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<日経>◇製薬企業・医薬卸、株式持ち合い強化・安定株主の拡大狙う
エーザイと参天製薬など製薬企業同士や、製薬と医薬品卸会社との間で株式を持ち合う動きが加速している。
取引関係を深めることが主な目的だが、安定株主を増やす狙いもある。
製薬では業界再編が進みつつあるうえ外国人の持ち株比率が高い。
株主提案やＭ＆Ａ（企業の合併・買収）の動きに備える意図もありそうだ。
2007年3月期に、エーザイと参天薬、小野薬品工業と参天薬は互いに約10億円を投じて持ち合い株数を増やした。
出資比率は1.5％以内。各社はもともと、薬剤の有効成分の使用契約などを根拠に持ち合い関係にあったが
「副次的な効果として安定株主の増加を期待している」（参天薬）。外国人株主の比率が30％を超え、安定株主の確保が課題だった。
買い増しの結果、3月末の事業会社の持ち株比率は、エーザイが7.7％、小野薬が21.4％、参天薬が14.2％と
1年前に比べ0.6―1.0ポイント高まった。
仕入れ先である製薬会社との関係強化を望む卸との持ち合いも拡大した。エーザイとスズケンは互いに約30億円で株式を取得。
小野薬はスズケン、東邦薬品と2億―5億円を出資し合った。
卸はかつて特定の製薬会社と取引関係が深かったが、再編で系列色が薄まり、製薬の持ち合い拡大の要請に応じやすくなっている。
こうした持ち合いの拡大は続きそう。
6月末にはキッセイ薬品工業がわかもと製薬の自己株式を取得し筆頭株主になると発表。
わかもとは今秋までにキッセイ株を購入する方針だ。
ただ、武田薬品工業など大手では同業間の持ち合い強化の動きは見られず、準大手を中心に安定株主として支え合っている。