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マツイ・ビーイング・マツイ
NYの緊張から遠く離れたアナハイムで
16日のブルワーズ戦の試合前―。エンゼルスのクラブハウスでたたずむ松井秀喜の
周囲を漂う空気は、ニューヨーク時代と変わらぬままに見えた。
一歩一歩を確かめるかのように静かに動き、自身のロッカー前に悠然と腰を掛ける。
たまにちらりとテレビに目をやり、そして多くの日本人記者たちの取材にときに笑顔を
交えながら順番に答えていく。
「西海岸と東海岸の違い? スタジアムに来てしまえば同じです。生活自体は大きく変わり
ましたけど、ニューヨークはニューヨークで楽しかったし、こっちはこっちで楽しめてる気が
するし。どちらの生活もいいですよ」
メジャー随一の名門球団ヤンキースを去って、新天地エンゼルスでの1年目。劇的な変化
を表現するコメントを期待するこちらをはぐらかすように、丁寧でいながら飄々(ひょうひょう)
としたポーカーフェイスを崩さない。
筆者は過去5年ほど、ニューヨークにいながらにして決して近づき過ぎず、日本人だから
と肩入れもし過ぎず、1人のメジャーリーガーとしての松井の活躍とクラブハウスでの日々
を眺めて来た。
記憶の中の松井は、無安打が続いている真っ最中でも、1試合2本塁打を打った翌日でも、
同じルーティンを保ち、同じように周囲に接する。感情の抑揚は、微妙な距離を保っている
ものにはまったく判断がつかない。そして……2カ月以上をアナハイムで過ごして来た今も、
すべては以前と同じままだった。
マツイ・ビーイング・マツイ。メジャーでの安定した活躍の原動力となって来たはずの
「不動心」は、やはりいまだに健在のようである。
(>>2以降に続く)
ソース:スポーツナビ(06/18)
URLリンク(sportsnavi.yahoo.co.jp)