06/10/15 01:04:04 UM5KmvdE
三島由紀夫「禁色」より
女は子供のほかに何ものも生むことができない。
男は子供のほかのあらゆるものを生むことができる。
創造と生殖と繁殖は全く男性の能力であり、
女の受胎は育児の一部分にすぎない。
これは言い古された原理だ。
女の嫉妬は創造の能力に対する嫉妬である。
男の子を生んだ女は、これを育てることに、
男性の創造の能力に対する甘い復讐の喜びを味わう。
女は創造を妨げることに生き甲斐を味わう。
贅沢と消費の願望は、破壊の願望である。
いたるところで女性的本能が勝利を占める。
はじめ資本主義は男性の原理であり、生産の原理だった。
ついで女性の原理が資本主義を蝕んだ。
資本主義は奢侈的消費の原理にうつりかわり、
やがてこのヘレナのおかげで戦争がはじまった。
遠い将来には共産主義も女に滅ぼされるだろう。