07/11/27 02:10:19 Uo0UkL5m
>>223続き
千葉県の男性(40)は勤めていた出版関係の会社の忙しさなどから2年前、うつと診断され服用を始めた。1日3錠だったが、
1年後には20錠に増えた。医師法違反容疑で警視庁の家宅捜索を受けた「東京クリニック」(新宿区)などを掛け持ち受診した。
「時間にルーズになり、人間関係がぎくしゃくするようになった」という。
10月中旬に入院し、現在は睡眠薬のみを服用している。「二度とリタリンで間違いを犯したくない。今回の規制で処方が制限され、
ホッとしている」と語った。
竹村院長は「リタリン依存を治すには辛抱強さが必要。専門医による治療とその後のケアをしっかりやるべきだ」と話す。
◇薬物依存、医師の教育必要
リタリンの乱用が広がった背景には患者の求めに応じて安易に処方する医師の存在がある。国立精神・神経センター
(東京都小平市)によると、06年度、リタリンの乱用で全国の精神科病床を持つ医療施設に入・通院した15例のうち、11例が医師からの処方だった。
なぜ、ずさんな処方が繰り返されるのか。同センター薬物依存研究部の和田清部長は「医師に薬物依存についての知識がないからでは」と指摘。
薬物依存について教えている医学部はほとんどないといい「医師の質を高めるには全国の大学にきちんとした薬物依存のカリキュラムを
つくることが必須だ」と提言する。
うつ病は「心のかぜ」という考え方が広がり、精神科の「敷居」が低くなった。一方で、薬で簡単に治療できると考える医師や患者が増えた、
との指摘も出ている。
東京女子医大精神医学教室の石郷岡純・主任教授は「うつ病は2、3カ月かけてじっくり治療する必要があることを見失った医者が多い。
患者も一日も早くうつ病の苦しみから解放されたいため、すぐ効くリタリンを出す医師をありがたく思うはずだ」と話す。その上で
「リタリンは難治性うつ病の治療では最後の選択肢としてありうる薬だった。しかし最後に使うべき薬を最初に使う治療が後を絶たず、
問題が拡大した」と指摘する。
石郷岡教授によると、薬の安全で効果的な使い方や副作用など「臨床薬理学」を教える大学は一部に限られているという。
「安易に処方する医師をなくすためにも、臨床薬理学の教育を充実させる必要がある」と話す。