08/07/08 04:21:33.64 rrfeDqRe
急に押しかけてきて、帽子をわざと私に渡した時から、もうその時から、私をからかうつもりだったんだわ。
一度帽子を私に持たせて、それを手も使わず魔法で奪い、言葉で困惑させながら帽子を部屋の中で好き勝手飛ばして私を脅かす。
その不安な英里子の顔を見た梨紗
（うふふ、そろそろかな）
相手の心が不安定な時の方が魔法もかけやすいのだ。
「ね～え、黄色ちゃんと前はどんな事してたのか、おしえて、よっ」
“よっ”と言いながら、宙を飛んでいた魔法使いの帽子が、ベッドの上で頬杖をついた梨紗の頭にストッと戻った、見るからに魔法使いである。魅惑の瞳が黒さを増した。
そして英里子から聞き出すわけでもなく、今から魔法をかけ、英里子の心の中の黄色との思い出を英里子自身に喋らせ、―それを覗き見るのだ。
黄色と仲良くなった梨紗は、黄色が慕う英里子に嫉妬をしてここまで来たのである。
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