | (;゚ ヮ゚) (*゚ー゚)
==========| | (つと >と つ
==========| | / ,,)~(,, |
==========| | (;:`;:;:.,., ー (,/´(,/ (,/´ J
"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙"゙"~""""~"゙"゙"゙~"゙""゙
|i|ー────────────────'|i|
|l| こうして、アフォシリア中から史料と人材を集めたダッテは、 |l|
|i| |i|
|l| それらを用いてアフォシリアの歴史を書き始めたのである。 |l|
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌─────────────────
| 国の歴史の主流は「史記」として要点のみを書き、重要人物にはそれぞれ
| 人生の物語を書いて「伝記」とし史記に記さない詳細な記録を残し、戦争の
| 記録は開戦に至る経緯から布陣、兵数、戦闘の経過に結末、後世に与えた
| 影響などを詳しくまとめて「戦記」を作り、各地方についてその地域の特色
| などを記して「風土記」として纏め、アフォシリア諸地方の開発に役立てる事とし、
| 工業技術や農業技術など、やや歴史や政治からはみ出した記録や、用語集、
| 年表、事典のような他の書を読む時に参考にするようなものなどは纏めて
| 「総記」としてしまおう。あと、今後起きる出来事を少しずつ書き足せるように、
| 羊皮紙は全部縫い合わせてしまわず、紐綴じ式にすれば…………
└─v─┬──────────────
|流石ダッテ様、読む気の失せるセリフに定評があり過ぎます……。
└───v───────────‐
∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧ ∧∧
(* 。 。)φ (゚ヮ ゚;) (゚- ゚;) (;゚ -゚) (゚; )
( つl⌒l^l (三@と ) l三l三と ) ( つ三l三と )
| ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄| | ,,)~ l三l三三l(,, | | ,,)~ | ,,~
|__|____| し'`J l三l三三l三lし'`J. し'`J し'`J
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|l| ダッテにより記された歴史書は、ひたすら公的な事実を羅列した「史記」、 .|l|
|i| |i|
|l| 個人に焦点を当て、その生涯を書いた「伝記」、戦争における布陣や |l|
|i| |i|
|l| 戦闘の経過、結果などを詳しく記した「戦記」など、多岐に渡った。 |l|
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203:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/31 21:33:22 /Iq/l9o80
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||============||============||============||============||=====.(| |)..=||=====
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||二二二二二二||二二二二二二||二二二二二二||二二二二二二||二二二し'`J二l|二二
l l
∧∧ ヽ / ヽ /
(*゚ー゚) ∧∧ ∧∧
( つl⌒l^l0 (*゚O゚) (゚Д゚*)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/| ( つ つ ( ∞ )
/'|| ~(,, ヽヽ / / ,,)~
_____________/ l⌒lJ'J ししl⌒l
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||
|i|ー────────────────'|i|
|l| そして、ダッテによって王都に集められた各地の英才達は、それらの |l|
|i| |i|
|l| 歴史書について論じ、研究し、筆写し、自ら新たな本を書いたりも |l|
|i| |i|
|l| しながら、各分野における知識を深めあった。 |l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌───────────‐
| あの~……お願いですから、真面目に水路建設の
| 予算について、計算してくれませんかね……?
└─────────v──
コレハ ウチュウカラノ
メッセージ ダッタノデス!!
ジンルイハ ホロビマス!!
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
| ゚゚゚ ゚゚ "il。。。li" 1 + 1 = ⑨ . | ∧∧ ∧∧ ナ、ナンダッテー!! /■\
| ↑ メメタァ |\(*゚O゚) (゚0 ゚ili) (´д`; )
|___________| と |) U Uヽ ( )
|| li~(,, | | ̄ ̄ ̄| ̄| | | |
|| || し'`J |___|_| (_(__)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|i|ー────────────────'|i|
|l| また、彼らは全て王家の食客とされ、日々の糧を得る為の労働から .|l|
|i| |i|
|l| 離れ、これらの学問や、国家から依頼された仕事、研究を専門に行う |l|
|i| |i|
|l| ようになっていく。アフォシリアにおける学者と文官の始まりである。 |l|
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204:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/31 21:35:07 /Iq/l9o80
-..ニ:'' ⌒:)`,
___
/li∧il\
r‐,,..,-.,-,,.,.___,.,.,.-、__,.-.,_i-i-i__|il,二n二,li|..i-i-i,____, ,.._.-.,.,,.,__,.-., ,.._.-.,.,,.,__,.-.,
/:/':/:::::丿:::::丿:/::::::丿:: :ヾ::::::/ `、::: ハ:::ヾ:::`:::ヽ:::、_::/:::,ソ >::ノ、::ハ:丿::`、
../:/ :ノ:: :: :/: :/: . {: :: :.''゙ヾ:::::::\:: ^ノ ノ::ヽ::::::::、ヽ、::: ....丿:::;ヾノヽ,_/:-/::ト;:、:::ヽ. :;}
/:/::::::丿:: :ヾ::/: ::/: . {: ヾ:::::::\/::ト;( (ヾ:::`:::ヽ:::ハ:丿::、::ハ:丿::、:::: :: : :{: : :: : ::ヽ:: :\:.::.::
゙:. : ..`⌒::ー ‐ ‐- - -=ニ´ -‐_,,.. -‐ = ニ '':: ー- 、... __ ⌒‐_、_::- -..ニ ⌒゙''::ー =、::'' ⌒:)`:
|i|ー────────────────'|i|
|l| 軍事学、法学、地理学、経済学、農学等々、この後王都で盛んになる |l|
|i| |i|
|l| アフォシリアの学問は、この時のダッテの史料編纂事業に端を発するのだ。 .|l|
`ー────────────────‐'
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┌────────────‐ ]||l]l]l]l]l]l]
| 金創に効く薬草、金創に効く薬草……、だめだ、無い。 .====||======
| 化膿止めか、せめて毒消しの薬草は…… l]l]l]l]l]l]l]l]||l]l]l]l]l]l]
└─v─────────── = =========||======
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||二二二二二二||二二二二二二||二二二二二二||二二二二二二||二二二
∧∧
(,,゚ -゚/ ̄/
( つ/_/
| ̄ ̄| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
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|i|ー────────────────'|i|
|i| |i|
|l| ……そして、この青年の物語も、その一つである。 |l|
|i| |i|
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┃呆┃アフォシリア王国 ┃☆☆☆☆★★★★★★┃同盟:- 仇敵:-
┣━┻━┳━━┳━━┳━━┳━━╋━━┳━━┳━┻━━━━━━┫
┃能 力┃身 04 ┃統 07 ┃知 03 ┃政 05 ┃繁 09 ┃合計 28 ┃建国王ハナン 支持率: 91%
┣━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━┻━━━━━━━┫
┃民:30500人+軍:1500人=総人口:32000人
┣━━━━─国土─┓4コマ12村 総収穫:小麦32000石/年
┣━━┯━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━┫
┠──┘29年01月:状況:アフォシリアの歴史編纂事業と学問の興り
┃
┃ 一年ちょっとの時間をかけ、ダッテが集めたアフォシリア各地の情報を元にしてアフォシリアの
┃ 歴史書が編纂された。昔の出来事や、その影響、結果などを簡単に調べる事が可能となり、
┃ 王家の金で雇われ、それらの知恵知識を修めて王家の為に働く職業が誕生した。
┃
┃ アフォシリアにおける学者の始まりであり、また文官の始まりでもある。
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃Go to next episode l> Episode - 34「北の大地に日は昇る」
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
205:エストック ◆XZKy/CKmxk
09/01/31 21:36:05 /Iq/l9o80
┏━┳━━┳━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━┓
┃呆┃ τ-3 ┃山頂の王都 アフォシリア ┃総人口:13000人 総収穫:小麦16000石/年
┣━┻━━┻━━━━━━━━┫総兵力:1000人 総生産:青銅200kg/月
┃-α-β-γ-δ-ε-ζ-η-θ-ι-κ-/ ┣━━┯━┳━━━━━━┫
┃┌─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┬─┐- ┃元地形|林野┃統治者:ハナン・アフォシリア
┃│山│山│山│山│山│山│山│山│山│山│ 1 ┣━━┷━┻━━━━━━┫
┃├─┼─┌────┼─┐─┼─┼─┤- ┃呆:η-7:アフォシリア:建国王ハナン
┃│山│山│森│畑│畑│林│林│山│山│山│ 2 ┣━┓人口:7000 収穫:小麦8000石/年
┃├─┌─┘─┼─┼─┼─┼─└──┐─┤- ┣━┻━━━━━━━━━┫
┃│山│森│森│村│畑│林│林│林│林│山│ 3 ┃呆:δ-3:ネコムシア
┃├─│─┼─┼─┼─┼─┼─┼─┼─│─┤- ┣━┓人口:2000 収穫:小麦3000石/年
┃│山│林│林│ │ │ │ │ │ │山│ 4 ┣━┻━━━━━━━━━┫
┃├─│─┼─┼─┌──┐─┌──┘─┤- ┃呆:β-8:エクスタシア
┃│山│林│ │ │山│山│ │山│山│山│ 5 ┣━┓人口:1500 収穫:小麦3000石/年
┃├─└─┐─┼─│─┌─┘─│─┼─┌─┤- ┣━┻━━━━━━━━━┫
┃│山│山│林│ │山│畑│畑│山│山│林│ 6 ┃呆:ι-10:スカティロシア
┃├─┐─│─┼─│─│─┼─│─┼─│─┤- ┣━┓人口:1500 収穫:小麦2000石/年
┃│林│山│畑│林│山│畑│街│鉱│山│林│ 7 ┣━┻━━━━━━━━━┫
┃├─└─┘─┼─│─└─┐─│─┌─┼─┤- ┃呆:θ-7:アフォシリア鉱山群
┃│林│村│畑│ │山│山│森│山│林│林│ 8 ┣━┓人口:1000
┃├─┌──┐─└─┐─└─┘─│─┼─┤- ┣━┻━━━━━━━━━┫
┃│林│山│山│林│林│山│山│山│畑│畑│ 9 ┃
┃├─└─┐─└─┐─└───┘─┼─┤- ┣━┓
┃│ │ │山│山│林│林│ │林│村│畑│ 10 ┣━┻━━━━━━━━━┫
┃└─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘- ┃
┃├─┤10km 029年01月 現在┣━┓
┣━━━━━━━━━━━━┻━┻━━━━━━━━━┫
┃風踊る飛竜の高原:風属性を強化、炎、水、地属性を弱化。進軍にかなりの時間がかかる。
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃総生産:小麦16000石/年 青銅200kg/月 金10kg/月
┣━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃総備蓄:ガリッガリ……。さっさと増税してたんまり年貢が欲しいです。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛