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解糖系
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グルコースを分解して,ピルビン酸や乳酸を生成する代謝経路。
大腸菌からヒトまで多くの生物種に保存されている。
解糖系に関与する酵素は,哺乳動物ではすべて細胞質ゾルに局在する。
反応全体の収支は,
グルコース+2NAD++2ADP+2リン酸→2ピルビン+2NADH+H++2ATP+2H2O,
もしくは,グルコース+2ADP+2リン酸→2乳酸+2ATP+2H2O,となる。
解糖系は,酸素がまったくない状態でもATPを供給できる特徴をもち(嫌気的解糖),激しい運動時など酸素欠乏時の骨格筋(主として白筋)では必須となるほか,赤血球や神経細胞では唯一のエネルギー供給経路となっている。
好気的条件下にある多くの組織では,ピルビン酸からアセチル-CoAが生成し,解糖系はクエン酸回路へ基質を供給する経路としての役割を果たす。
解糖系の反応の大部分は可逆的であり,糖新生でも同じ酵素が逆方向の反応を触媒するが,ヘキソキナーゼ(グルコキナーゼ),ホスホフルクトキナーゼ,ピルビン酸キナーゼの反応は,生理的に不可逆であるため,糖新生では別の酵素が触媒する。
グルコース以外にフルクトース,ガラクトース,マンノースやグリセロールも解糖系に回収されて代謝される.
また,グルコース6-リン酸はグリコーゲン代謝やペントースリン酸回路などの分肢点となるとともに,ピルビン酸からはアラニンが生合成される。
(2005.10.25 掲載)