08/02/06 11:34:32 h53elV/f
新潮社 柳美里 作品
「山手線内回り」
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女は便器に腰をおろすと、タイトスカートを臍の上までまくりあげ、パンツをふとももまで
ずりおろした。緊張が内に籠っているようなおまんこを右手におさめ、右手の上に左手を重ね、
最初はそっと、徐々にこねるように、そしてなか指をクリトリスに押しつけて左右に強く―、
快感がせり出し、おまんこがじんわりと熱くなってくる。おまんこっていってみな、いわないと
ちんちんしゃぶらせてやんないよ、とかいうヤツがけっこういたけど、ザーッツ・オーライ!
何度だっていってやる。おまんこ、おまんこ、おまんこ、おまんこ、おまんこ、おまんこ、
おまんこ、おまんこ、おまんこおまんこおまんこおまんこおまんこおまんこおまんこおまんこ、
歯を立てて根もとから食い千切ってやる! ごっくん、ちんちんはのどちんこをするっと抜けて、
勃起したままのたうつように食道の奥へとすべり落ちて……おまんこ! フラッシュを焚いた
ようにぱっと飛び散った光が急速に萎えて真っ暗……かぶと虫の終齢幼虫の死骸みたいに
黒ずんでぶよぶよになったちんちんがフラッシュバックして……吸ってぇ、すぅ、吐いてぇ、
はぁ、吸ってぇ、すぅ、吐いてぇ、はぁ、痺れた脳に酸素が戻ってくる。
背中を丸めて股間を覗いてみると、おまんこはぐちょぐちょ。もっとからだが柔らかかったら、
擦り剥いて赤チンを塗った膝をふうふうやるみたいに、濡れたおまんこをふうふう乾かして
あげられるのに……女はゆらりと立ちあがった。センサーが作動して水が流れた。
ねばついている指をグーにして〈開〉の青ボタンをパぁンチ!
ホームにはカレーのにおいが立ちこめているし、パンツのなかにはおまんこのにおいが
立ちこめている。女はくっくっくっと声を出したが、別に笑ったわけじゃないんです、笑いなんて
とっくに底をついています、笑いが毎日湧き出していたのが嘘みたいです、かつて笑いが
あった場所にはどっしりと沈黙が腰をおろしています、くっくっくっくっ、体脂肪率35%の
中年女みたいにどっしり、くっくっくっくっ、ぜぇんぜんおかしくなぁい。
続きは本誌にてお楽しみ下さい。