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□北陸・関西の正月の味「棒ダラ」ピンチ 入荷量、激減
北陸や関西のお正月料理に欠かせない棒ダラの入荷量が激減し、値段
が上がっている。マダラを乾燥させ、棒状にした保存食だが、製品化に
も料理にも時間がかかる「超スローフード」で、生産者も料理する人も
減っているためらしい。伝統の味を守ろうと、卸の組合は調理法を紹介
するなどPR作戦に乗り出している。
棒ダラは北海道・稚内が主な生産地。生のマダラを三枚におろし、室
内で熱風にあてたり、寒風の中で天日干しにしたりして、約2カ月間乾
燥させる。1~2週間水につけて戻し、10時間程度甘辛く煮て食べる。
京都市中央卸売市場への入荷は、1975年には236トンだった
が、95年は116トン、04年には57トンにまで減った。大阪市中
央卸売市場でも98年度の69トンに対し、05年度は34トンと半
減。今年度は前年度比2割減という。価格は1キロあたり3700円前
後で、この10年で1000円ほど値上がりしている。
稚内の生産業者小林俊夫さんは「生産も料理も手間がかかる。今の生
活スタイルには合わないんでしょうね」。稚内の業者の数はこの30年
で3分の1になったという。
最近は、マダラを干さずに味付けした「棒ダラ風」の製品も出回る。
そのまま食べられ、手間いらずだ。棒ダラを扱う大京魚類(京都市)の
古川栄一さんは「干した棒ダラは、うまみがあり、歯ごたえも違うんで
すが……」と寂しげだ。
京都塩干魚卸協同組合は、昨年からホームページで、職員が棒ダラ煮
に初めて挑戦する様子を写真付きで掲載。今年は、読者から寄せられた
棒ダラと豆腐の鍋料理のレシピも紹介している。
京都では、棒ダラとエビイモを炊き合わせる「いもぼう」が有名で、
松本清張の作品にも出てくる。いもぼうで知られる老舗(しにせ)・平
野家本店(京都市)の若女将(おかみ)北村真理子さんは「棒ダラとエ
ビイモは互いにうまみを引き出し、『であいもの』といわれる組み合わ
せで、江戸時代から伝わる縁起の良い料理。気長にやれば難しくないの
で、多くの人に親しんでほしい」と話している。
出典:asahi.com 2006年12月26日09時36分
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