07/09/26 00:03:13.65 zjBCUJzA
49話シーンNo.4
夜。信玄と信繁。膳を前にして、互いに向かいあって座っている。
信繁「御屋形様。いよいよ決戦となり申したな。
某、ぜひ杯を交わさせていただきとうございます」
信玄「なれば信繁。今宵は兄と呼んではくれぬか」
信繁「はっ。兄上」
酒を酌み交わす二人。
信繁「兄上。某かねてより、倅の信豊に遣わさんと思い、
訓戒をしたためてござります」
信玄「そちが訓戒?」
信繁「書き連ねるうち、九十九条までおよび申した」
信玄「それは是非儂も読みたいものじゃ」
信繁「その初めの1条。御屋形様に対しては尽未来、逆意あるべからず。左様にしたためました。
末代まで謀反の心抱いてはならぬと。
それでつくづく思いました。かような戒めなど残さずともすむ世の中に早くならぬかと」
涙を浮かべている信繁。
「そなたが生き抜いたればこそ、さような世を作ることができる。
信繁、生きよ。生きるのじゃ」
信玄は笑顔で話す。
信玄「そなたに授けたいものがある」
信繁「これは?」
信玄「亡き母上の衣にこの儂が書いたのじゃ。
儂は大将ゆえ、そなたと共に鎗を揃えて、戦をすることは叶わぬが、
兄としてそなたの身を守るつもりで書いたのじゃ」
信繁「兄上…」
このあたりは信繁も結構濃い芝居をしますね。
信玄はご飯を食べるカットでNG。一口で入りきらず、ご飯をこぼしちゃいました。