06/06/11 22:24:49.33
寓話の世界でウサギは大概誠実さよりはずる賢さを武器とする動物に登場する。
ラフォンテーヌの寓話『ウサギとカメ』でもそうであり、
ハングルの古代小説『鼈主簿伝(ビョルチュブジョン)』でもそうだ。
西部アフリカ・トーゴでも同じだ。 ウサギは働かず、常に他人の物を借りて使う怠けた動物だ。
とりわけ、気立ての良い象とカバに頻繁に物を借りた。
耐え切れなかった象とカバが嫌な顔をすると、ウサギはこれまでの恩恵はすっかり忘れて意地悪する。
象とカバに、クズのつるで編んだヒモを渡した後、引っ張れば宝物がついて来るぞ、と話す。
一つにつながっているヒモであることに気付かず、象は林で、カバは川水の中で、熱心に引っ張った。
しばらくした後、疲れきった象がのどが渇いて川沿いを訪ね、カバも水から出てきた。
ようやく騙されたことに気付いたが、ウサギは逃げてしまった後だった。
おもしろいのは、トーゴがドイツの植民地になる過程も、この寓話に似ているとの点だ。
1884年、チュニジアのドイツ領事・ナハティガル氏が「トーゴ」という小さな漁村を訪ねた。
トーゴ最大の部族であるエウェ族の言葉で「トー」は水であり、「ゴ」は川の堤防だ。
すなわち「川辺の村」との意味だ。ナハティガル氏は、
そこで村長のツエを持ち歩く臣下フラコとしばらくの間話を交わした。
文盲だったフラコは「トーゴ王ウンラファはドイツ皇帝陛下の保護を要請する」との文書に「X」と署名した。
これがトーゴをドイツ保護令に確定したという文書であり、翌年、アフリカ分割を公式化したベルリン会議で、
ドイツは既得権を認められる。村の名称だったトーゴが国名になった経緯だ。
悪知恵を働かせたら、結局ひどい目にあってしまうのが寓話だ。ドイツもやはり、トーゴに4の鉄路を敷き、
ベルリンまでつながる先端の通信センターを設けたが、第1次大戦のとき、英国とフランスに奪われてしまった。
だが、トーゴの寓話にはそうした勧善懲悪がない。図体の大きい動物をいじめたから、
その後の人生が苦しかったはずなのに、ウサギはもう一度悪知恵を働かせて皆を追い出し、
その豊かな地を独り占めする。
サッカーの2006・ワールドカップ大会(W杯)で韓国の最初の相手となるトーゴチームの行ないを見ていると、
この寓話の再版のように思えて気の毒だ。
善悪を区分することもなく「念仏よりは供え物」に関心がある選手や、
それだけ信頼感を与えられなかった政府、いずれも死ぬ思いでヒモを引っ張る象とカバのように思われる。
互いにウサギだと信じていながら、である。
あらゆる厳しい状況のなかでも不屈の闘魂を発揮した歴代の韓国代表チームが、新たに誇らしく思える。
褒賞金より10倍はさらに大きい負担を抱えて走らなければならない現在の代表チームも同様だ。
韓国チーム、ファイト!
李勳範(イ・フンボム)week&チーム長
ソース:中央日報
URLリンク(japanese.joins.com)
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