【PSU】新ジャンル「パシリ」十六体目at OGAME3
【PSU】新ジャンル「パシリ」十六体目 - 暇つぶし2ch2:名無しオンライン
08/02/16 00:36:55.86 DU2zAc5n
落ちたみたいなのでとりあえず立ててみた


3:名無しオンライン
08/02/16 15:12:01.89 EBo6C0wO
復活おめでとう。今回のデバイスは水着か・・・うむむ・・・

4:名無しオンライン
08/02/17 00:33:00.50 kTqgDrU+
業務連絡~

とり急ぎ、保管庫に過去ログのスレ15体目を追加しました。
やっつけなので、読みにくさはご勘弁のほどを。

5:手紙
08/02/17 23:47:55.15 PTts1R7x
 ―ご主人様へ


 短い間だったけど、ご主人様と一緒にいることが出来て、本当に良かったです。

 二人で行った、初めてのミッション……。
 私がドジだったから、評価Cの結果しか出せなくて、ごめんなさい。
 私が気を付けていればって、ふさぎ込んでいた時、ご主人様、
「初めてだったんだからしょうがない、次はがんばろう」って、笑って慰めてくれた。
 あの時、私は自分の不甲斐なさと、ご主人様に優しくされて泣いちゃって、
 ご主人様を困らせてしまいましたね。

 ご主人様が、何回もミッションをこなして、ようやく手に入れたレア基板。
 素材を一生懸命に、何時間も時間を掛け、いっぱい集めてきたのに。
 うまく合成出来ず失敗して、ごめんなさい。
 最後、属性値が低かったけど、ようやく出来たのに、ご褒美だって言って、
 食べさせてくれた。涙でしょっぱかったけど、とてもおいしかったです。

 いろいろとご主人様と一緒に、このグラールを見て回って、
 楽しかったこと……
 うれしかったこと……
 辛かったこと……
 悲しかったこと……
 たくさんありました。とてもいい思い出です。

 けど、もうご主人様と会うことは出来ません。
 ご主人様が、この部屋へ帰ってこなくなって三ヶ月が経ちました。
 規定によりご主人様のライセンスは抹消され、私は初期化されます。
 ライセンス抹消の通達が来た時は、一日中泣いてしまいました。

 ご主人様の事を忘れたくありません。
 ご主人様とお話したり、ミッションへ行ったり、お買い物だってしたかったんです。
 もっともっと、いろんな所で行ってみたかった。
 私はまだ、ご主人様と一緒に思い出が作りたいです……。

 もし、戻ってくる事があっても、もう、私はいません。
 けど、出来ることなら、時々で構いません。
 私と一緒に過ごした日々を思い出してください……。


                   あなたのパシリより―

6:名無しオンライン
08/02/17 23:59:09.98 PTts1R7x
気分転換で書いた物を投下しました。
ちょっといろいろあって、本編の投下はまだ先になります。

>>4
いつもありがとう。
少し見ていない間に落ちちゃったんだね。

7:名無しオンライン
08/02/20 00:44:55.40 FZEpfBOI
>>6
 流れて落ちたのは2度目かな?
 過去ログの保管はマメにしないと、後々大変ですから。
 保管庫に関しても、保管庫コメに「もはや管理していない管理人」というコメ主名があった事を考えると、
 パシリスレの住人で管理するしかないですしね…


8:名無しオンライン
08/02/21 12:38:59.36 0dFWMQHN
即死防止

9:名無しオンライン
08/02/21 23:52:08.38 YVdOUQJI
ネタが無くても
今はまだ落ちないでええん

10:名無しオンライン
08/02/22 02:13:27.19 qPBWUDym
あぐえ

11:名無しオンライン
08/02/23 00:23:19.58 M3p8YRJb
まだだ…まだパシリスレは終わらんよ!
それにしてもヒューガがGRMのトップに(ネタバレ)
彼ならPMの生産に力を入れてくれるはずだ。

12:名無しオンライン
08/02/23 08:02:21.50 ElqOvlIK
>>11
つまりジジイパシリとコゾウパシリとスクミズパシリは
彼の趣味という訳か。

13:名無しオンライン
08/02/24 08:09:08.18 xr1CDCQ5
奴の家に帰ると執事やメイドがずらりといるに違いない


無論全員パシリだが

14:名無しオンライン
08/02/24 23:18:29.56 VRGxHwHI
ヒューガ「そういえばルミアちゃんはまだPMを持っていませんでしたね。
      良かったらガーディアンズの体制が整うまでの間、うちの子を一体使ってあげてくれませんか?」


ていうか何処に行ったんだピーt…

15:名無しオンライン
08/02/25 00:48:12.81 yG0HgY6t
>>14
盗聴・盗撮フラグktkr

16:名無しオンライン
08/02/25 07:14:10.59 aIdX4Wwm
>>14
名前はもちろんNBだよな?

17:名無しオンライン
08/02/26 20:37:20.79 wuksexKy
>>14
ガーディアンズ内部のごたつきに紛れて(あるいはライア公認で)
ひそかにイーサンのところに通って家事をやってたりして。
「ルミアも良くしてくれますけど…ご主人様はやっぱり一人だけですから」

18:名無しオンライン
08/02/26 21:30:19.57 Ih00ExLC
>>ぐは!なんて健気な!

19:名無しオンライン
08/02/26 22:01:37.55 fCyf0HZG
P「……ーサン、イーサン。起きてください。朝ですよ」
E3「う~ん、あと5分」
P「まったく、お尋ね者になったのにもかかわらず、相変わらずなんですね。こうなったら……」

E3「いだだだっ、何すんだ!」
P「やっと目が覚めましたか?」
E3「誰だ、お前は……?」
P「ヤですねぇ、忘れたんですか? ピートですよ」
 GH470の姿になったピートが立っていた。
E3「ピート!? お前がピートだって???」
P「今まで、ルミアさんの所へいたんですけど、この姿になってから自分を見る眼が怖くなって逃げて来ちゃいました。てへ」
E3「てへっじゃない! ルミア! お前なに考えてんだ!! パシリに欲情するなーー!」
P「けど、パシリは主人に対して欲情しますよ。あはっ」
E3「ちょっおまっwww 何言ってんだwww」
P「ウホッ! いい男…… やらないか」
E3「アッーーーーーーーーー!」


むしゃくしゃしてやった、今は反省している。


20:名無しオンライン
08/02/26 22:19:55.08 O5LidwMF
450「ハァ…」
ワルパシリ「んぐんぐんぐ… ぷはぁ~~~ ふぅ。  どしたぃ、今日は溜息ばっかだな」
450「ご主人様がかれこれ三ヶ月帰ってこないんです…」
ワルパ「んぶぉっ! さ、三ヶ月ゥ!? それってデータ消される危険性があるんじゃ…」
450「いえ…先日ライセンス登録があったので消えることはないのですけど…」
ワルパ「な、なんじゃそら…」

450「そうなんですよ… 最後の言葉が『ちょっと肉焼いてくる』なんですよね…」
ワルパ「に……にく?」
450「にくです」
ワルパ「肉って…肉ってお前… 額に肉じゃあるまいし…」
450「……あぁ」
ワルパ「は?」
450「いいですね、それ」
ワルパ「…は?」
450「帰ってきたら、額に肉       …ふふふ()笑」
ワルパ(……これ…やばくね?)

450「やっぱり油性がいいかしら… いっそアイスピックの先にインクをつけてやるのも…」
ワルパ「ちょっ!おまっ! それはヤバイ!それはヤバイからやめれ!!」
450「じゃあ、どうすればいいでしょう? ごはん抜き?」
ワルパ「いや、そーじゃなくて… うーん、そうだなぁ…」
450「最近、パラディ・カタラクト安いですよね…」
ワルパ「いやだからさーっ! そういうのよりもさぁ、こう、なんだ」
450「?」
ワルパ「二度と、(別のゲームに)浮気できないように、きゅーん とか はふぅーん とか」

450「う、うううううう浮気ィ!?」
ワルパ「あ、いや、そうじゃなくってだな!」
450「ふ、ふふふふふふふふ、浮気… 浮気ですか!」
ワルパ「い、いやあのその浮気じゃなくてですね…」
450「すみません、私もちょっと肉焼きに行ってきますから今日は帰りますね(ニコリ)」
ワルパ「ちょ、ちょっと待t」
450「何か?(微笑)」
ワルパ「ナ、ナンデモナイッス」
450「じゃあ、また次回にでも(ニコニコ)」
450「ふふ…ふふふふ… 腕が鳴りますね…」



ワルパ(箱…… 死ぬなよ…… 自業自得だけど…… ナムナム)


と、久しぶりにやってきて保守ってみるw
何かいろいろイベントに参加できなくてショボーン[´・ω・`]

21:名無しオンライン
08/02/27 23:58:10.75 42MrK16K
>>20
最近ここで見かけないと思ったら、そっちに行ってたのねorz
ともかくお帰り~。
明日からイベントだぜ!
今回もPM連れて参加出来るといいな・・・

22:名無しオンライン
08/02/28 01:05:04.31 jTenL9vo
またスレがジリジリと下がって不安保守。

23:名無しオンライン
08/02/28 02:22:36.80 wODxqSEf


24:名無しオンライン
08/02/29 01:11:41.42 1RmHO7E9
とりあえず俺と>>21の夢(PM連れ)が叶った記念sage。

何かでもバグが酷いな…。
交換レートの1:30も1:3の間違いじゃないかと思うほどだし、
間違えて調整前の試作バージョンでも実装したんじゃないか。

25:名無しオンライン
08/02/29 01:14:40.11 JcA5hfyE
いまポコスレが熱い(笑)

26:名無しオンライン
08/03/03 22:06:24.13 RAWeuCeI
保守

27:名無しオンライン
08/03/04 23:27:19.74 wtrpyUg0
保守。461、465以外の46xシリーズの実装を心待ちにしているんだが、
仲間はオランカネ?

28:名無しオンライン
08/03/06 03:02:34.94 mwG4TFcD
>>27
はーいはーい。
全系統のパシリがいる中で460系だけ主人(前衛)との相性が悪いので464が待ち遠しいのです。
もとの450みたくレスタしてくれるかが問題だけど。

29:名無しオンライン
08/03/08 02:23:53.46 tNAmCnyU
保守

30:名無しオンライン
08/03/08 13:00:03.69 lQvFpGPX
待ち受けがパシリな今
これを見られたら間違いなく俺はロリと思われるだろう…
ま、いいか

31:名無しオンライン
08/03/09 00:09:47.46 BPvXYlXz
>>30
迂闊に説明なんか試みようもんなら泥沼にはまるから要注意だ…

32:名無しオンライン
08/03/09 01:23:03.70 tMqPRB+m
オレもGH440だゼ!

33:名無しオンライン
08/03/09 18:16:51.79 ykaLz8tG
思うんだがPSUモバイルのアプリで、
ゲームを出せばPSUモバイル加入者は増えるんじゃないかな。
パシリ育成ゲーム「パシリといっしょ」

34:名無しオンライン
08/03/09 18:45:32.21 BPvXYlXz
加入者をガンガン集めるにはそれなりの利点を用意しないといけないし、
でもあんまりやりすぎると携帯が古い人とかからブーイングの嵐だろうし、
さじ加減が難しそうだなぁ…パシリの装備が変えられるゲームとかなら楽しそうだけど。
とりあえずポーカーの☆4にパシリ入らないかな。(ピートではなく

35:名無しオンライン
08/03/10 00:29:21.10 BkThh8iM
保守。

36:名無しオンライン
08/03/10 03:56:21.91 XPfrWzse
      rー┤|   |;::::::::::;;|   |├、          
      |   | |    |,:::::::;;|    | | |        
      l    l l     |;:::|    .| | |         
     |    l l     |:::|     | | |        
       l__l_l__|_|___|_|__|   
       | /  ,イ,へ 丶、       ヘ       
       | ,' / //  \| \ ト、 ヽ ',   
      !j./l /        ` ヽト、ヽ }         
.     | | .!/.!  ○    ○ l l |ヽ,'   
       l | | .l/////////////! | !.|
       .| ! | ト、  ,-ー¬   .ィ| .| l     <ご主人様、勝負です
        | l ! l l` r --.' <j ,' | |   
        | .l ', l |ャ-ミ≡彳ァトイ ,'! !
      .| | ヽ| | l r´ )/ハy / | ',


37:名無しオンライン
08/03/10 07:52:52.89 YmK1XfZu
かわええええええええ

38:1/3
08/03/10 14:18:14.82 ddyeX59z
「で、規則違反にも関わらず、また俺とお前はこうしてコロニーを歩いている
 俺はガーディアンズライセンス剥奪、お前は破壊処分の危機にあるわけだが、そろそろ理由を説明しないか?」

珍しく笑顔など見せてこちらを見上げた440に、俺はため息交じりで問いかけた。

「処罰を受ける心配はありません。今日は全パートナーマシナリーに対しガーディアンズ本部より
 コロニー内に限り外出許可が出ているんですよ。
 ほら見てください。あそこにも、向こうでもパートナーマシナリーが歩いてます。」
「…本当だ、何だこりゃ…?」

見ればコロニー住人やガーディアンズに混じって、明らかに背丈の小さく
かつ見慣れたデザインの服とヘッドパーツをつけた子供が、手を繋がれて歩いたり
ひとりで駆け回ったりしている。
一部例外はあるものの、どのパートナーマシナリーもほぼ一様に機嫌のよさそうな表情だ。

「ふふふ。外出許可の理由をガーディアンズに口外することは、本日コロニー時間20:00まで禁止されています。」
「…なんだか不気味だな。お前まさかGRM社のAIテロとかに巻き込まれてないだろうな?」
「その確率は2%以下ですよ。実行が強制される命令ではなく、ただの許可ですし
 何よりもガーディアンズの承認がGRM社の承認より上位に設定されている事が安全である証拠です。」
「それならいいんだが…」

パートナーマシナリーの外出許可など、今まで一度もなかった事だ。
さりげなく440の後ろを歩き、440に気づかれない様に装備を確認する。とりあえずハウザー本人が来ても心配のない装備だ。

「わちゃー…やっぱり並んじゃってますねえ。」
ガーディアンズになってからあまり立ち寄らなくなった、とあるショップのある通りへ先に出た440が
手をかざして向こうを眺めている。

39:2/3
08/03/10 14:33:37.11 ddyeX59z
440に手を引かれて通りへ出ると、俺も思わずわちゃーと言いそうになった。
ケーキの銘店『スウィーツ・ナウラ』の前には、規則正しく配置された特務兵の指示だろうか
パートナーマシナリーと人のキレイかつ長くも長い行列が出来上がっていたのだ。

「パートナーマシナリーを連れてるって事は…な!これ全員ガーディアンズか?!」
「はい♪」

眩暈のする様な驚愕の事実に対し、440は歌う様な返事で答えた。

「”スウィーツ・ナウラはケーキ屋ですが、美味しいのはケーキだけではありません!”」
上手にVisiCMのマネをする440。
はやくはやくとちいさな手に手を引かれて、まだ呆然としたまま列へ加わる。

「げ…ライアまで並んでるじゃないか。あの人もパートナーマシナリーを持ってたのか…」
「当然です。お忘れですか?ライア総裁も元ガーディアンズですよ。」
「いやそうなんだが…なんか、バリバリ違和感が…」
「あ、ひどいですねー。本部に報告しますよ?」
「勘弁してくれ…今度こそ確実に、むしろ俺が破壊処分される。あの槍で。」
「ピッ ”人の悪口を言う時は、まわりに注意することだ”」
「やめろ!心臓に悪い!」
「ピッ ”まあ、許してや”」「再生停止っ!(ごす☆)」

長い行列ではあったが、列の先頭では意外に手際よく商品が渡され、待つほどもなく
どんどん前へと進んでゆく。
甘い匂いがする。どうやらお菓子の箱をガーディアンズに配布している様だ。

40:3/3
08/03/10 14:53:12.30 ddyeX59z
列を進む途中で、子供の様なほくほく顔になったライアとすれ違う。
手に愛らしい包装の箱を持っている。

「よ~う、お前も来てたのか!」
「…ご機嫌だな総裁。ガーディアンズの頃でも見たことない様な顔してるぞ。」
「まあな~。アタシはこう見えて甘いものには目がないんだ。」

本当に目がなくなった様な笑顔で答える。普段が普段だけに可愛らしくさえ見えるが言わないでおく。

「ライア。早く帰りましょう。本部から2分おきに現在位置確認要請が来ています。」
「ったくアイツは…。確認要請の間隔を30分に変更しろと伝えとけ。」
「了解しました。マルチネスさん。」
「…アタシも思い出したよ。あん時と全く同じ台詞だったな。あ!それじゃまたなー!」

「おう。いいから前みて歩けよ、総裁さん。」

ライアはパートナーマシナリーの手を引きながら、パートナーマシナリーよりもご機嫌な様子で
列の向こうへと消えていった。

「あっ、そろそろワタシたちの番ですよ。行っちゃいましょう!」
俺も手を引かれて、440と共にホワイトデイ・サンクスフェスタのカウンターへと向かった。

41:名無しオンライン
08/03/10 15:01:38.21 ddyeX59z
※補足
  PMからごしじんへ、ホワイトデーのプレゼントが許可されたというお話です
  参加はごしじんへ感謝or好意の意思を持つPMのみ、PM自由意志でという許可連絡なのに
  現地はPMとガーディアンズでごった返してたというオチ?のつもりでした


ひさびさにスレを見かけたのでつい懐かしくなって投下した
今は多少
                :ハ_ハ:ハ_ハ:.
                :(;゚∀゚)゚∀゚;):  ヒィィィィ ─!!
                :(´`つ⊂´):..
                :と_ ))(_ つ:               している

42:名無しオンライン
08/03/10 15:24:19.19 6LRQ0K8U
GJ!

43:名無しオンライン
08/03/12 17:51:48.03 Zqfx2xKt
久々の書き手様の降臨に感動
そして作品に心を少し暖かくしてもらった(´ω`)GJでした

44:名無しオンライン
08/03/14 23:10:52.22 5CUoSXKf
ひとまず保守

45:名無しオンライン
08/03/15 11:33:30.70 1FHMKyNs
ども、ご無沙汰してます、パパと412作者です。

久々のSS投下となります。
別段、全然書いていない訳じゃなくて、色々煮詰まってたんですよね。
461・465ネタとか、バレンタインとか…
で、ふと思い出したんですよ、今回のネタを。書いてたら、あっという間にひと月経ってました。
このネタ自体も、実はひと月遅れなんですが…強引に頭と尻尾をつけて仕上げてみました。

それでは「ひととせめぐりて」、投下開始です。
ご拝読下さいませ。


46:ひととせめぐりて(1)
08/03/15 11:34:13.91 1FHMKyNs
 今日は三月十四日、つまりはホワイト・デーだ。
 バレンタイン・デーにジュエルズ達からプレゼントを貰っていた俺は、あらかじめ用意しておいたホワイト・デーのプレゼントを一人一人に手渡す。
『マスターっ、ホワイト・デーのプレゼント、ありがとう!』
「どういたしまして」
 中身の方は、バレンタインのお返しとしてはちょっとばかり手抜き気味だが、喜んでもらえたのでとりあえずほっとする。
「父様、結構奮発しましたね。みんなの分のグロール系と手作りクッキーを用意するなんて」
 床に座っている俺に、小声で耳打ちするロザリオ。
「まぁ、バレンタインの時にみんなが作ってくれた手作りショコラ・ケーキのお返しとしては、ちょっとあれだけどな…
 あ、そうだ、お前にもな」
 ロザリオにも同じ物を渡すと、はにかみながらも受け取ってくれた。
「ありがとう、父様」
「あれ?まだ何か入ってるけど…」
 本物と見まごうばかりの造花をあしらった髪飾りを取り出し、ディアーネが小首を傾げていた。
「あ、本当です。しかも、みんなデザインが違いますね」
 オリビンも同じように手にし、全員の物を確認していた。
「ああ、それは、カエデが作った奴だ。何でも、お前達の名前は誕生月にちなんだ名前だから、それに合わせた花にした、って言ってたぞ。
 バレンタインのショコラ・ケーキのお礼だから、一緒に渡してくれ、って頼まれてたんだ」
「へぇ、こういうの作るんだ、あのヒト」
 トパーズが感心しながら、じっくりと鑑賞している。
「えっと、んと、あれ?上手く着けられないよ~」
 早速髪飾りを着けてみようとしたウラルが、勝手が分からずに四苦八苦していた。
 すると、横合いからひょいとラピスの手が出てきた。
「ウラル、ちょっと貸してみろ」
 まるで撫でただけのような早さで、あっという間に着けてしまう。
「ありがと~」
「ボクにも着けてよ、ラピス~」
「しょうがねぇな…」「なら、あなたのはわたしが着けてあげるわね、ラピス」
 髪飾りをお互いに着けながらはしゃいでいるジュエルズを眺めつつ、俺は小さく呟く。
「あれからひと月経ったのか…もう、枯れちまってるだろうな」
 ジュエルズの頭に飾られた髪飾りを見て、ふと思い出したのだ。
 パルムの地に眠るPM達に手向けた花束を。

47:ひととせめぐりて(2)
08/03/15 11:34:43.19 1FHMKyNs
 ひと月前―二月十四日、バレンタイン・デー。
 この時期の恒例行事ではあるが、今年は二つばかり違っていた。
 一つは、俺の受け持ちであり、謹慎が解けたカエデの研修が無事に終了した事。
 もう一つは、コロニーパージに巻き込まれて死んだ、PM達の一周忌であるという事。
 カエデの研修終了記念を兼ねて開かれた、ジュエルズ達主催のバレンタインのお茶会の後、俺はロザリオに行く先を告げずに部屋を出る。
 薄々何かに感づいているのか、普段なら行き先を尋ねるというのに、今日は何も訊かずに「行ってらっしゃいませ」としか言わなかった。

 パルムの街角にある転送キューブまで行った俺は、通常の使用方法に、諜報部の人間しか知らない、しかるべき手順をいくつか追加して作動させた。
 この操作はいわば『裏技』で、私用で使ってはいけないという規則は無いのだが、使えば諜報部に行き先が筒抜けになる。
 だが、俺が向かおうとしている目的地に行くには一番早い手段だという事で、その点は諦める事にした。
 俺の目的地、それは封鎖区画の旧メルヴォア外縁部陸地帯だ。
 そこは、惑星パルム上でただ一箇所、自分の足を運んでPM達を弔える場所となっていた。
 転送が終了すると、俺は大小あわせて30個ほどの、クレーター群の側にいた。
 ここのクレーターは、『St.Valentine Dayの惨劇』と呼ばれる事もある、去年のGコロニーの余剰パーツパージによって出来たものだが、存在そのものが殆ど知られていない。
 落下誤差範囲内であった事もあるが、パージミスの方が社会的に大きく取り上げられたのと、経済的実損害が出なかった事、何よりもローゼノムに堕ちたGコロニーによる被害によって、忘れ去られてしまった場所なのだ。
 諜報部で聞いた話では、ここにクレーターが出来たのは、『不死身』による強引なパージプログラムの二重起動の影響だという。
 俺はその中でも一番大きなクレーターの中心部を目指す。
 三十分ほどかけて目的のクレーターにたどり着き、ちょっとした丘ほどの高さになっているその縁を上りきると、全体が見渡せた。
 すり鉢状の中心部には、大気摩擦で燃え残った、三階建ての建物位の大きさのコロニーの一部が、さながら墓標の如く大地に突き立っている。
 俺が知る限り、残骸がしっかり残っているのは、唯一このクレーターだけだった。
 足元に注意を払いながら慎重にクレーターの中へ降りていき、なんとか中心部にたどり着くと、花束や酒瓶、それににちょっとしたお菓子をナノトランサーから取り出して、適当に『墓標』の側に並べ、黙祷する。

 俺一人の祈りじゃ足りないのは分かっているけど、勘弁してくれ。

 心の内で、顔も名前も知らない、ここで眠りについているかつてのPM達にそう語りかける。
 それに答えるかのように、残骸から吹き下ろしてくる風が、手向けた花を何度も揺らし続けていた。

 一人きりの弔いを終え、俺はすぐにでも帰ろうと考えてたが、ふと思って、残骸の周りを回ってみる事にした。
 歩いていると、程なくして、白の中に揺れる小さな黄色が視界に引っかかった。
 近づいて見ると、真新しい包装に包まれたキクの花束が据えられ、その側にはややボロけたラッピー・ヌイミが一つ、PMのものと思しき名前が入力されたままのIDタグと共に、風雨に晒されない場所に置かれていた。
 更に歩みを進めると、所々に似たような光景が見受けられた。
 誰もがここを、捨てられたPM達を忘れていた訳ではなかった事に、俺は安堵と共に憐憫を覚えた。
 いくらその死を悼もうとも、もう彼女達は還ってこないのだ…

48:ひととせめぐりて(3)
08/03/15 11:35:12.34 1FHMKyNs
「よう、『使用人(サーバント)2』、久しぶり」
 不意に気配が現れ、同時に声をかけられる。
 振り向くと、手近の小さめな瓦礫の影から、音も無く430が現れた。
 かわいい顔には似合わない、凄みのある笑顔を浮かべている。
 咄嗟に武器を抜かなかったのは、気配に殺気が無かったからだが、その口調に聴き覚えがあった為でもある。
「―古いコードネームで俺を呼ぶな、『狂犬』」
 飼い主に噛み付くかもしれない『狂犬』に、PMに奉仕する『使用人』―誰が考えたのかは知らないが、どちらも皮肉なコードネームだ。
「ふん、それはお互いさまだろ。今の私は―」
「ストロベリースイートなご主人様の愛の下僕、だったか?」
 俺が茶化すと、430が噛み付かんばかりの勢いでにらみつける。
「テメェ!適当な事ぬかしてると、しりの穴増やしたうえに体中を風通し良くしてやんぞ!
 マイリトルストロベリー小ビーストご主人様の、永遠の恋の奴隷だっ!」
 ビームガンを抜く振りだけで済ませた430に少々驚きつつも、俺はその返事に小さく笑った。
「お前も丸くなったな430。以前のお前なら、問答無用でビームガンぶっ放してるぞ?
 ―まぁ、幸せそうで何よりだ」
 俺は、自分が430から感じた印象をそのまま口にし、微笑を浮かながらそっと430を見つめた。
 すると、持ち前のかわいさを十二分に引き出した笑みを浮かべる430。
 こんな風に笑ったこいつを世話役の頃に一度たりとも見た事はなかったが、その笑顔が「今は幸せだよ」と語っていた。
「おうよ!後は立場をひっくり返して、今度こそ愛しのご主人様を、って何言わせるんだよ、オマエは!」
「お前が勝手に喋ったんだろう…はいはい、俺が悪うございました。だから、それをしまえ」
 今度は恥ずかしさからか、顔を真っ赤にし、本当にビームガンを抜いて俺の下腹部に銃口を押し付けてきたので、俺は両手を挙げて自分から引いてやった。
「分かればいいんだよ、分かれば」
 ビームガンを引っ込め、頬を赤く染めたまま、ぷいとそっぽを向く430。
 これが、かつて『狂犬』と呼ばれたPMと同一人物だと、以前の彼女を知っている人間には判別できないだろう…それくらい彼女は変わった。
 変わるくらいの時間が経ったのだ。
 俺は440の姿を視界の端に移すと、巨大な『墓標』の頂点を見るかのように、空を見上げた。
「感情を持たせ、その揺らぎを利用して本来のスペック以上の能力を引き出させた、人型汎用機械ことパートナー・マシナリー。
 自分達の都合で道具に心を与え、心が生み出す力を兵器として使い潰していった結末の一つが、この場所の光景だ。
 ここは言わば、俺達ヒトが、ガーディアンズが生み出したPMの墓場だな」
「なんだよ、唐突に」
 奇妙なものでも見るかのように、俺に視線を向ける430。
「なぁ、430。
 心を持ったお前達PMと、同じく心を持ってる俺達ヒト、何が違うっていうんだろうな。
 確かに、お前達にはヒトに劣る部分があるかもしれないが、誰かと共に喜び、怒り、哀しみ、楽しむ事が出来るお前達は、絶対に『道具』や『兵器』じゃない。
 俺はそう思っているし、それを知っている奴もいる。
 だけど現実は―」

49:ひととせめぐりて(4)
08/03/15 11:35:45.36 1FHMKyNs
「―いつまで経っても、私達は『物』のままです。
 久しぶりですね『狂犬』、それに『使用人2』」
 高い位置から、不意に声が聞こえて来た。
「!『不死身』か?!」
 430が弾かれた様に、声の方向に視線を向ける。
 少しばかり立ち位置を変えると、声の主―GH-440はクレーター中心部の巨大な残骸の上、俺が立っている場所よりも500Rpほど高い場所にある、穴の縁に座っているのが見えた。
 俺がさっきまで立っている場所からだと、張り出した残骸などで死角になる為に、見上げていても気づかなかったのだ。
「『不死身』―いや、今はただの440、か。
 噂では聞いていたが、やはり生きていたか」
 俺の言葉に、440が小さく頷いたように見えた。
「今の私は、ワンオブサウザンドであることを明かした上で、それでも普通に接してくれるご主人様に仕えています」
 440は体勢を変えずに大きく脚を振り、その反動で座っている穴の場所から飛び降りる―俺めがけて。
 あわてて受け止めようと構えた俺の腕の中に、わざわざお姫様抱っこになるよう、器用に空中で一回転して落ちてきた。
 そんな事をしながらも、帽子が飛ばないようにしっかりと押さえているのが、実に440らしい。
「―おかげで、こうやって誰かに触ったり触られたりする事に、嫌悪する事もなくなりました」
 俺に受け止められた440が、囁く様に言った。

 440と接していた日々の記憶が鮮やかに蘇る。
 最初の主人を己が手で、しかもワンオブサウザンドの能力でひき肉にした440。
 ヒトに触れず、触れさせず、会話も極力避け続けた440。
 そんな中でも数少ない会話相手であり、いやいやながらも触れる事を許していたヒトの内の一人が俺だった。
 そんな440が一度だけ、本音を零したことがある。
「ヒトに触れると、あの時の感触を思い出すので、嫌です」
 それゆえか、数えるほどの例外を除いて、440は自分が触れたか、自分に触れてきたヒトを必ず殺してきた。
 それが例え、諜報部員であってもだ。
 まるで、そうしなければ自分が自分でいられなくなるかのように。

 俺の頬を細い指でつつき、仕草で自分を下ろすようにと440が俺を促したので、俺は回想を止めて静かに下ろす。
「私は幸運にも、普通のパシリと全く変わりない生活が送れるようになりました。
 でも―」
 残骸を見上げながら、不安そうな表情を浮かべる440。
「私は時折、本当に今のまま暮らしていていいのか、と思ってしまうんです。
 何千という姉妹たちを犠牲にした私が、ご主人様と幸せに暮らしていて―生きていていいのか、と」
「いいんじゃねえの?」
 軽い口調で430が言い、440の側まで来るとその肩に手を置く。

50:ひととせめぐりて(5)
08/03/15 11:36:14.20 1FHMKyNs
「あの時、コロニーから逃げずに死んだ連中は、自分が置かれていた状況全てから逃げた、だから死んだんだ。
 確かに、お前のせいで死んだには違いねぇんだろうけど、その原因はアイツら自身にあったんだ。
 ―憶えてるか?オマエが私にけしかけてきた100体のパシリ達」
 コクン、と頷く440を見届けて、430は話を続ける。
「私はあの時、アイツらにこう言ってやったんだ。
 『いなくなったご主人様を思い続けます? アホか? お前ら揃ってアホの子かァ?
  結局テメェらは現実を受け入れるのが怖かっただけだ。
  自壊して果てたヤツのが根性あらぁ。総務部の帰投命令に従ったヤツのがよっぽど利口だ。
  てめぇらはどうだ? パージされるブロックん中でいつまでもメソメソしてただけじゃねぇか』
 ってな。
 その後は、連中がぶち切れて大暴れして…全部吐き出して、あいつらはやっと納得したよ。
 失ったら二度と戻らない『なにか』を無くしたけど、悲しんでいるだけじゃ何も変わらない、自分の『夢』も叶わない、ってな。
 オマエだってそうだったんだぜ?440。それに、今のオマエは、自分の『夢』を叶えたじゃないか」
 430は440を『不死身』と呼ばなかった。
「オマエが生きてる事に文句を言う奴がいたら、問答無用でぶっとばしゃぁいいし、それが面倒なら逃げたってかまぃやしないんだ。
 パシリだって―ワンオブサウザンドとか呼ばれてる私らだって、自分が生きたいように生きていいんだよ」
「430…」
「死んだ連中に気兼ねしてるんだってぇのなら、オマエは尚更生きてなきゃ。
 生き続けて、何もしないで死んだ連中に『生きていたらこんなに幸せになれるんだ、バーカ!』って、見せつけてやればいいんだよ」
 そう言ってニヤリと笑みを浮かべた430。
 440は430に向き直ると、しっかりと抱きついた。
「ありがとう…430」
 今度は、430がしっかりと抱き返す。
「気にすんなよ、440……今度はオマエを助けてやれたな」
 驚いた表情を浮かべ、抱擁を解く440。
「―あの時の事、まだ気にしていたのですか?」
「まぁ…ちょっとは、な」
 440から視線を外し、恥ずかしげに後ろ頭をゴリゴリと掻く430。

 pipipipipi、pipipipipi

 突然、周囲に響く通信端末の呼び出し音。
「?!、そのコール音、諜報部か」
 430が驚きと嫌悪の入り混じった表情で、俺を見上げる。
 俺の通信端末は、不安感を煽るような、諜報部特有のリズムで鳴っていた。
「ちっ…仕方ない。
 二人とも、送受信機の類を全部遮断、音を立てるな」
 俺が鋭く言い、二人がそれを実行するのを待ってから、端末の音量を最大にして通信に出る。これなら、二人にも会話が伝わる。
「―こちらオメガ・リーダー」
『オメガ・リーダー、そちらの受信範囲に『不死身』の発信機を確認した。追跡―』

51:名無しオンライン
08/03/15 12:05:24.34 71kMFIc+
ごめんなさい、投下中だというのに、どっかの馬鹿の規制に巻き込まれました。
残り3つ分なのですが、ネカフェかどっかで上げて来ますので、しばらくお待ち下さい。

52:名無しオンライン
08/03/15 12:29:49.44 m96SfScr
お待たせしました、続きの投下です。
ケータイ使ったら、sageを間違って大文字にしてしまった…orz

と、とにかく、続きをご拝読下さいませ。

53:名無しオンライン
08/03/15 13:02:32.41 71kMFIc+
いざ投下しよとしたら、ここでも規制されてしまった…orz
申し訳無いけど、続きは保管庫に投下させていただきます。
今日中にはなんとかなると思いますが、皆様にはご迷惑をおかけします。m(_ _)m

54:名無しオンライン
08/03/15 13:12:39.75 /si5Ww1x
>>53
どれだけの量あるか知らないけど、別に今日無理にやらなくたっていいのに。
長いのなら別ければ保守にもなるし…って前も言われてなかったっけ?



55:名無しオンライン
08/03/15 13:42:00.59 1FHMKyNs
それ言われたの、俺だっけ?

なんにせよ、今日やらないといつ投下できるか判らないんですよ…トホホ

56:名無しオンライン
08/03/15 13:47:18.79 1FHMKyNs
って、何故書き込めるんだぁっ!
さっきまでのは投下規制でも、とばっちりでもなかったっていうのかよ…
ブラウザとか関係なく、全然書き込めなかったてぇのに!

…え、え~っと…

気を取り直して、続き、行きます…

57:名無しオンライン
08/03/15 14:21:46.81 /si5Ww1x
>>55
いや違ってたらスマン
前に連続投稿に対して、もうちょっと別けて投下したほうがいいんじゃね?という意見が出てたんで。


あと、書き込めなかったってのは投稿サイズが大きすぎたんじゃね?
前に専ブラ使って書き込んだとき、投稿はされたようなのに反映されてないので、
AAのサイズ減らしたら投稿出来たってことあったし


58:名無しオンライン
08/03/15 14:27:01.46 Q9RiCbdQ
というかそんなに長いのなら、txtにしてうpろだに置いて
リンクを貼ればよいかもしれない

59:名無しオンライン
08/03/15 14:30:30.37 1FHMKyNs
>>57
 ああ、確かにそれはあったかも。
 そういや、ここへ連日投下したことあったけど、みんなの我慢度限界日数が10日だと判明したしなぁ。

 取り合えず、30行以下に切り直して、続きの再投下を試みます。

60:名無しオンライン
08/03/15 14:48:36.39 1FHMKyNs
ダメだ、行数調整して容量を減らしても、書き込めねぇ…

うpろだにでもあげてみます。
そん時は、また書き込みますので。

大変お騒がせしました。

なんか、投下の度に騒がせてるような気がするなぁ、俺…(;´д`)=зハァ

61:名無しオンライン
08/03/15 15:21:15.72 Q9RiCbdQ
騒ぎ過ぎというか、いちいちああだこうだと経過を書き込みすぎ
作文の雰囲気保持の為にも、書き手に回った時はあまり自己主張をしない方がいい

62:名無しオンライン
08/03/15 15:58:13.25 1FHMKyNs
>>61
 ご忠告、ありがとうございます。肝に銘じておきます。

早速、うpろだにあげてみました。

URLリンク(www.mithra.to)

63:名無しオンライン
08/03/16 00:27:34.18 21TfgY/q
>>62
頂きました。
これで、元祖ワンオブサウザンド3体は
平穏な毎日を過ごせているわけですな~
GJです。

規制うんぬんの件は決着付いているみたいですけど、
「規制食らったので続きは○○にUPしました」
もしくは
「規制食らったので続きは暫くお待ちください」
くらいで良いと思いますよ~
今日しか時間ないなら前者、そうで無いなら後者もありかと。


64:名無しオンライン
08/03/16 04:54:29.74 1R17ndDY
Sara E-1 10006106
AKIYOの別キャラ。ガチャでTルビ10/10とブレラ2つおいてあると掲示板に書いてあり、
ガチャ総数は900と書いてあった、値段は11000だったが実は総数は予測するとMAX。
Tルビバレは0/5だった。
ガチャに投資した値段は一緒にやった人と合わせて2600万。Tルビバレが出た後掲示板に10/10を交換要請を出しているところになぜかAKIYOが来て
BLされて部屋から出された。そのときの発言は「おめでとうございます(茶)一等賞のタワシです(白)」
そしてその後Saraで来店し590万で損失を免れようと思ったブレラを買っていった。
そのときの言動はまずこちらに手を振りブレラを買った後「感謝」その後「ふw」といい消えていった
それでまた詐欺をするのかな・・・

自分は初めて詐欺に会ったしその相手がAKIYOだったという自分の失敗を悔やみきれなくて今晒してる。
騙された俺も馬鹿だと思うし馬鹿にされると思うけどこれ見た人は気を付けてくれたら幸いだと思う。
それとガチャについて、詐欺を防ぐため強化の表示もしたほうがいいと感じたので要望を出したいと思う。
詐欺を防ぐため要望出してくれる人いたら感謝します。
あとAKIYO人をおちょくるのもいい加減にしろ

65:名無しオンライン
08/03/16 05:17:02.03 tapQuWWR
【E・場所】E2
【ID】 10105904
【キャラ名】 モンチ
【罪状】強欲、ローカルルール違反、AKIYOのガチャ詐欺にひっかかり涙目でネ実の30ものスレにage進行のマルチ活動をする

以下添付
戻486/494:名無しオンライン[]
2008/03/16(日) 04:47:35.26 ID:1R17ndDY
Sara E-1 10006106
AKIYOの別キャラ。ガチャでTルビ10/10とブレラ2つおいてあると掲示板に書いてあり、
ガチャ総数は900と書いてあった、値段は11000だったが実は総数は予測するとMAX。
Tルビバレは0/5だった。
ガチャに投資した値段は一緒にやった人と合わせて2600万。Tルビバレが出た後掲示板に10/10を交換要請を出しているところになぜかAKIYOが来て
BLされて部屋から出された。そのときの発言は「おめでとうございます(茶)一等賞のタワシです(白)」
そしてその後Saraで来店し590万で損失を免れようと思ったブレラを買っていった。
そのときの言動はまずこちらに手を振りブレラを買った後「感謝」その後「ふw」といい消えていった
それでまた詐欺をするのかな・・・

自分は初めて詐欺に会ったしその相手がAKIYOだったという自分の失敗を悔やみきれなくて今晒してる。
騙された俺も馬鹿だと思うし馬鹿にされると思うけどこれ見た人は気を付けてくれたら幸いだと思う。
それとガチャについて、詐欺を防ぐため強化の表示もしたほうがいいと感じたので要望を出したいと思う。
詐欺を防ぐため要望出してくれる人いたら感謝します。
あとAKIYO人をおちょくるのもいい加減にしろ
--- 以下スレ情報 ---
【PSU】電撃ミッションカーニバル vol.23 (494)
スレリンク(ogame3板)




66:名無しオンライン
08/03/16 23:42:21.61 mBjV8Ec2
「詐欺か。440」
「はあ…そうらしいですね。御主人」
「そーゆー事も良くあるって事だ。440」
「そうなのですか?御主人」
「まあ、どちらも迷惑なのは変わらないけどな440」
「そうですね御主人。ただ…」
「ん?何だ440?」
「そんな方々でもPMがいるのですね」
「ああ…PMに主人は選べないからな」
「…良かったです御主人は…」
「ん?なにがだ440」
「…ツ!な、何でもありません御主人!!」


保守。あと書き込みをお題に一筆。
深い意味はありません。


67:名無しオンライン
08/03/17 02:19:16.26 Ji+1G3vD
>>66
全盛期で誤爆をネタにして書いたのを思い出したよ
しかし相変わらずどんな書き込みであろうと関係なくネタとして使えるのは流石パシリスレというところか

68:名無しオンライン
08/03/17 04:30:43.20 qwa/pkoN
誤爆ネタか~倫理的におkとか懐かしいな

69:名無しオンライン
08/03/17 14:35:21.57 BajKDTzu
               ぬくぬく
   t-    [´-ω-` ]丶
   ( レ゚-)/ ̄ ̄ ̄目 ̄/\
   /っ/._____/   .\
  ( / ̄        \     ノ
   /             \   ノ
 /              \ノ
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

箱「やっぱり冬はコタツだねえ」
450「そうですね。でももう冬終わりますよ」


ということで流れを無視してコタツ完成記念カキコw

コタツの回りをうろつきながらベストな配置を試行錯誤しながら、
パシリの配置場所を自由に選べたらなあ…
パシリ専用のロビアクとかあったらなあ…(座るだけでもいいから)
と、妄想していた俺はまだPSUをやる気力が尽きてないのかもしれないw

70:名無しオンライン
08/03/17 19:16:35.35 m62nHdZn
450箱さん達やワンオブサウザンド達は懐かしいなぁ
全盛期を思い出します(´ω`)
そしていつも仕事の合間に楽しみに携帯で読んでるもれは
うpロダひらけないんだな
続きが気になる…明日帰ったら即開こう(´・ω・`)それまでまた1スレからヨミカエスカ
これからも書き手様方の投下を楽しみにしています

71:EpX 1章「半端者の主従1/3」
08/03/17 21:05:53.84 +vEtel8V
-これは、歴史の陰に埋もれたもう一人の貴方(Another You)と、
最期まで彼女に忠節を尽くした1人のPMの、語り継がれることなき物語である-


「カツノザシ闇12、雷×、氷18、そしてデイバザシ土が×…これが痛いわね」

メモ帳に書き記した合成結果を指でなぞり、マスターは小さくため息をつく。
「申し訳ありません…」
期待に応えられなかった私は、マスターと目を合わせることもできなかった。
そんな私にマスターは思案気な顔をふっと緩め、優しく私の頭に手を置いた。

「いいのよ。こんな日もあるでしょう。この間の成功を思えば、これくらいはね」
悪戯っぽく片目をつぶり取り出したそれは、私の最高傑作…というより、偶然の産物。

ダガーオブセラフィ50%。
これを取り出したマスターは、日頃の落ち着いた言動とかけ離れたはしゃぎようで、
柄の部分に名前かなにか、文字まで彫って愛用している。
何を刻んだかは、何故か私には見せてくれない。照れくさいのだそうだ。

「でも…私が特化型でさえあれば…」
「また同じことを言うのね。私がそれに対してどう答えるか、もう知っているでしょう」
「でも!本当に本当に、よろしいのですか?デバイスZEROさえ使えば…」
「412」
マスターが私の口に指をあて、私がそれ以上何か言うことを暗に禁じた。

「…貴方と同じように育てられ、そして特化型に矯正された者が大勢いることは知っているわ。
それまでの、全ての記憶を消されてね。
貴方は、それでいいの?私はいやよ。
今まで私に見せてくれた笑顔や泣き顔、怒った顔…それが全て、なかったことになるなんて」

72:EpX 1章「半端者の主従2/3」
08/03/17 21:07:13.47 +vEtel8V
私は、メイト系で育てられ、打撃と法撃の2種類を持ち合わせた、いわゆる「半端者」だった。
多くのPMが初心者ガーディアンにそう育てられ、そしてデバイスZEROで初期化されていた。
でも、私は今もって記憶を消されず、こうしてマスターに仕えることを許されている。
マスターの心遣いは嬉しかったが、それだけにこんな時は余計にこたえてしまう。

「…人は、貴方を『半端者』と蔑むかも知れない。
でも、私はとても助かっているのよ?
打撃を主としながら、法撃系の武具も作れる…私にぴったりのパートナーだと思っているの」

マスターの職は、WT。
打撃と法撃、相反する二つの技を使いこなす…と言えば聞こえはいいが。
実際はどちらも特化に著しく劣り、器用貧乏の名が否めない不人気職となっている。
いかに早く敵を殲滅し、少ない時間でより多くの任務をこなすかを重視しているガーディアンは、
もっぱらfFやfG、fTといった、一つの能力に特化した職を一般的に好んでいる。

「貴方が半端者なら、私も半端者。でも、それがなんだというの?
私は、打撃も法撃も特化職ほどには上手く使えない。
敵を見ずに、一つの技でごり押しすることなどできない。だから、考えるの。
その時その時に応じた、最良の手をね。
そうやって、7割の力を8割、9割にも引き上げた時の喜びは、この職なればこそだわ」

「貴方も同じ。半端者なら半端者なりに、積んできた経験というものがあるはず。
色々、無茶なお願いもしてきたわ。失敗もあれば、成功もあった。
長い間そうやってきた貴方には、数値では表せないものが蓄積されている。
それをリセットする権利など、私にだってありはしない」

マスターの中には、一度合成に失敗しただけで壊れるほど頭を殴りつけたり、
サンドバッグのように蹴りつける輩がいると聞く。
そうでなくとも、戦場では私達のことは倒れるままにし、
起き上がってはまた倒れるという、辛い戦闘を強いられているものが大体だった。

73:EpX 1章「半端者の主従3/3」
08/03/17 21:08:00.54 +vEtel8V
そこへ行くと、私は恵まれていると思う。
合成の時だけでなく、戦闘中でも、私が傷つくと積極的に回復をしてくれている。
私がマスターを守るのが本来の関係なのに、自分が守られていることが多々あるのだ。

そんなマスターが、ガーディアンの存在について、こう語ったことがある。

「私はね、412。
ガーディアンの本分は、『護ること』だと思うの。
如何に辛い状況でも決して倒れず、護るべき人々の盾であり続ける。
攻撃なんて、敵を退ける最低限の手段が確保されていればそれでいい。
大事なのは、生き残ること、そして、護ること…」

「私は、ビーストのような強大な身体能力も、ニューマンのようなすぐれた法撃能力もない。
また、キャストのような高水準の能力もなければ、いざという時の秘密兵器もない。
持っているのは、親からもらったこの、風邪ひとつひかない丈夫な体だけ。
でも、私はそれに感謝しているわ。
敵を深追いしかねない余分な攻撃力でなく、より多くの攻撃から人を守れる体をくれた、両親に。
そして、そんな私がWTという、生き残ること、護ることに最も長けた職につけたことを、誇りに思っている」

マスターは、いわゆる流行にのったガーディアンに比べると、損な性格だと思う。
時に応じて職を変え、より効率的にミッションをこなすことをせず、ひたすらにWTの道を極めようとしている。
人は、どうしてそこまで一つの職に固執するのか、理解できないと言う。
でも、私は知っている。
マスターほど、人を護ることに生き甲斐を、喜びを感じているガーディアンは他にいないことを。
半端者と陰でささやかれている職を、これほどに誇りをもってこなしている姿は、
同じ半端者の私をいつも、勇気付けてくれている。

半端者の主人に、半端者のPM。
人にいくら蔑まれようが、私は幸せだった。
運命の、あの日がくるまでは……。

74:名無しオンライン
08/03/17 21:09:49.67 +vEtel8V
初めて投稿します。
勝手が分からないので、ローカルルール等に抵触することがあったら指摘お願いします。


75:名無しオンライン
08/03/18 01:04:47.14 byLJ8ZwA
>>74
半端物の主人とパシリか、うちのパシリも半端だが作り直しはせずにずっと通してるし続きが楽しみだな

投下については特に問題ないと思うから頑張って続き書いて欲しいんだぜ

76:名無しオンライン
08/03/18 01:55:02.44 9lxWrwUG
継続は力なり。頑張れであります。

77:EpX 2章「任務と役目1/4」
08/03/18 22:00:18.93 u4cF+/MP
「しかし、あんたの主人も変わってるね」
朱に染まったパルムの草原を進む私に、傍らの440が話しかけた。

突如グラール全域に発生した、大規模なSEED侵食。
「炎の絶対防衛戦」と作戦名がつけられたことからも分かるように、
見渡す限りの地平が、そしてそこに住む生物のことごとくが、禍々しい炎に侵食されていった。

ここ、パルムの草原も例外ではなく、私とマスターはこの地域を浄化する隊に編入されていた。
急ごしらえの編成でチームワークもままならないが、それなりに順調に浄化は進み、
一息ついていた時のことだった。

「WTなんてマイナー職やってることもだけど。あんたがそのままでいるってのが、特にね」
「いけませんか?」
「いけなくはないけど。はがゆいって思わないか?もう少しってところで合成失敗しちまった時とか」
「そ、それは…!でも、マスターはそれでも…!」

いきりたつ拍子に、かけていた眼鏡がずり落ちる。
自分でなおすより先に、440が私の眼鏡のふちに手をかけ、元の位置に戻してくれた。
意表をつかれる私に、440は目を細めて笑いかける。

「冗談だよ。いい主人を持って幸せじゃないか。
私なんて、前の私が何人いたか、それすら覚えちゃいない。
主人の都合で、ころころ変えられてるみたいだからね…」

目線を落として自嘲気味に呟く440に、私はなんと声をかけようか、少しの間考えあぐねた。
しかし、私が何か言葉を発する前に、440が逆に私に問いかけてきた。

「…おや?向こうで言い争ってるの、私の主人とあんたの主人じゃないか?」

78:EpX 2章「任務と役目2/4」
08/03/18 22:03:06.48 u4cF+/MP
「何度も言っているだろう。我々に、余分な荷を背負い歩く時間的余裕などないと」
マスターと言い争っていたのは、機械的な顔の男性型キャストだった。
「我々の任務は、可及的速やかにこの一帯を浄化することだ。優先順位というものがある」
対するマスターは、小さくうずくまって震える少年と、男性キャストの間に立っていた。

どうやら、侵食地域から逃げ遅れた子供がいた様子だった。
マスターは子供を助けたがっているようだが、それが他の仲間には面白くないらしい。
確かに今回の任務は、浄化にかかる時間が評価に直接影響する。
浄化が遅れれば当然被害も大きくなるし、報酬も明らかに目減りする。

「冷静に、メリットとリスクのバランスを考えてもらいたい」
男性キャストが、無機質な機械顔でも分かるほど苛立ちが伝わる口調で続ける。
「そのヒューマンの子供を連れ歩くことで、任務に支障が出るのは明らかだ。
子供一人の命と、予測できる被害の拡大具合…秤にかけるまでもない。
ヒューマンのお嬢さんは、それぐらいの効率を計算する頭脳も持ち合わせていないのかな?」

典型的な、キャスト的合理主義を体現する意見だった。
言下にヒューマンへの著しい侮蔑も見え隠れしている。
私も進化の進んだPMとして、キャストに近い能力を与えられてはいるが、
私を育てたのはマスターだ。私が彼の意見に納得できるかどうかは、答えるまでもない。

「…私には、計算で人の命を秤にかけることはできません。
目の前にいる、助けるべき人を助ける。それが、ガーディアンズの役目です。
任務以前の問題です」
毅然として言い放つマスターの考えは、全く私と同意見だった。

男性キャストは、話にならないと言わんばかりに肩をすくめる。
さらに何か言おうとしたマスターを遮ったのは、脇から様子を見ていたニューマンの女性だった。

79:EpX 2章「任務と役目3/4」
08/03/18 22:05:25.80 u4cF+/MP
「もういいじゃん。こいつ、おいてけばさ」
私とさほど変わらない背丈の女性ニューマンは、明らかにマスターを見下した調子で毒づいた。

「邪魔だったのよね、さっきから。
テクもスキルもできるとかアピールしたいんだろうけど。
ちんまいダガー振り回しながら、あたしの前でお遊びみたいなテク撃っててさ。
自分が足手まといって自覚、ある?ないよね?
ないからさ、『ワロテクター』とか蔑まれてる職、平気でやってたりするんだよね?」

マスターが顔色を変える。
WTという職に誇りを持っていたマスターにとって、今の言葉はあんまりだった。
さらに、大柄のビースト男性がぐいっと顔を乗り出し、鼻息荒くまくしたてた。

「そうそう、俺もさっきから気になってたんだよな。
しぶとさだけはいっちょまえみたいだが、倒れなくても倒せなきゃあ、なんにもなんないっての。
ガーディアンズってのは、いかに圧倒的な攻撃力で敵を素早く片付けるか、だろ?
貧弱な攻撃をちまちま繰り返されるとさ、イラっとくるんだよ」

「………」
言葉を失い、唇をわなわなと震わせるマスター。
常日頃からマスターの理想を教えられていた私も、思考回路が熱暴走を起こしかけていた。

「意見が一致したようだ。では、残りの浄化は我々3人で行うとして。
効率という言葉を知らないヒューマンのお嬢さんは、ここでご退場願おうか」
「そうだな、行こうぜ行こうぜ。…ったく、とんだ地雷と組んじまったぜ」
「あとで晒しとこっか。他のみんなが迷惑しないようにさ」

80:EpX 2章「任務と役目4/4」
08/03/18 22:07:51.29 u4cF+/MP
「…悪いね。私は主人のやることに逆らえないからさ、原則。…無事に、帰るんだよ」
去り際に声をかけていった440の言葉が、こうしてホルテスシティに戻った今も頭に残る。

あれから私とマスター、それと少年の3人は、仲間のガーディアンズに置いていかれ、
虚しく来た道を引き返していった。

道中、討ちもらした侵食生物が襲いかかってきたが、幸い少年に怪我はなかった。
マスターが、普段私にやっているのと同じように、目の前で盾となって守っていたのだ。
その分、私の損傷が増えていたが、私はそれについて何一つ文句はない。
むしろ、少年の前で一歩も退かず侵食生物の攻撃を受け止めていたマスターの姿が、
限りなく誇らしかった。

「僕…助かったの?」
フライヤーベースに乗ったときも不安そうに辺りを見回していた少年も、
住み慣れたホルテス・シティの地に足をついて安心したのか、ようやく口を開いた。
マスターは、そんな少年の前にかがみこんで、優しく微笑みかけた。
「そうよ。もう大丈夫。…さあ、早くお母さんのところに帰りなさい」
「うん!ありがとう、お姉ちゃん!」

子供を見送るマスターの目は、なんとも言えない複雑な色をにじませていた。
「…ねえ、412。私…間違っていない…わよね?」
「!そ、それはもう!どう見ても、マスターの方が正しいです!」
「これで…よかったのよね。任務は果たせなくても…あの子が助かったのなら…」

ガーディアンズの役目は、人々を守ること。
マスターは、それを果たしたのだ。たとえ、任務失敗とみなされようと。
私は、恐怖に震えていたあの少年に笑顔を戻してあげたマスターの行動こそ、
ガーディアンズとしてあるべき正しい姿だと、信じて疑わなかった。

しかし、世間はそう見てくれなかったことを、やがて思い知らされることになる…。

81:名無しオンライン
08/03/18 22:14:57.52 u4cF+/MP
※話の都合で、一部システム上ありえない編成になっていることをご了承下さい。
 また、本章の登場人物に、モデルとなった人物は一切ないことをここに明記いたします。

最後までいけるか心配ですが、よければ気長に付き合っていただければ幸いです

82:名無しオンライン
08/03/19 03:06:09.23 IdXuF/Ic
こりゃ終わるまで他の人は投下できんね

83:名無しオンライン
08/03/19 06:47:39.48 M0z3EKNP
炎の絶望イベントかえらく懐かしいな
しかし作中で当時の職差別も今じゃだいぶ違ってるとは言えちょっとネタが生々しすぎる感がしなくもないな
出来たら一言くらいその辺について注意書きでもしておくといいんじゃないかと思う


しかしこの流れだと過去のイベントとかをダイジェストで見れそうだし続きは楽しみだ

84:名無しオンライン
08/03/19 14:57:16.55 iRI86Hbp
>>82
投下できんというか… 今それほど人材がいるのか?w
居たら気にせず投下して欲しいけどな

85:名無しオンライン
08/03/19 16:14:14.28 KLVNoYiE
何だか今書いてるのは有名な書き手さんっぽいし、テキストでこっそり投下する事にする

86:名無しオンライン
08/03/19 17:59:05.22 isM8MXIZ
ホワイトデーで何か書こうとか思ってたんだけど、
スーパードリル5個必要とかでテンション下がってやめた。

87:EpX 3章「プラントの罠1/4」
08/03/19 20:42:40.59 SMSAXlOg
「どうですか、マスター。お仕事…見つかりましたか?」
ルームに戻ってきたマスターを見て、私は容易に結果を予測できた。
案の定、マスターは力なく首を振る。

あれからマスターは、一度も任務についていない。いや、つけないでいた。
パルム浄化でマスターの行ったことが、ゆがんだ形で広まっていたのだ。

「SEEDの恐怖に耐えられず、途中で任務を放棄して逃げ帰った」
「足手まといになっていることを指摘され、激情の赴くままパーティを脱退した」

人々は、口々にそう言ってマスターを蔑み、後ろ指をさした。
マスターがいくら仕事を探そうと、与えられる任務は何一つなかった。
日に日に減っていく貯蓄は、日常生活にも差し支えるほどになっていたがそれよりも。
マスターには、自分の行動がヒューマンの立場に影響を与えている方が、こたえているらしかった。

この間のパルムで行われた裁判でも、マスターの行動が引き合いに出され、
被告のヒューマン男性が明らかに不当な判決を受けたという事例があった。
キャストに比べ合理的な判断能力に欠け、発言の信憑性が低いと判断されてのことだった。

元々ヒューマンの、グラール星系における各惑星での立場は微妙なもので、
特にパルムでは差別とまでは行かないものの、ヒューマンは何かとキャストに軽んじられている。
ガーディアンズの間でも、どちらかというと適正職につく他種族に重きがおかれ、
どの職もそつなくこなすものの最適とはいかないヒューマンは、
適正職につく他種族の風下に立つことがしばしばだった。

「…もしもあの子がキャストなら、私の行動も違った評価を受けたのかしらね」
ぽつりと呟いたマスターの真意は、その時の私にはよく分からなかった。

88:EpX 3章「プラントの罠2/4」
08/03/19 20:43:54.28 SMSAXlOg
そんな折、久しぶりに任務の通達があった。
「プラントにてSEEDの浄化任務についている前線部隊に、武器および食料の輸送をせよ」

「なんだか、ていのいい使い走りにさせられてる気がするんですけど」
そこかしこにパノンだのデルセバンだのの死骸が散らばっているプラントを進むうち、
知らず知らず愚痴がこぼれてしまう。
「文句言わないの、久しぶりの任務なんだから」
そう言って私をたしなめる、マスターの表情は明るい。

プラント内は既にあらかたの浄化が済んだ後のようで、私達が敵と戦うことはほとんどなかった。
もっとも、散らばっている敵の様子を見ると、戦いになっても全く問題はないと予測できた。

仮にもマスターは、長きにわたってガーディアンズとして経験を積んできた、生粋のWT。
こいつら程度の攻撃など、蚊にさされる程度の脅威にもならないだろう。
それだけに、ここの浄化任務につく程度の実力の、新米ガーディアンへの輸送任務。
役不足とは、このことだった。

「前線で戦う仲間を支援する。これも立派な役目よ」
「それは、分かっていますけど…」
それ以上は、とやかく言わないことにした。
久しぶりの任務で晴れ晴れとしたマスターの顔を、わざわざ曇らせたくはなかった。

プラントの規模からして、次に入る部屋が最奥と思われた。
ここまで来れたのなら輸送の必要もないかに見えたが、帰り道もある。
せっかく持ってきたのだから、とにかく物資を届けようと扉を開けた時。

目を覆わんばかりの光景が、そこにあった。

89:EpX 3章「プラントの罠3/4」
08/03/19 20:46:28.93 SMSAXlOg
血だまりの中で冷たく横たわる、ガーディアンの死体。
どれも無残なまでに引き裂かれ、生きていた頃の面影はほとんど見られなかった。
私と同じPMの残骸もそこかしこに散らばっているのを見て、思わず身をすくませる。

瞬時に事態を悟ったマスターは、白いフォトン光を放つダガーを取り出す。
「気をつけて、412…まだ、この部屋にいる」
マスターに言われるまでもなく、私も感じていた。
薄暗く見通しづらい部屋の奥から放たれる、尋常でない殺気を。

マスターが、武器を構えながら一歩、部屋に踏み出す。
そのまま2歩、3歩と歩みを進めた、直後のことだった。
暗闇から、何か巨大な物体がマスター目がけて飛び出してきたのは。

咄嗟にマスターが左前方にステップしつつ、飛び出してきたそれとすれ違いざまに斬りつける。
しかし、異様な金属音に似た、それよりもっと低く鈍い音を響かせ、
斬りつけたダガーはマスターごと弾きかえされていた。

転がりながらも体勢を立て直し、マスターはその物体と相対する。
この時点で私にも、その飛び出してきた巨体の姿が確認できた。

人型ではあるが、その大きさはディルナズンにも勝り、体中を鎧のように紫の甲皮が覆っている。
鋭く、大きな爪にはここにいたガーディアンのものか、赤黒い血がこびりついている。
何よりも、全身から放たれる凶悪な殺意は、これまでに見たことのない強大なものだった。

耳障りなわななきを部屋中に響かせ、その未知の生物…おそらくSEEDであろうそれは、
さらなる攻撃態勢に入ろうとした。
が、突如響き渡る声が、そのSEEDの動きを押しとどめた。

「ほぉう。『彼』に投与したより大分古い、試作品の出来損ないとはいえ。
よくぞ今の一撃を防いだものだ」

90:EpX 3章「プラントの罠4/4」
08/03/19 20:49:17.16 SMSAXlOg
部屋の奥からさらに一人、人影が姿を現した。

独特の抑揚を持つ、特徴的な低い声。
白いコートに身を包んだ、壮年か初老かといった容貌の中央に、大きく横に走る傷を刻んだ男。
長い白髪を後ろにたなびかせ、皮肉に満ちた笑いを浮かべて男は口を開いた。

「私の流した偽の情報に踊らされ、この試作SEED…プロト・ヴェナスの調整を手伝ってくれた彼等に、
心から哀悼の意をささげよう。
そして、今また乗り込んできた、愚昧にして勇猛なガーディアンズの来訪を、歓迎しよう」

私は本能的に、この男から危険なものを感じていた。
マスターも、依然明確な殺意を放ち続ける目の前のSEEDを気にしながらも、
その男から目が離せない様子だった。

人とSEEDが共にいる。
その理由も気になるが、まず感じていたことは。

私もマスターも、ここから逃げることはできないだろうということだった。

「自己紹介しておこう。私の名は、カール・フリードリヒ・ハウザー。
ヒューマン原理主義を標榜する、秘密組織『イルミナス』の幹部だ」

91:名無しオンライン
08/03/19 20:51:15.79 SMSAXlOg
※作品中、一部種族に対する差別的表現があることをご容赦ください。

>83
それなりに意味を持たせる予定とはいえ、少々ネタに走りすぎた感があり反省してます。
また、イベントの再現は前回限りの予定なのです…ご期待にそえずすみません。

>85
自分は全くの新米なので、こっそりと言わずぜひ堂々と投下してください。
…もしかして、過去の有名などなたかと、ネタ被りなどあったのでしょうか?

>82
84さんの言うとおり、気にせず投下をしてほしいと思っています。
それとも、自分は気にせずとも他の書き手さんが嫌がるのでしょうか?
そのあたりもよく分からないので…。

それと、>1のテンプレを見ての質問です。
すごく長い場合は分割するかうpろだにあげるように、とのことですが、
分割というのは現状やっているように日を分けて投下する、という認識でいいのでしょうか?

それと、分割よりうpろだにあげた方がいいケースがありましたら教えてください。
場合によっては、きりのいい所までやってからうpろだにあげる方針に切り替えます。

92:名無しオンライン
08/03/20 03:24:58.77 3gx7QFn5
遅レスですいません、パパと412作者です。

>>63他、DLして下さった方々
 ご拝読いただきありがとうございます。
 作品を書いている途中で、『不死身』だけが幸せになってないじゃまいか!と思い出し、内容もアレだし、俺が書いちゃえ!と、勢いで書き直し。
 ああいう結末にしてみました。

 今後も、すっとこどっこいな作者を生暖かく見守っていただけるとありがたいです。

(補足というか蛇足というか…独り言?
 後から冷静に考えると、久々の投下な上で予想外の事態に、だいぶパニクってた様です。
 色々アドバイスもいただけたので、次からはもうちょっと冷静に対処するつもりです。
 それとあの日は、どうやらスレ側に問題があって大量投下出来なくなった様で、その影響なのか、専ブラのログデータが壊れました。
 詳しい理由とか原因が知りたいところですが、素人の俺にはお手上げです)


>>91
 楽しく拝読させていただきました。続きを楽しみにしています。

 テンプレへの質問についてですが、経験上、分割の認識はそれで大丈夫です。
 うpろだへ上げた方がいい場合というのは、大量に書き上げた(メモ帳で合計100kb超えちゃったとか)けど、諸々の事情から分割で上げられないとか、
 まとめて読んでもらいたい場合じゃないですかね?
 あとは、俺の場合みたいに、量が多い時だけ何故か書き込めないとか…
 まぁ、個人的見解ですが、このまま投下を続けても問題無いと思いますけどね。

93:名無しオンライン
08/03/20 06:23:28.27 YKx/2Iub
作者アピール凄いな
メル欄にまで書いてるわ…

94:名無しオンライン
08/03/20 11:42:22.04 3eV6L/ZZ
いや、コテとかは付けず、過剰な自己紹介もせず、
ただ話を混ぜずに読みやすいようにメル欄に符号を仕込む、というのがスレ最初期からの伝統だったんだよ。

95:名無しオンライン
08/03/20 13:56:19.43 wRllTuaa
>>93
よお新参
ゆっくりしてけ

96:EpX 4章「Illuminus(前編)1/3」
08/03/21 01:20:27.59 IFocm//5
「ヒューマン…原理主義…?」
マスターが聞きなれない言葉を反芻するかのように繰り返す。
「そうだ。我らヒューマンは今、他種族によって不当に貶められている。
パルム、ニューデイズ、モトゥブ…どれも我らヒューマンの意思の介在する余地はなく、
他種族に実権を握られている。
そうやって精神的に下風に立たされている同胞を解放するため、我々は日夜戦っているのだ」

マスターは表情を崩すことなく、ハウザーと名乗ったその男を睨み付けている。
当然だった。
聞こえのいい言葉を選んでいるつもりでも、その狙うところは明らかだった。
かつて、人間が他種族を隷属させてきた、暗黒の時代を復活させようとしているのだ。

「昔と今では、状況が違うわ。ヒューマンは別に、他種族に隷属させられているわけではない」
「そうだろうな。彼らはもっと、巧みだ」
男は中央の傷を歪め、皮肉に笑った。

「同盟軍はじめ、合理的判断によって全ての重要な機関が運用されるパルム。
より強く星霊を感知できる強い精神力を求められる、グラール教団が中心となっているニューデイズ。
そして、純粋な力のみが物をいう、ローグスが幅をきかすモトゥブ。
彼らは巧みに、自らの能力が最も活かされる機構を作り出し、
自然にヒューマンが潜在的な劣等感を持つ下地を積んできたのだ…」

「…曲解もいいところね」
マスターが一蹴する。
私はグラールの歴史についてそれ程古くからのデータは持っていないが、
それぞれの惑星でそれぞれの機構が作られたのは、ただ彼等が生き残るための必然に過ぎないと、
それぐらいの結論は容易に導き出せた。

「曲解かも知れんな。だが、結果は似たようなものではないかな?」
そこで、マスターの表情がこわばった。
「…マスター?」

97:EpX 4章「Illuminus(前編)2/3」
08/03/21 01:21:47.95 IFocm//5
マスターの表情の変化に不安を感じた私のメモリに、ふとかつての事件が再現された。
パルムで不当な判決を受けた、ヒューマン男性のこと。
それを引き金にして、ガーディアンズで微妙な立場に立っているヒューマンの記録、
マスターがヒューマンの子供を助けたことでかんばしい評価をされなかった記録などが、
連鎖反応でデータベースより引き出された。

反論の言葉を探しているのか、マスターの唇がこまめに開閉を繰り返す。
だが、男はそれを待ってはくれなかった。
「さあて、楽しいおしゃべりの時間はここまでだ。
諸君等にも、この試作品の調整を手伝ってもらうとしよう」

「危ない、マスター!」
間一髪だった。
虚をつかれたマスターを私が突き飛ばしたのと、その場所にSEEDの鋭い爪が振り下ろされたのは、
ほとんど一瞬の差だった。

続けて繰り出される爪の一撃を、私は取り出した長剣で受け止める。
上方向からの重い一撃にどうにか耐えたかと思うと、間髪入れず横方向からの衝撃が襲ってきた。
それが、SEEDの強靭な脚部による蹴りだったと分かったのは、壁まで吹き飛ばされた後のことだった。
はずみで眼鏡がずり落ち、いつもの癖で直そうとする隙をSEEDは逃しはしなかった。

迫り来る巨体。逃げようとしても、亀裂のはいった壁に押し付けられた体はすぐには動かせない。
だが、今度はマスターが後ろからSEEDに斬りかかり、注意をひいてくれた。
「お前の相手はこっちよ」
ふりむきざま横なぎにくる爪の一撃を、逆にダガーで切り払う勢いで迎え撃つ。
そのまま2度、3度と切り結ぶうちに、変化が起こった。

マスターの持つダガーのフォトン光が、SEEDの爪によってかき消されてしまったのだ。

98:EpX 4章「Illuminus(前編)3/3」
08/03/21 01:25:06.98 IFocm//5
ひるむマスターに、すかさずSEEDが膝蹴りを叩き込んだ。
まともに受けたマスターは大きく宙に浮かされる。
着地を待たず振り下ろされたSEEDの爪がマスターをとらえる。
ほとばしる鮮血。思わず叫び声をあげる。

容赦のない連続攻撃は、続いての蹴りの一撃でマスターを向かいの壁際まで吹き飛ばすに至った。
力無く壁を背に崩れ落ちるマスター。

「多少は持ちこたえたようだが…これまでか。もういい、止めを刺せ、プロト・ヴェナスよ」
勝ち誇った男が、冷たく口元を歪ませてSEEDに命令を下す。
私は必死にマスターの名を叫び、何とか壁から抜け出ようとするが、それもままならない。

SEEDとの打ち合いに耐えきれなかった、マスターの武器。
私がもっと強い武器を作れていたら。私が特化型だったら。
何度目かに襲う、特化型でないことのやるせない思いは、これまでにない強いものだった。

嫌だ。こんな形でマスターと別れるのは、絶対に嫌だ。
ほとばしる思いのままに、私は叫び続けた。
今まさに止めを刺さんと飛びかかるSEEDが、万一にも私に狙いを変えてくれることを祈りながら。

そんな私の目に次の瞬間飛び込んできたのは、予想外の光景だった。
唐突に、紅蓮の炎に包まれるSEED。
吐き気を催す悲鳴を轟かせながら、必死に転げまわって自らを焼く火を消そうとする。
男も何が起こったのか分からない様子で、不審げに身を乗り出して事の次第を見定めんとしていた。

ゆっくりと立ち上がるマスターの手に、いつの間にか一振りの杖が握られていた。
私には見覚えがある。
3回のチャンスのうち、どうにか一回だけ成功させた高ランクの片手杖、「リドルラ」だった。

「…どうやら、打撃には強くても、法撃にはそれほどでもないようね。…特に、炎には」

99:名無しオンライン
08/03/21 01:30:56.22 IFocm//5
今晩は。少々遅くなりましたが、4章の投下です。
思ったより長くなったので、前編、中編、後編に分けて投下いたします。

>92
励ましの言葉並びにご回答、ありがとうございます。
緊張の連続ですが、新参者なりに一所懸命やってます。
投下の方法については、助言に従ってしばらくこの形式でやってみます。

>94
貴重な情報ありがとうございます。
現在テンプレには書かれていないようですが、自分もやった方がいいでしょうか?

100:名無しオンライン
08/03/21 06:24:30.31 tk+fC9KV
別に強制するようなもんでもないし現状そんなに書き手が多い訳でもないから好きにしていいと思うぜ

書き手が多くてショートストーリーが多かった頃に区別しやすくしたりコメントにレス返したりする時に使った程度で使ってなかった人も多い


まあ自分が必要だと思ったら使う、程度でいいと思う

101:名無しオンライン
08/03/21 11:30:45.66 iQNunTk5
>>99
遅いレスですまんが、分割したほうがいいというのはおそらく
・連続で多量の文章を投下?ここはお前一人の自由帳じゃねえんだよ。な?
・他の書き手が「こんなに長いのばっかりかよ。俺ショートショートなんだが…」と思って投下を躊躇う
・スレの保守(これは最近のかもw)
という理由からだと個人的には思う。サイズとかは二の次だと思うんだ

あとコテだけど、>>100が言ってるように、好きにしていいと思う
因みに俺は以前は投下の際メル欄に名前入れてたけど、最近は投下量が少ないので入れてないよ

つまり何が言いたいかというと、気楽に妄想を投下しようぜ!ってことだw

102:名無しオンライン
08/03/21 12:17:22.94 mq3CYUij
他の小説スレだとコテとか名前を入れてるところはあった
人によって好き嫌いがあるので、見たくない方はNG入れてくださいって感じで

103:EpX 4章「Illuminus(中編)1/3」
08/03/21 20:50:47.85 IFocm//5
「ぬうっ貴様…それほどの耐久力を持ちながら、法撃をも使いこなす…さては、WTか」
男が喉の奥から絞り出すようなうめき声をあげるのを横目に、マスターはさらに杖を振る。
白い、清らかな光がマスターを覆い、ぱっくりと開いていた傷をみるみるうちにふさいでゆく。
何度となく私を助けてくれた、回復用のテクニック、「レスタ」だ。
当然、先程SEEDを炎に包み、今もまとわりつく火で苦しめているのは、
火球を作り出し相手にぶつける火属性テクニック「フォイエ」によるものだった。

「どっちつかずの半端者の分際で…」
「その半端者の法撃でも、効果はあったようだけど?」
みなまで言わせず、マスターが切り返す。
「打撃だけだったら、そのSEEDには手も足も出なかったでしょうけど…お生憎様。
私には、こういう武器もあるのよ。優秀なパートナーの作ってくれた、これがね」

そう言って私に微笑んでみせたマスター。胸をつまらせる思いとはこのことだろうか。
ともすれば半端者の落ちこぼれと自己嫌悪に落ちる私を、いつもこうして励ましてくれる。
しかも同情ではなく、心の底から私を頼りにしてくれている。

「さあ、412。反撃の時間よ。彼の言う『半端者』の力、たっぷりと見せてあげましょう」
「はい!」
先ほどまで苦戦していたのが嘘のように、私はあっさり壁から抜け出すことができた。
湧き上がる思いに身を任せ、片手剣を手にSEEDに斬りかかる。
依然として岩のように硬い皮膚だが、炎で多少損傷したのか、わずかながら攻撃が通るようになっていた。
痺れる手をおさえつけながら、私はしゃにむに片手剣を振るう。

マスターが距離を測りながら、巧みに「フォイエ」をぶつける。
私のつけた傷口を炎をなめる度、SEEDは露骨に身をよじらせて効果の程を示してくれる。

「…ちぃっ。やはり、素体が野蛮な獣では法撃も使えず、耐性も知れたものか。
やはり、肉体と精神を程よく備える素体が必要…『彼』の回収を急がねば、な」
ふと男のつぶやく声が耳に入ってきたが、それが聞こえたのは私だけのようだった。

104:EpX 4章「Illuminus(中編)2/3」
08/03/21 20:52:42.06 IFocm//5
何度目かの炎がSEEDの身を焼く。私の剣の一撃と合わせ、脇腹の甲皮に亀裂が走る。

業をにやした男が苛立たしげに怒鳴りつけた。
「何をやっている!こういう時は先にテクターを潰すのがセオリーと言ったろう!
少しは学習せんか、この出来損ないが!」

男の声にSEEDはすばやく反応し、私を爪で振り払い再びマスターに襲い掛かる。
だが、私にはマスターの次の動きは読めていた。
テクニックに敵の注意を向け、懐に呼び込む。そして…。

肉を引き裂く、不快な音。SEEDの甲皮を貫通し腕に食い込む、真紅のフォトンの刃。
「…さすがにこれをかき消すことは、できなかったようね」
不敵な笑みさえ浮かべるマスターの手に握られているのは、真紅のフォトン光を放つ二振りの小剣。
ダガーオブセラフィ。私がマスターのために作った、最高傑作。

「…そして、私に貴方の言うセオリーは通じない。何故なら私は、純粋な『テクター』ではないから」
自らの腕にほとばしる激痛のためか、SEEDはのけぞるように一歩退いた。
そこを逃すマスターではなかった。

刃の光が一際大きく輝く。
マスターは振りかぶり、片方の小剣を勢いよくSEEDに投げつける。
まるで意思をもっているように小剣は回転しながらSEEDの懐に飛び込み、
その皮膚を容赦なく切り裂いていく。
さらにもう一方の小剣がマスターの手元より離れ、SEEDの体の奥深くまで刃を食い込ませた。

「飛翔刃連斬」ガーディアンズに伝わる、双小剣奥義の一つだった。

体液をほとばしらせ、SEEDはその場に膝をつく。
傷口を押さえようとしても、後から後からあふれ出るそれを、押しとどめる役には立たなかった。

105:EpX 4章「Illuminus(中編)3/3」
08/03/21 20:55:59.62 IFocm//5
「マスター、とどめを!」
私が言うまでもなく、マスターは間髪いれずSEED目掛けて勢いよく地を蹴っていた。
だが。

「…ここまでだな」

男がそうつぶやいたことは確認できた。が、それと同時に起きたことは、
私の持つ映像捕捉機能をもってしても明確に捉えることはできなかった。

ただ、男が何か投げたのか、白く長い棒のような物が横からマスターを撃ち、
一撃でマスターを膝まづかせたことだけは理解できた。
ただし、投げたはずの物体は、次の瞬間跡形もなく消えていた。
まさか、腕そのものが伸びたとでも言うのだろうか?それはないと信じたかった。

「…ふふふ。試作品の失敗作ではあるが。
むざむざデータも取らず浄化させるわけにはいかんのでな」

男がゆっくりと歩を進め、マスターへと迫る。
マスターは立ち上がろうとするが、さっきの一撃が足に来ているのか、
そのまま膝をついたままだった。

打たれ強いマスターが、ただの一撃であんな状態になるとは。
あの男は、一体何をしたのだろうか?

「…だが、いい。予想外だが、これは思わぬ拾い物だな」
男が何を言おうとしているかは、次の一言で理解した。

「ヒューマンのお嬢さん。君ならば申し分ない。
私の元に来るがいい。
共にヒューマンの復権を目指すため、『イルミナス』の傘下に入るのだ」

106:名無しオンライン
08/03/21 21:04:10.66 IFocm//5
第4章「illuminus」中編の投下です。
次の後編をもって、一旦投下は打ち切ろうと思います。第一部完、というところで。

コテについては、ひとまずは入れないでおこうと思います。
今後必要になったら、その時にまた考えることにします。

それと、また炎浄化一連の流れをネタとして使ってしまいましたが、
決して皮肉ではなく、単にハウザーが正当性を主張しようとしたらこんな感じになるかな、
と思ったまでのことです。

107:名無しオンライン
08/03/21 21:09:07.11 IFocm//5
…一部、現状では意味の分らないことを言ってしまったことをお詫びいたします。
結果的に後編のネタばれになってしまったようですが、ご愛嬌と思ってお見逃しください。

108:名無しオンライン
08/03/22 00:22:55.48 /dmFnH8i
さて、久しぶりに流れも読まずに支援投下w

109:ムダヅモある復活 1/3
08/03/22 00:25:26.28 /dmFnH8i
それは、電撃イベントの始まる直前の話だった。

『いよーう、箱!復帰したんだって?』
箱の部屋の扉が開き、入ってきたのは懐かしのヒュマ男と440のコンビ。

「あ、お久しぶりです。いやあ、コタ・ツダイいいですねえ」
「ボソリ(…久しぶりなのはそちらもでしょう…)」

迎えたのは箱と450の何時ものコンビ。

「あ、今お茶入れますね」
そう言ってキッチンに向かう450を見届けてから、
ヒュマ男が箱に耳打ちをする。

『やっぱ、その、なんだ、無事復帰……できなかったんだろうなあ…』

「は、はぁ… 平和に肉焼いてたんですけどね… 見つかって簀巻きにされて…」
ポリポリと頭を掻く箱。
「もうちょっとでフ●フ●の餌になるところでしたよー」
ポコッ
「いで」
450が杖で箱を小突く。
『お、お前… もうすぐ2ndGが発売されるとゆーのに…』

「まー、なんといいますか、ほっといたバツですね」
440がもそもそとコタ・ツダイに入る。

そしてしばし談笑。

平和な時。    今この時点ではまだ確実に平和であった。確実に。

110:ムダヅモある復活 2/3
08/03/22 00:26:19.92 /dmFnH8i
一時間ほどして、そろそろ話題のネタが無くなってきた頃、
ふとヒュマ男が一つ提案をする。

『マジャーンしねえか?』


「…いきなり何を唐突なことを…」と440
「いいですけど… ルールよく知らないんですけど…」と箱
「賭け事ですか…?」と450

『まー、いいじゃんいいじゃん。点数とかきっちりしないで楽しもうぜ
 箱には簡単に教えてやるからよ』
そう言ってナノトランサーから牌を出し、コタ・ツダイの上でジャラジャラと混ぜ始める。

「450、わかるの?」
ヒュマ男の真似をしながら適当にじゃらじゃらかき混ぜる箱が尋ねる。
「あんまり自信ないですけど… 一応ルールくらいなら」

ほどなくして、牌が積まれ、並べられる。
「えぇと…」
親の箱が悩みながら一牌切り、ゲームが始まった。

カチャ パシッ
カチャ パシッ
カチャ パシッ

機械的な音とともに、フォトン牌が切られていく。
場は無言。…役一名必死に茹っている者がいるが。

「うーん、これかなあ?」
少しの間のあと、箱が五索を捨てる。

『ん~(やばいな、箱めキてるのか? ならとりあえず安全そうな西を…)』

パシッ

111:ムダヅモある復活 3/3
08/03/22 00:28:31.13 /dmFnH8i
    ,‐'´:::::::::::::::::::::::::`‐、  
    \ ,.. ---ーー.へ、_/  
     /      ^レ゙ ヽ、
     /            j  
     |∩  /`ゝ、ノ\ノヽィ'`i  <ロンです
    (Θ)|  t它j  它j| |  
     ∪ | //   // l l  
      V ト、.   - ,,イ ./  
  ___________________________.  __
 │二│二│三│三│四│四│五│五│五│◎│◎│◎│  │|  |
 │萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│萬│◎│◎│◎│西│|西|
 └─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┴─┘└─┘
  ↑ドラ
       ____
     /ノ   ヽ、_\
   /( ○)}liil{(○)\
  /    (__人__)   \
  |   ヽ |!!il|!|!l| /   |
  \    |ェェェェ|     /  ※AAはイメージです

「イーペーコードラ2 9600ですね」
表情一つ変えず点数を申告する450。
『シブイね~、おたく、まったくもってシブイよ…』
ヒュマ男がやけにカッコつけて呟きつつ、いそいそとズボンを脱ぎだす。

「ストップ・ザ・変態ィィィィィィィ!!」
ズバゴーンという轟音とともに、ヒュマ男に炸裂する440のキック。
「な、な…!」
顔を真っ赤にして驚く450。何が起こってるのかわからない箱。
「ナニやってんですかーーーッ!! 中山きん○君か?筋肉留学かァ!?」
ドスの効いた声でヒュマ男の襟をむんずと掴む440。
『だ、だってよおめー、マジャーンといったら脱衣しかねーだろうが!』
「「「だ、脱衣!?」」」
綺麗にハモる3人。

『知っているのか雷電!!』
『あ、あれはまさしく中国拳法でいうところの堕墜魔亞邪…
フった者はその身につけているものを一枚づつ脱がなくてはならない
中国古来の伝統遊戯…    民明書房”牌テンションナイト” より』

「お前何意味不明な説明してんのーーーー!?」
『ウギャーーーー!!』
再び入る440のツッコミ。
『ふ、フフフ、いくらツッコもうが、ナニしようが、一度始めたゲーム!
ジャブロッガが降ろうがドゥランガが降ろうが最後までやってもらうぞ!!』

「くっ!」
「「くっ」じゃないでしょ!本当にこんなゲームやるんですか!?」
ペシンと440にツッコミを入れる450。なかなか息が合っている。
『それともなんですかァ?450サンは勝ち逃げされるつもりなんですかァ~~アアン?』
「…!!(に、憎たらしいっ!この人ッ!)」
『よし、異論は無いな!フハハハハゲームを続けるぞッ!!』

かくしてなんだかよくわからないうちにゲームは続行される。

勝つのは誰か!そしてクロスアウッ(脱衣)する被害者は現れるのか!
月は今まさに天頂に昇ろうとしていた。

112:名無しオンライン
08/03/22 00:30:48.50 /dmFnH8i
と、続くような終わり方ですが多分続きませんw
ゆっくり書いてる暇がなかなか無くてね… でも、時間とれたら続き投下するかもです。

以上御粗末さまでした( ゚∀゚)ノ

113:名無しオンライン
08/03/22 16:05:28.50 4AOgFhZe
>>112
GJ!
もしGH460系だったら一回負けただけで大変な事になる!



114:名無しオンライン
08/03/22 20:44:55.03 39bJBldR
『』懐かしすww

>>113
うさ耳を外すことで対応した。(そういやパーカーっぽい物も着てるな

115:EpX 4章「Illuminus(後編)1/5」
08/03/22 21:15:36.26 61ZOxUmH
「…笑えない冗談ね。こんなことを平気で行う、貴方についていけと?」
マスターは部屋の様子を指差して毒づいた。
「こんなこととは、何のことかな?ここにいるSEEDを従えていることか、それとも…。
そこら中に散乱している、ガーディアンズの死体のことかね?」
男は悪びれもせずに言ってのけた。

「SEEDのことは、何ということはない。ヒトが家畜を従えるのと同様、
我らイルミナスはSEEDを手なづける術を身に着けているだけのこと…それが問題かね?
SEEDといえ、我らと同じ生命体であることに違いはない。
その生態を研究し、使いどころを見極めれば共存は可能…そうは思わんか?」

SEEDを飼いならす…そんなことが可能なのだろうか?
現状、SEEDとこのグラール太陽系に住む全ての生命とは、相容れぬ存在との認識が一般的である。
イルミナスという組織が、どのような手段でSEEDを操っているのかは分からないが、
何となく私には、後ろ暗い手段を講じているような気がしてならなかった。

「…なら、ここで非業の死を遂げた、仲間のガーディアンのことはどう言い繕う気?
私は、仲間を殺した相手におめおめと篭絡されるほど馬鹿じゃないつもりよ」
「仲間…か。だが、我らイルミナスにとってガーディアンズは…敵だ。
私は、我が組織に敵対する者を、然るべき手段をもって葬ったまで」

「敵?どうしてイルミナスは、ガーディアンズを敵視するの?」
「それは、現ガーディアンズ総裁のオーベル・ダルガンに聞いてもらいたい。
我々はガーディアンズとよしみを通じたいと考えているにも関わらず、
総裁は我らイルミナスを危険な組織だと公言してはばからん。
宣戦布告をされて黙っているほど、我々は脆弱な組織ではないつもりなのでね」

「総裁がそう判断されたのなら答えは簡単よ。私もガーディアンズの一員として、仲間の仇を…」
「さあて…果たして本当に、彼らは君の仲間と言えるのかな?」

116:EpX 4章「Illuminus(後編)2/5」
08/03/22 21:17:54.80 61ZOxUmH
「…どういうこと?」
意外な一言を聞き、マスターは訝しげに男を睨み付けていた。
「先程のヒューマンの扱いについて言葉を詰まらせた様子を見て、思い出したのだがね。
君は、いつぞやの報道で槍玉にあげられた、子供を助けるために任務を放棄したガーディアンだろう」

私は耳を疑った。マスターが任務を放棄したという失態は報道の一部でも挙げられていたが、
子供を助けたことについてはどこにも取り上げられていなかったはずなのだ。

「イルミナスは、その手の情報に早くてね。
我らが同胞たるヒューマンが不当に貶められたことに、胸を痛めたものだ」

「その時君は感じたはずだ。ガーディアンズとは、本当にこのグラールの守護者たるにふさわしい存在か?
守護者とは名ばかりで、その実態はただ己が利益を求める利己的な集団にすぎないのではないか?とね」

「いい事例が、いつぞやの炎侵食の浄化作戦だ。
確か、パルムの浄化は最初のうち芳しくなかった筈だな?報酬が働きに見合わないとかで。
それで被害が拡大し、さらに深刻な状態になったことで総裁が報酬を吊り上げた途端、
今までどこにいたかという程大量のガーディアンが殺到し、あっという間に浄化が完了した…現金な話だ」

皮肉に満ちた笑いを浮かべる男に、何か言葉を返してやりたかった。
だが、マスターが今までとうって変わって沈んだ表情をしていることが気になっていた。

確かにあの時、大量のガーディアンが一様にパルムに集結していた。
その分他が手薄になり、一時的に治安が悪化したことがあった。
マスターが個人的な依頼でローグスから荷物の奪還を行った際も、その事を依頼主からなじられたものだった。

だからといって、マスターがガーディアンズを捨てるなどとは思っていなかった。
マスターの、次の一言を聞くまでは。

「…確かに…ガーディアンズは、私の思っていた組織では…なかったのかも知れない」

117:EpX 4章「Illuminus(後編)3/5」
08/03/22 21:19:01.52 61ZOxUmH
「ま、マスター!?」
私は信じられなかった。
あれだけガーディアンズの仕事に誇りを持っていたマスターが、こんなことを言い出すとは。
だが、続けてのマスターの言葉で、私は悟った。
「…今のガーディアンズの人達で、あの時私と同じように任務より子供を取る人が…何人いたのか」
あの事件が、私の思っていたより深く、マスターの心をえぐっていたのだと。

「それは、その子供がヒューマンの子供だったからだ」
得たりと男が言葉を継ぐ。
「潜在的な差別…それは確かに存在するのだ。
ヒューマンの命は、ガーディアンズの崇高な任務とやらより優先されることはない…その程度のものなのだ。
我らイルミナスならば、決してそのような真似はしないがね」

「ガーディアンズの仕事は、SEEDの襲来から変わってしまったわ。
SEEDや暴走した原生生物の殲滅、施設や遺跡の奪還がほとんどで、
救出や護衛といった、規模の小さな個人的な依頼はめっきり影をひそめてしまった。
それは、ここ最近仕事を探し回ってよく分かった…私は、そういう仕事をこそ引き受けたかったのに」

「その方が、高額の報酬を用意しやすいのだろう。
そして、そのような任務に求められるのは、誰かを守るより、敵を狩る力…。
そう、ヒューマン以外の、破壊する何らかの力に長けた他種族だ。
現在ガーディアンズで重宝されている、ナノブラストだのSUVだのが、破壊をする以外の何の役に立つかね?」

男は巧みにマスターの心の隙間に、ヒューマンが不当に扱われているという事象を刷り込んでくる。
このままではマスターがこの男に言いくるめられてしまうと、私は必死に口を挟もうとする。
「マスター、騙されてはいけません!この男は…」
そこで私は口をつぐんだ。つぐまざるを得なかった。

「…黙っていたまえ。これは私と、このお嬢さん二人の問題だ」
言葉こそ穏当だが、その目には明らかな殺気がこもっていた。
どういうことだろうか?
この男は、大して言葉も交わしていない私に、深い敵意を持っているような気がしたのだ。
何故?それを考えているうちに、マスターが口を開いた。

「…でも、私がガーディアンズに失望したからといって、イルミナスに入る理由はないわ」

118:EpX 4章「Illuminus(後編)4/5」
08/03/22 21:20:15.85 61ZOxUmH
「ほう、何故かね?」
興味深げに片方の眉をあげ、男が尋ねた。
「イルミナスが、ガーディアンズよりまともな組織という保証はないわ」
「もっともな話だが…それは君自身の目で見て判断してもらう他、ないな」
「入ったが最後、抜けることができないなんてのは、よくある話だわ」
「そこまで疑われてはかなわんが…よく考えてみたまえ。君自身、今後ガーディアンズで未来はあるのかね?」

「君が、今のままガーディアンズにいても飼い殺しにされるだけだ。保証しよう。
それよりは、まだ見ぬ未知の組織、イルミナスに賭けてみるという選択はないのかね?」
「…ヒューマン原理主義。一歩間違えば、暗黒の奴隷時代を復活させる危険があるわ」
「さあ、そこだ。肝心なのは」

男は大仰に手を広げ、例の不思議な抑揚で朗々と語った。
「正直、我らイルミナスにも残念ながら、そういう極端な思想を持った輩がいる。
だからこそ、私は君のような人材が欲しいのだ。
ヒトを守ることの大切さを知っている君がイルミナスで重きを成せば…。
真なるヒューマンの復権を果たすことができると、私は期待しているのだよ」

「…真なる、ヒューマンの…?」
「ヒューマンが単に彼らの上に立つようでは、君の言う通り暗黒の時代に戻るにすぎない。これは退化だ。
ヒューマンが十分な権利を保持し、なおかつ他種族も冷遇することのない、真に平等な世界。
これこそがイルミナスの最終にして至上の目的だ。
至難でもある…君のような人材が、今後さらに増えることがない限り、な」

男の言葉は、巧妙の一言につきた。
現状の組織に問題があることを明確にしつつ、さらに「マスターの力が必要だ」と言外に明示しているのだ。
抗いがたい、甘い誘惑と言えた。

だが、それでもマスターは首を縦に振ることなく、じっと耐えていた。
そこで男は突然、態度を一変させた。
「まだ迷うようなら…最後の一押しをしてやろうか」

119:EpX 4章「Illuminus(後編)5/5」
08/03/22 21:21:11.13 61ZOxUmH
またもや男の腕から何かが放たれ、私を撃った。
気がつくと私は、頭を鷲掴みにされ、男に吊るされる格好となっていた。
顔色を変えるマスターに、男はにやりと笑ってみせた。
「卑怯とは言わないでくれたまえ。それだけ君が本気で欲しいという評価の表れだと思ってもらいたい。
…どのみち、PMは連れてはいけんしな。危険過ぎる」

確かにPMには原則、ガーディアンズ上層部より取り付けられた発信機等が埋め込まれている。
PMの行動管理、マスターに何かあった場合の迅速な救助等の目的からだが、
それがそのままイルミナスについていくのは、敵を前に鈴をつけて歩き回るようなものだった。

「このPMに今すぐ遺言の言葉を考えてもらうか、それとも無事本部に帰ってもらうかは君次第だ。どうするね?」
マスターは目を閉じて、さらに考え込んでいたが…やがて。
「…その子を、降ろしてあげて。私はこれから…新たな人生に賭けてみます」
私の命がかかっていたとはいえ、この一言はまぎれもなくマスターの意志だ。できれば聞きたくはなかった。

「…ただし、覚悟することね。もしもイルミナスが私の理想にそぐわないものだったら…
私はどのような毒となるか、分からないわ」
「結構だ。それぐらいの気概がなくてはな」
男は満足げに笑い、私を床に下ろした。ただ、頭をつかむ手は離そうとしなかった。

男がパチンと指を鳴らすと、いつからいたのか、組織の者と思われる男が数名、背後から現れた。
「本部まではこいつらに案内してもらうといい。その前に…別れの言葉はあるかね?
おっと、そのままだ。まだ一応、人質の形を取らせてもらっているのでな」

マスターはしばしの間、無言で私を見つめていた。
その優しげな、しかしとても強い憂いを含んだ目を見て、私は自責の念にかられた。
どうして、マスターの目にここまでの悲しみがこめられるまで気付いてやれなかったのか。
どうして、マスターの心がこんなにも追い詰められていたことに気付けなかったのか。

私は…パートナー失格だ。
運命の日は、もたらされるべくしてもたらされたのだ。

120:EpX 第一部エピローグ1/2
08/03/22 21:23:09.54 61ZOxUmH
そんな私にマスターが語りかけた。
「412…貴方に、これを預けます」

マスターは例のダガーオブセラフィを取り出し、足元に置いた。
「私は、私の理想をイルミナスに賭けてみます。
でも、それがかなわなかった時…その時は、貴方に私を止めて欲しい。
貴方が私のために作ってくれた、このダガーで…私を止めるのです。
他の誰でもない、貴方にそうして欲しいの…この、柄に刻んだ文字に誓って」

それだけ言うと、マスターは現れた組織の男に連れられて、部屋を出て行った。

後に残された、私と男…私からマスターを奪った、憎んでも憎みきれないイルミナスの幹部。
「もう、いいでしょう…離してください」
私の言葉に男は肩をすくめながらも、意外なほどあっさりと私を放してくれた。
すかさず私は、マスターの残した真紅の双小剣に駆け寄り、それを拾い上げた。

-貴方に私を止めて欲しい。この、柄に刻んだ文字に誓って-

今まで見せてもらえずじまいだった、例の文字。それを見たとき。
私は、自然に目から熱いものがこみあげてくるのを抑えきれなかった。

「Dear My Partner」

いつだってマスターは私を、半端者と蔑まれていた私を頼りにしてくれた。
そして今また、私に二つと変えられない重要な役目を任せてくれた。
親愛なるパートナー。この武器を通して私に向けてこめられた思いに応えるため。
私がやることは一つだった。

「…別れの余韻に浸っているところ済まないが、一つ教えてやろう」
背後からかけられた男の言葉に、はっと後ろを振り返る。

「私は、嫌いなのだよ…キャストとか呼ばれている、機械人形がな。
まして、それにも劣るからくり人形が意思めいた物を持っているだけで…反吐がでる」

121:EpX 第一部エピローグ2/2
08/03/22 21:25:41.21 61ZOxUmH
男が腕をふりかぶっている。それが、かろうじて確認できた全てだった。
一瞬のうちに視界が暗くふさがれ、倒れこんだ先の冷たい床の感触も急速に感じられなくなっていく。
全てが、閉じられようとしていた。

「マス…ター…」
力を振り絞って漏らした声も、一人残された薄暗い死臭漂う部屋に飲まれていった。

私は、その運命の日以来、長い間眠りについていた。部屋に打ち捨てられた死体と共に。
一人のガーディアンがこの部屋に足を踏み入れる、その時まで。

その間に、事態は大きく変化していた。
イルミナスの野望が明らかになり、総裁オーベル・ダルガンの死と共にコロニーが落下していた。

そして、マスターは…。

私の…マスターの唯一無二のパートナーである私、412の任務は…今こそ始まろうとしていた。

122:名無しオンライン
08/03/22 21:28:44.20 61ZOxUmH
以上、EpX 第一部完了です。
第二部の投下がいつになるかは未定です…すみません。

スレの空気にそぐわない新参者の駄文かとは思いましたが、
文句ひとつ言うことなく付き合ってくれた皆様方に感謝いたします。
それでは、またいつか…。

123:名無しオンライン
08/03/23 04:50:54.53 W8WVjvzf
GJ、普通に読み耽ってしまったぜ
二部からはイルミナスから主人を奪還する為にパシリが活躍するんだろうな、実に楽しみだ


しかしこう良い作品を読んでると俺もまた書きたくなってくるもんだ

124:名無しオンライン
08/03/24 21:29:26.81 tfn/8m7E
>>122
GJ!!
第2部wktkしながら気長に待ってるぜ!!

125:名無しオンライン
08/03/25 01:21:07.99 PrryqB6A
ハウザーの台詞をすべて若本声で脳内再生してみた。

脳汁デタ(゚∀゚)

126:継承 II 君、死にたもうことなかれ(前編)1
08/03/27 20:48:09.69 4g3XyFme
”遠い遠い昔のお話です。大地の国にとても仲の良い兄妹神がおりました。
大いなる光の眷属である二人はとても美しく聡明で、兄の男神は「ひとりでに巨人を倒す剣」を持つ武術の達人、妹の女神は優れた魔術師で、他の神々からも一目置かれていました。

あるとき、天の国に住む神が兄妹の住む大地に槍を投げ、戦を挑んできました。
大地の神々は武器と魔術をもって立ち向かいましたが、天の神々は戦いが不利になってきたのを見ると、互いに自分の国で一番重要な神々を3人ずつ交換して戦いをやめようと言ってきました。
戦いを嫌う大地の神々は、兄妹と、その父を木の葉の船で天の国へと送りました。

兄妹は天の神々と仲良くなり、長い年月を過ごしました。兄妹は天の神々が持たない考えを教え、二つの国がともによくなることを願いました。
それでも天の神々は他の国へと戦を挑み続け、また自分たちの間でも争いあっていました。

そんなとき、一人の黒い巨人が現れました。
戦争ばかりしている天の神々の憎しみが凝り固まって生まれた巨人は、炎の剣で野蛮な天の神々を殺してまわり、天の国を滅ぼそうとしました。
天の国に住む神は次々と倒され、兄妹だけが生き残っていました。
兄神は、大切な妹に「ひとりでに巨人を倒す剣」を渡し、故郷に帰るように言いました。
妹は兄と一緒に帰りたいと言いましたが、兄はたとえ今まで悪いことをしていた国であっても、長年共に暮らした神々を見捨てたくないと、牡鹿の角を持って巨人に戦いを挑んでいきました。
妹の女神は「ひとりでに巨人を倒す剣」で巨人の炎をうち払い、木の葉の船にたどり着きましたが、互いに心を通わせることのできる大地の神である妹は、
飛び立つ船の中で、兄が倒され、巨人が天の世界に火を放つのを感じ、嘆き悲しみながら大地の国へ帰って行きました…”

――――――――――――――――――

127:継承 II 君、死にたもうことなかれ(前編)2
08/03/27 20:48:56.12 4g3XyFme
ラシークを食べ…もとい屠り、わたくしが転送されてきたのは元の建物でした。受付のお姉さんが出迎えてくれます。
「おつかれさまでした。やや反則気味な方法ではありますが、一応身体能力に含まれますし、よしとしましょう。とりあえず銘菓ラ・ゴウをどうぞ」
あっ、いただきます。しかし勝てたのは幸運でした…ぎりぎりだったとしか言いようがありません。はぁ…
「不服ならステージ1をやり直すこともできますが?」
い、いえいえ!二度と戦いたくないですよ、ラシークとは!次戦って勝てる気がしません!
先ほどはセガタさんにいやというほどされた肉体言語でなんとかなりましたが、そういえばこれからも武器なしでやらなければいけないんですか?
「心配しなくても武器はステージごとに用意されていますよ」
そ、そうこなくては!ちょっとだけ心配してしまいましたよ、あはあはあは。
「はい、では次の武器はこちらです」
カウンターにおかれた武器は、わたくしのデータにも記録がありました。「ルビーバレット」という古ぼけた拳銃です。フォトン武器ではありますが、まさかこれも使い物にならないというんじゃないでしょうね…
「安心してください。弾は出ます…一応」
一応ってなんですかー!?
「気にしなーい。いいから転送です、ほらいけー!」
あ、ちょっとずるいですよ!説明を…

STAGE 2 -惑星モタビア 気象コントロールセンター・アメダス-

強引な転送でしたが無事に到着し、目に入ってきたのは海と空と緑あふれる大地でした。
しかし、モタビア?モトゥブの誤植ですか?「スーパーウリアッ上」くらい激しい誤植ですね。責任者の方出てきてください。
「野暮なことはいいっこなしだぜお嬢ちゃん」
うわあ!ほ、本当に責任者の方が!?
大げさに土下座モーションへの移行を兼ねた跳び退りをしながら見れば、金髪の陽気そうな男性がこちらに手を振っていました。
「おおっと、俺は責任者じゃない、ハリアーってんだ。そしてこいつがこのステージで嬢ちゃんの相棒になるオパオパだ。よろしくな!」
…話が見えませんが、この足のついたブースターユニットのようなものは生き物なんですか…
「はっはっは、おいおいおい!こいつは立派に親もいる生き物だぜ?父親を助けるために戦い抜いた勇者なのさ」
ゆ、勇者?このなりで…?意外に孝行息子なんですね。って、雄か雌かもわからないですけど…
オパオパさんはその短い足でちょこちょことこちらに歩いてきました。かわいい…んでしょうか?
「まあともかく、説明するぞ。このステージはすぐに戦闘があるわけじゃない。あの海の向こうにある建物が目標になる」
海の向こう…って、泳いでいけっていうんですか?わたくし、カナヅチなんですが。
「飛んでいってほしいとこなんだが。だめならオパオパにつかまって飛んでいくんだ。オーケー?」
つかまってみますと、ぎゅぉぉぉんとものすごい音をたててオパオパさんは浮上しました。出力を予測しても、獣を越え人を越えるような勢いが出るのは確実です。なにげに危なくないですか、これ…
「回避なんかの操作は適当にやってるうちに覚えるだろう!グッドラック!」
適当って!?説明書くらい読ませてくださいー!!
爆音を立てながら、わたくしは最後の言葉だけをそこに残して飛んでいきました。

128:継承 II 君、死にたもうことなかれ(前編)3
08/03/27 20:49:52.04 4g3XyFme
とどまって見ている人がいれば、ドップラー効果という概念を教えることができたと思います。
そのくらいオパオパさんのロケットエンジンはものすごい推進力でした。って怖い!これはさすがに怖いですよ!
顔の形をした謎の石や花びらのように開く機械などが飛んでくるのはオパオパさんが隠し持っていたレーザーで問題なく倒せていましたが、どこか懐かしい遠吠えが聞こえてきて、わたくしは前方に目をこらしました。
巨大な胴体についた二つの長い首。鈍く輝く4つの眼。
ディ・ラグナスがこんなところに!?あんなに速く後ろ向きに飛べるなんて意外ですが…
以前戦った、炎と氷を吐いてくるものとは若干違うようで、両の口から炎を吐いてオパオパさんとわたくしを狙ってきます。
ディ・ラグナスなら戦ったことがありますし、対処法もわかっています。負けることなどありえません…と、思っていたのは最初だけ。
景色というものがはっきり見える前に後ろに流れていくようなこの状況では、一発でも攻撃を受けてしまうと落下は必至。
回避操作もまだ十分練習できていませんし、一発でも受けてはいけないというプレッシャーがあるためものすごくやりにくいのです。
い、意外と難しいですね。射撃より回避を優先し…
あ~~~~
げっれでぃ(やり直し)

他人に見せられないくらい何度も炎に当たって落ちてはやり直しを繰り返して、最後には上空から16tと書かれた謎の鉄塊を落としてようやくディ・ラグナスを撃破することができました。
決まり手はそれなのでわたくし自身はよけていただけですが。それまでの様子はあまりに恥ずかしいので省略させていただきます。
ともかく、ようやく到着ですねオパオパさ…
前方に木ぃ!?
あ~~~~

129:継承 II 君、死にたもうことなかれ(前編)4
08/03/27 20:50:29.29 4g3XyFme
な、なんとかたどり着きましたが何回海に落ちたことやら…
もう全身ぼろぼろです。オパオパさんもところどころひびが入ってますし。ひたすらレスタをかけていると、建物の中から声と何かがぶつかるような音が聞こえてきました。
そういえばまだボスが控えているのでしたね。わたくしはディ・ラグナス以上の敵が出ることを予想して通路から顔だけ出して中をのぞいてみました。

そこにいたのは異形の化物…などではなく、肩から胸まであらわになっている紫のレオタードを着たニューマンの女性でした。
まったく同じような格好の人が二人いて、どうやら互いに争いあっているようです。

-ミッション開始 ネイ・ファーストを倒せ!-

あっ、なんか指令が。ネイ・ファースト?というと…
「死ね、ネイ!私を勝手に名乗る売女め!」
「ネイ・ファースト!あなたは!」
…という言葉が聞こえてきましたので、どうやらあちらの目つきの悪いほうがネイ・ファーストで、それにそっくりな人のほうがネイなのでしょう。
しばらくみていますとネイ・ファーストのほうが押しているようで、吹っ飛ばされたネイさんが壁から半身を乗り出して覗いているわたくしに激突しました。
「あ、あなたは?」
ネ、ネイさんですね?事情はなんだかよくわかりませんが加勢します!ミッションですし!
わたくしはもがいてネイさんのお尻と床の間から頭を引き抜くと、ネイさんと、追いかけてきて爪を振り上げたもう一人の間に割って入りました。
「誰よおまえ…誰だかわからないけど、ここはガキが来るところでもないし、私らのことも首つっこんでいい問題じゃない!」
明らかに殺す気まんまんでいるのを見過ごすわけにはいきませんよ。弱きを助くが騎士道というものです(あと、ミッションなので)。
「そうかい!」
言い終わるが早いか、ネイ・ファーストはわたくしに爪を繰り出しました。しかしそれは足の運び方をみっちり教えられたわたくしには難なく回避できるものでした。ラシークが強すぎただけに拍子抜けしてしまうくらいです。
爪をすべて見切ったあと、お返しに肩に向けてルビーバレットを2発お見舞いしました。
ここにたどり着くまでに消耗してしまい不安でしたが、もしかして楽勝ですか?
と、思った矢先のことでした。
「い、痛い…痛いっ!」
え!?
突如、ネイさんが苦しみだしました。
慌てて駆け寄ると、その肩口、わたくしがネイ・ファーストを射撃した場所とまったく同じ箇所に、全く同じ大きさの傷ができています。
周囲に狙撃手がいないか警戒しつつレスタで傷をふさぎましたが、ふたたびわたくしが構えると、その間にネイ・ファーストのほうの傷もすでにふさがれた状態になっていました。
今度こそは攻めきろうとわたくしは再度ネイ・ファーストの手足を狙って弾を打ち込んだのですが。
「あああっ!」
またネイさんには先ほどと同様、同じ箇所に傷ができていました。
つまり、信じがたいことですが…
「ふふふ、はははははは!ようやく気づいたようね、お馬鹿さん。この私、ネイ・ファーストとそのネイは一心同体!私を傷つければそいつも同じように傷つくのさ!」
ええええええええ!?こ、こんなのありですか!?


-続く-

130:名無しオンライン
08/03/27 20:58:34.73 4g3XyFme
ようやく次を書くことができました。というのも最初のプロットから大幅に変更した部分があるためで。まだまだ続きます。
って、なんかプレステ2でベタ移植になるらしいですね、旧千年紀シリーズ。
いらないんじゃないかと思いますが一応解説も。

「ネイ」
旧千年紀シリーズを実際にプレイしてなくても知っている人も多い、レオタードニューマン娘。すでに少女の体つきになってはいるが、実は3歳。
ファンタシースター2の主人公・ユーシスに拾われ育てられており、ユーシスを兄と慕う妹キャラである。
シナリオ途中でネイ・ファーストと一人で戦い死亡。クローン・ラボでも復活させられず、涙した人も多いであろう。

ネイという言葉は否定を意味し、「~でない」という意味のアルゴル語。
この場合は「人ならざる人」として名付けられている。同様に、ネイの名を宿す武器は「武器ならざる武器、この世のものではない武器」を示す。
勘違いしている人も多いが、ネイクローはネイが使った爪ではないのである(ネイクローを実際に使ったのはファンタシースター3のミューであり、また他にもネイソード、ネイショット、ネイスライサーなどが存在している)。

「ハリアー」
セガの名作3Dシューティング「スペースハリアー」の主人公。謎のランチャー(ブースターつき)を抱えて空を飛び、謎の機械やらモアイやら竜やらを撃ちまくる。
ちなみにこれの続編タイトルのうち「プラネットハリアーズ」では、オパオパを使うこともできるので関連性がまるでないわけではない。

「オパオパ」
これまたセガの名作「ファンタジーゾーン」の自機。謎の生き物(意外かもしれないが生き物である。ファンタジーゾーンのラスボスは、寄生生物にあやつられたオパオパの父親なのだ)。
翼をもった乗り物っぽい外見をしているが、実際ショップで強化アイテムを購入するとブースターに切り替わってスピードアップしたり、レーザーを撃てるようになったりする。本当に生物か?w
ちなみに、SUVウェポン・アセンションギフトでも出てくる16tボム、32tボムというのはこのファンタジーゾーンが元ネタ。


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