07/07/18 01:10:21 3uZyRyxU
若者に広がるリストカットを撮り続けてきた写真家、岡田敦さん(27)が写真集「I am」を出版した。
「何か特殊な人たちの写真と思わないで。テーマの入り口は自傷でも、僕が撮りたかったのは生きる
ことそのものだから」と岡田さんは語る。
写真集に登場するのは高校生から20代前半までの約50人。ネットを通して自傷経験者ら約100人から
応募があった。「私は14歳。リストカット、社会不安、アルコール、薬物依存、不登校……。私は壊れた人形」。
誰もが撮られることで変わろうとしているように見えた。
多くの子が自傷を親や周囲に打ち明けられずにいた。撮影後、「隠してきた傷跡を光に触れさせて
あげられてうれしい」「生きるための一歩になった」などのメールも届いたという。
岡田さんと自傷との出合いは大学時代。友だちの自傷を身近なテーマとして自然と撮り始めた。02年には
生気のない子どもの表情をテーマにした作品「Platibe」で第4回富士フォトサロン新人賞を受賞、評価を得た。
しかし翌03年、自傷がテーマの写真集「Cord」を発表すると周囲の反応は一変。「イメージが悪くなる」と
写真展開催やカメラ雑誌への掲載も断られた。
岡田さんは「外国の戦争の生々しい写真には関心を寄せるのに、なぜ若者の現実から目を背けるのか。
勇気と覚悟を持ってモデルになった若者の思いを黙殺しないで」と語る。
写真集の最初には自傷経験のある妊婦を、最後には自傷跡だらけの腕の女性と固く手を結ぶ男性の写真を
配した。表紙には、本を手に取る人の顔を映す鏡のような紙。「自傷者とあなたの顔とはそんなに違いますか。
僕もあなたも彼ら彼女らも、同じように生きている」。そんな岡田さんの思いが込められている。
孤独や不安などをやりすごすための「リストカット」などの自傷行為は10~20代を中心に広がっている。
調査では、ある私立女子高2年生126人の14・3%、別の公立中学校2、3年では女子238人の9・3%、
男子239人の8・0%にそれぞれ刃物での自傷経験があった。(一部略)
URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)