08/06/12 07:14:26.78 AHrNjPp6
天地人はつまらない作品である。
目の肥えた兼続フリークには作者のフィクション部分の描写は失笑してしまうであろう。
兼続はたしかに義を信念に生きていたが、時には義に反する戦もしてきたのだ。
御館の乱のサバイバル、佐渡攻め、最上侵攻などの支配を目的とした征戦の苦悩も描くべきであった。
関が原前後の展開も淡白で、あっさりと描かれている点にも不満だ。
家康追撃を断念したのは民を苦しまる大乱を起こさせない為だ、という景勝のセリフには笑止千万。
すでに上杉家は大乱の真只中にあるのに実に説得力のない展開だ。
米沢減封後の兼続の言動も後悔ばかりのセリフが多く、女々しい。
作者は民の仁愛に生きると兼続に言わせるが、物語が民へ何をしたのかまったく描かれないから伝わるものがない。
「武家の義より、民への義を選んだ」。なんじゃ、そりゃ?。
兼続の追求し、苦悩した義とは何だったのか。
残念ながら本作品からは、何も読み取れないのである。