07/04/14 17:40:45 H93BZ92/
「成長してはいけない」
この禁止令に縛られた心理状態は、一つは、自分が成長して自立していくことが
親への反逆のように感じられる場合です。もう一つの現れ方は、
大人になることがこわいという、いわゆるピーターパン・シンドロームです。
思春期から青年期には、一般に親の権威から離れて
仲間集団に忠誠を尽くすようになります。
ところが、この禁止令にとらわれた人は自分の力への自信がつくられないために
親の権威への服従が持続してしまうのです。
この禁止令が強い人は、子どものときには親の権威にしたがっているので
良い子どもであり、親子関係は大変順調です。自立が課題となる時期になって
初めて問題が出現します。したがって、思春期以降に問題が生じるのです
この禁止令はまた、恋愛や結婚を妨害することがあります。
恋愛や結婚は親以外の存在に愛情を向けることです。
このために、恋愛や結婚が親への裏切りのように感じられてしまうのです。
動物を見れば分かるように、親の役目とは、子どもの自立能力を育て
巣(家)から送り出してやることです。ところが、親は自立能力を育てることを
妨げてしまうことがあるのです。自立よりもむしろ、親は無意識に服従を
歓迎してしまう心理を持っているのです。
「言うことをきくこと」「素直であること」「強情を張らないこと」
などを求めるのは子どもに自立ではなく服従を求めていることです。
じっさい親の未熟な心は、子どもの無力さを歓迎してしまう危険があるのです。
それは、弱いものから依存されることが、親の自己存在感を満足させてくれるからです。
じっさい子どもは、本能的に親のこの心理を見抜いています。
だから大部分の子どもや青年は、家ではより幼い自分を演じているのです。
この禁止令にとらわれると、社会で出会ういろいろな問題を自分で解決し
困難を乗り越えていく自信と力がつきません。
このために、青年期になって困難を感じたり、破綻することになるのです。