07/07/19 10:41:05.99 R5wTryuC
確率統計理論からすると、サンプルが正規分布をなしている場合、
全サンプルの95%以上が「平均値±標準偏差σ×2」の範囲内に収まるため、
ボリンジャーバンドにおける「移動平均±2σ」で定義される価格幅は、近似的に
「価格を急激に変動させる何らかの要因が無ければ
直近の将来における価格がこの範囲内に収まる可能性が極めて高い領域」
と見なすことが出来る。
(「近似的に」と言ったのは、平均値と標準偏差σを算出するサンプルである時系列データが
正規分布ではないため)
これは見方を変えれば、価格が移動平均±2σのバンドを逸脱した場合に、
「その逸脱した方向への何らかの圧力(買い/売り要因)が発生している可能性がある」
と見なせるということでもあり、これによって「移動平均±2σ」のラインを
「そこを越えていったら越えた方向へのポジションを取る」ための、
一種のブレイクアウトシグナルとして使うことが出来る。
その反対に、価格が移動平均±2σのバンドの上下限に近づいたり、逸脱した場合、
「基本的には価格はバンド内部に収まるのだから、このあたりで反転する可能性がある」
とも見なせるため、「移動平均±2σ」のラインを
「そこに近づいたら反対方向へのポジションを取る」ための
一種のチャネルとして使うこともできる。
これがボリンジャーバンドの代表的な使い方の一つ。
ボリンジャーバンドはあくまでも
「統計的に言って価格がその範囲内に収まる可能性が高い領域」を示すに過ぎず、
ブレイクアウトを重視してトレンドフォロー的に使うか、
あるいはチャネルを重視してオシレーター的に使うかは、その人次第。
また、標準偏差(価格のばらつき具合)は
「標準偏差を取った期間における相場のボラティリティ」であるため、
ボリンジャーバンドの拡大/縮小はそのまま「ボラティリティの増加/減少」に対応する。
例えば、一般的に、マーケットに強いトレンドが発生し、長いタイムスケールにおける
ボラティリティが増加している時、短いタイムスケールにおいてはボラティリティが減少する傾向にある。
これをボリンジャーバンドで表現すれば、
「マーケットに強いトレンドが発生している時は、
ボリンジャーバンドは収縮しながら上(または下)に傾く傾向にある」
ということになり、ボリンジャーバンドの収縮と上下の移動を“トレンド継続”を示す指標として使うことが出来、
その反対に、ボリンジャーバンドの拡大を“一方的なトレンドの終了”の可能性を示唆するシグナルとして使うことも可能。
また、上述のチャネル的な使い方を併用することで、
「長いトレンドにおける一時的な逆行状態(押し目)」を狙うためのツールとしても使い得る。
それで利益を上げられるかどうかは結局のところ使い方次第だけど、
移動平均をベースにボラティリティ(標準偏差)を考慮したチャネルを想定するというのは
なかなか理に適った考え方ではある。