07/01/21 14:23:24 0
かなり遅いがM1ネタで妄想でもしてみるか。
携帯電話の着信音が鳴り響く。
ゆっくりと電話を取れば、そこには見慣れた文字が並んでいた。
「もしもし」
安心させようと、いつも以上に明るい声を出そうと試みる。
せめて、声が震えだしたりだけはしないようにと。
「またアカンかったわ」
ハハ、と乾いた笑い声が耳に入った。誰の声だろう。俺か。
裏返っているわけでもなく、震えているわけでもなく。
ただただ、乾いている声だった。
「今年こそいかなアカンなーって思っとってんけどなぁ」
やっぱり難しいわ、と苦笑する。
普段に比べてやたらとよく喋る自分に気付いていたけれど、知らない振りをした。
黙ったら駄目だと思った。
沈黙が続けば、その静けさに負けてしまう。
泣いたらいけないのだと自分自身に言い聞かせて、無理に口を開き続けた。
何も聞こえてこない電話の向こうで、君はどんな顔をしているのだろう。
「 」
俺が息を吸った瞬間に聞こえた、小さな一言。
それは、俺の涙腺を刺激するには十分すぎるほどの言葉で。
思わず震えた俺の呼吸が、どうか君には伝わらないようにと。
口に手をやって、必死で声を殺して泣いた。
冷たい風が頬を撫でて、音もなく去っていった。
力不足。スマン。