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>>190のダイジェスト
27歳のイギリス人ダニエル・タメットさんは数学と記憶の天才。
ナレーター「現在サヴァン症候群と認められる人は世界でわずか50人。
しかし、驚異的な才能を持ちながらも、障害はほとんど無く、思考が明確で経済的に自立しているダニエルさんのような例は他に有りません。」
タメット氏はインタビューアーが出す計算問題を暗算したり20桁の数字の記憶を楽々とこなす。
また、オックスフォードで円周率の暗唱を公開で行ない、2万2514桁の暗唱に成功している。
タメット氏は共感覚と呼ばれる2つ以上の知覚が同時に働く珍しい感覚を身に付けている。
彼の頭の中では数字は色や形、質感を伴い、長い数列は一つの風景に見えるらしい。
彼は実際に数字を計算するわけではなく、答えとなる数字が頭の中に色鮮やかな形となって見えて来るようだ。
脳の研究家のラマチャンドラン博士は、サヴァンのように人並みはずれた能力を身に付ける原因は脳の損傷だと考えているようだ。
ラマチャンドラン博士「一つの考え方として、脳の大半の部位が正常に働かなくなると、残されたごくわずかの部位にその人の意識が集中する。
実際にそのような臨床例もあります。例えば脳卒中を起こした後、突然芸術的な技術が向上したりね。」
タメット氏も4歳の時に激しいてんかんの発作を起こしている。
ナレーター(N)「ダニエルさんはまた、自閉症の一種、アスペルガー症候群で、子供の頃、つらい思いをしました。」
タメット(DT)「興奮すると、手をバタバタさせたり、指や唇を強く引っ張る癖があったんです。周りの子達にそれを真似されていじめられましたよ。
そんな時は、両耳に指を突っ込んでものすごい速さで倍数を計算していました。2、4、8、16、32、64とね。」
インタビューアー「数字が現実の世界から守ってくれた?」
DT「ええ、数字が友達でした。彼らは決して変わらないので信頼できたんです。」
N「一般的にサヴァン症候群の人は自閉症の症状が強く現れますが、ダニエルさんは違いました。それは、自分が大家族で育ったおかげだと信じています。」
T「9人兄弟だったので、両親はいつも忙しくしていました。それで、自分の事は自分でしなければと思ったのです。」
N「彼は今、パートナーのニールさんと共同で、ネットを使った教育ビジネスを展開しています。自分の名声を利用するつもりはありません。そこには、自閉症という壁が付きまといます。」
DT「人ごみの中を歩くのがつらく感じる時があります。音の刺激が強すぎる時は、両耳を押さえて遮断します。」
N「人ごみへの不安感から、ダニエルさんは家にこもりがちで、車の運転やショッピングはおろか、海岸に出掛ける事もありません。砂浜の砂を数えたくなるからです。
彼にはこんなこだわりを持ってしまう傾向も。毎朝オートミールを寸分の狂いも無く計らないと気が済まないのです。きっちり45グラム。それ以上でも以下でもだめ。」
イギリスではダニエルさんを紹介したドキュメンタリー番組、「ブレインマン」が制作された。その中で彼は1週間でアイスランド語をマスターし、アイスランドの生放送の番組に出演。アイスランド人も驚いている。
また、本を出版し、自身の経験を綴っている。
それ以外にも、自閉症の子供を持つ親たちに向けた講演活動等をし、彼らを勇気付けている。
DT「このインタビューが終わって、1時間もすれば、僕はきっとあなた(インタビューアー)の顔を忘れてしまうでしょう。次にお会いしても気が付かないかもしれません。
でも、あなたのポケットチーフやネクタイの柄とか、背広の袖にはボタンが4つ付いていた、というディテールは覚えているはずです。」
DT「円周率は世界で最も美しいものの一つです。僕は、本を書いたり出版する事で数字がもたらす喜びを少しでも皆さんと分かち合いたい。そしてこの思いが叶えば、ちょっとは社会の役に立ったと感じられる事でしょう。」
終