05/10/13 17:03:30 6+727oru
>>790
どんな言葉にも歴史があります。
また、マイノリティの呼び名(ホモ、レズ、エスキモー、ニガー、ジャップ…)
は、歴史的に当人達の自己アピールとしての「自称」ではなく、多数派から
見た「他称」であった場合が多いといえます。
ホモ、レズという呼び名は、「あいつホモ(レズ)だって」「気持悪い」
「かわいそう」といった、多数派からの差別を含んだニュアンスでの
使われ方をされてきた歴史を負っているのです。
そこで同性愛者本人は、「ホモ、レズ」の言葉の裏に積み重ねられた
差別性を拒絶する、別の堂々と使える「自称」を持ちたいと思うようになる、
それが「ゲイ、ビアン」だったのだと思います。
ノンケが「ホモ、レズ」という言葉を避けて敢えて「ゲイ、ビアン」を
使うのが好ましく思われるのは、そういう背景を彼らがちゃんと理解して
くれていて、賛意を示してくれているというのが伝わるからです。
有名なドラアグ・クイーンのシモーヌ深雪は、長年「オカマ」という
言葉を拒否して「自分はホモセクシュアル、ゲイだ」という強迫観念に
とらわれていたが、そういう観念から解放された時、自分が関わってきた
オカマ(クイア)文化への愛着心から堂々と「オカマ」を名乗れるように
なったそうです。これは、「オカマ」という言葉から(まだ一部でですが)
差別的・嘲笑的なニュアンスが薄れ、「オカマ」が作ってきた明るい
ユニークな文化が一部で高く評価されるようになったことと関係しています。
名前の意味と使われ方も、時代とともに変わっていくのです。
ビアンが「レズ」を拒否するのは、まだ「レズ」から「変態」「レズポルノ」
といった否定的な意味が抜け切っていないからだと思います。