06/12/14 22:33:10 Ex5ZDiV3
>>231 訂正
ある日、風がいつもより気持ちが良い。それどころかこの妙な暖かさ
そして隣には見たことのない、ちょっと大きい女。でもこの人俺に親しく話してくる。
話が面白くて俺もつられて笑ってしまう。俺の笑談にも笑ってくれる。
俺は巫山戯て「そろそろ手を繋いで帰ろう」と持ちかけた。馬鹿か俺は
自転車(チャリ)なのにどうしろと?
その子は俺に近寄って来て「いいよ~」と手を差し伸べて来た。
透かさず俺は自転車(チャリ)を止め「え?」っと聞いた。
彼女は俺の胸板に頬をよせて
「これからずっと一緒にいようね!」
何が何だかわかんない。何が起きたのか、何のことか、
あまりにも嬉しくて気が狂ったかのように叫んだ。17年の初快挙。
輪郭を撫でて頭を撫でて、殆ど記憶にないけどやるだけのことはやった。
まだ大きい事はしてないけど、そんな笑顔が可愛い君に出逢えた。
俺はまたしても「そうだ!遊園地に行こうよ。思いっきり遊ぼう!」って提案して
「うん、良いよ。」と言ってくれたけど
「俺さ、ちょっとジェットコースターとかお化け屋敷とか苦手なんだ…、ちょい君には退屈させるかも…」
って、せっかくの彼女なんだから耐えろ、俺。
「じゃあ、映画見ようよ!映画見てご飯食べようよ!」
俺にとってこんな幸せなな経験なんかしたこと無い。
所が、視界が歪んだと思ったら鳴り響くベル。
そう、全ては造られた世界だった。
しかしこの感覚やら、あの優しい声は今も頭に焼き付いて離れない。
おかしくなったみたいだ。どうしてもあの子に逢いたい!もう一度だけでも
「おい?祐樹?熱でもあるのか?」
友の呼び声も聞こえない。
神様、一度で良いから、嘘でも、造り者でもいいから
彼女と逢わせてくれ!
Fin