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一縷(いち・る)の望みをつないだ種牛たち。しかし、5頭が、念のために行われた「抗体検査」で「陰性」となり、
延命を手に入れるまでには、不思議なくらいの偶然と、特例に次ぐ特例があった。
口蹄疫(こう・てい・えき)の感染疑いが出た4月20日の直後、計55頭の種牛がいた県家畜改良事業団が
移動制限区域に入った。そして発生農場は事業団から数キロの地点まで近づいてきた。
このため、県は「エース級」の6頭を選抜。本来は移動が許されないのに「特例」として、5月13~14日に
2日がかりで、20キロ離れた西都市の山中へ移動させた。
当初の想定は西米良村。しかし、移動開始後に「(避難予定場所の)周辺に畜産農家があった」として急きょ行き先を
変更。6頭を野営させるなどして避難を完了させた。
それから1日と少したった同月16日未明、県は事業団内で感染が疑われる肥育牛が見つかったと公表した。
同じ施設内で感染の疑い例が見つかった場合は、すべて牛や豚は殺処分の対象となる。
実は、この肥育牛は6頭が避難を終えた日には症状が出ていた。しかし、県は「(避難した直後に)本当にいきなり
(症状がある牛が)出た」と説明。事業団に残っていた次世代のエースなど49頭は殺処分の対象となった。
避難先でも「不思議」は続いた。県は同月22日未明、6頭のうち1頭が遺伝子検査で「陽性」とされた、と発表した。
しかし、実は、「陽性」は19日の検体で出ていたが、県はこれを明らかにせず、翌20日の検体も検査に出し、
これら2回の「陽性」の結果を受けて初めて明らかにした。
一緒にいたほかの5頭も殺処分対象となる可能性が高まった。だが、県はこの時の発表で、避難先の牛舎には部屋が
七つあり、「陽性」とされた1頭だけが体調が悪く興奮状態だったためほかの5頭と1部屋分離れた部屋に入れられていた、
ほかの5頭には症状はない―と説明。再度特例を求め、残りの5頭を2週間、遺伝子検査を繰り返す経過観察とした。
asahi.com:不思議な偶然の数々/口蹄疫-マイタウン宮崎
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