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秋元康、鈴木おさむ、世界のナベアツ(渡辺鐘)など、一般の間でも知られている
「放送作家」という職業。さぞかし莫大な収入を稼いでいるのかと思いきや、
そうした人間はほんの一握りにしか過ぎない。
その底辺に右往左往している者が圧倒的に多いのだという。
ここに紹介するのもその一人。15年のキャリアを持つ放送作家のAさん。
8年前に結婚し、2人の子どもを持つ。結婚当初は7本のレギュラー番組を持ち、潤っていた。
マンションも購入、週末は高級レストランでディナーが当たり前だった。
当然、子どもの塾の送り迎えも高級車。
だがここに来て番組のリニューアルや終了などで一気に担当番組が激減。
今や奥様も仕事に出なければならず、当のAさんはといえば、週に3日は一日中家におり、
仕事に出ている奥様の代わりに子どもの面倒を見ているという。
他にも、3年前までゴールデンのチーフ作家を務めていたベテラン作家が今や
近所のビル清掃のバイトを始めたり、また別の作家は転職したり、
故郷に帰るなど、夢のないような話を頻繁に耳にする。
日本放送作家協会には1050名の作家が登録しているが、所属していない作家ももちろんおり、
それらを合わせると2000人はくだらないと見られている。そんな供給過多な上に、
最近の不況で広告費が激減。自然と制作費も出なくなるわけで、
一番組にかつてのように10人も15人も作家を入れるなどできなくなってきた。
こうして限られた数の番組を大人数が食い合う形となり、よほど恵まれていない限り、
ドーンと儲けることができなくなっているのが現状なのだ。
またギャラも抑え気味になるために、拘束時間が長いのに割に合わないなど
モチベーションの低下も囁かれているという。
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