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★急死の主人、店先で待ち続け25日目…直方のセラピー犬「ブン」天国へ
直方市のペット店で飼われ、人を癒やすアニマルセラピー犬として活躍した「ブン」
(ゴールデンレトリバーのメス、13歳)が今月11日、息を引き取った。主人だった
経営者の福島久義さんは先月、51歳で急死。
ブンはその日以来、福島さんの帰りを待つかのように毎日、店の前に座り続けたが、
病魔には勝てなかった。旅立ったのは主人の急死から25日目の朝だった。
ブンはペット店の売り物で、13年前の生後2か月のころ、買い手が付いた。
しかし、間もなく「事情があり飼えなくなった」と返却されたため、福島さんが主人となった。
むやみにほえず、人なつっこい性格。福島さんはそんなブンが2歳のころ、
アニマルセラピー犬に仕立て、一緒に老人ホームを訪ねる日々を送った。
福島さんは日ごろからブンを家族のようにかわいがり、1日3回の散歩を欠かさず、休日には
河川敷や山に連れだって出掛けた。ブンはペット店の“看板娘”でもあり、お客の人気者だった。
福島さんが11月17日の未明に心不全で亡くなってから、ブンは元気がなくなった。ペット店を
引き継いだ妻、三枝子さんが午前9時半ごろから開店の準備を始めると、店外に出て座り込み、
午後8時の閉店まで動こうとしなかった。
冷たい雨の日も、強い風の日も座り続けたブンを、従業員の嶋田将秀さん(26)は「福島さんの
死を知っていたかどうか分かりませんが、帰ってくるのを待っているようでした。寂しそうな目に
涙を浮かべ、一日中じっとしていましたから」と振り返る。
しかし、今月8日に店の外で立ち上がれなくなり、三枝子さんが獣医師に診せたところ、「肺に
腫瘍(しゅよう)がある。長い命ではない」と告げられた。そして、11日の開店前、三枝子さんが
動物病院に連れて行く準備をしている時に倒れ、そのまま息を引き取った。
三枝子さんは「主人が寂しくないようにと、ブンが後を追いかけてくれたと思う。今ごろ、天国で
また一緒に遊んでいることでしょう」と話している。
(2006年12月16日 読売新聞)
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