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医療法人山水会:ずさん会計繰り返す 宮城県が改善命令へ
宮城県蔵王町で介護老人保健施設などを運営する医療法人「山水会」がずさんな会計処理を繰り返しているとして、
県は近く医療法に基づく業務改善命令を出す方針を固めた。
是正されない場合、理事長ら役員の解任や業務停止に踏み切る。
施設に併設され、理事長が院長を兼ねる心療内科(今年2月末閉院)では昨年、向精神薬「リタリン」が大量に紛失していたことも判明し、県は施設運営の実態解明を急ぐ。【精神医療取材班】
山水会は国や県、町から計1億1780万円の補助金を受け、98年に老健施設「遠刈田温泉山水苑」(100床)を開設。
現在95人が入所している。99年には施設の一角に心療内科「蔵王松本クリニック」を開き、00年には認知症のグループホームも始めた。
施設関係者や県によると、理事長は施設の運営資金を無断で使い、高額な絵画や彫像を次々に購入するなどしたため、複数の施設職員が「運営がずさん」として県に調査や理事長の解任を要請。
これを受け、県医療整備課が今年1月と5月の2回、立ち入り検査を実施した。
その結果、法人から理事長らへの貸付金や立て替え金として計上された計6100万円が長期間返済されないままになっていたり、出資者に返還したはずの3000万円の出資金が5年間計上されていたりするなど、ずさんな会計管理が判明した。
先月末、理事長らを県庁に呼び事情を聴いたが、説明が不十分だとして改善命令に踏み切る。
一方、併設の心療内科では、厚生労働省の調査で昨年1年間に約22万錠ものリタリンが処方されていたことが判明した。
全国で3番目に多い処方量だったことから、県薬務課などが昨年11月~今年1月、4回にわたり立ち入り検査。
製薬会社から購入し、院内にあるはずのリタリンの粉薬3キロと錠剤約1500錠がなくなっていることが分かった。
理事長は「調剤ミスで廃棄処分にした」などと弁解したが、県は「薬品管理がずさん」として理事長に始末書を提出させた。
理事長は毎日新聞の取材に、「美術品はすべて自費で購入しており、私的流用など一切ない」と話している。
理事長(医師)は現在、隣町で医療業務を継続している。