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▼:抑うつ神経症(加藤正明/編:新版精神医学事典:P794,弘文堂,1993より改編・一部割愛)
軽症のうつ状態を原因で内因性、心因性に正しく鑑別する事はかなり困難である。うつ状態は抑うつ、
悲哀、不安感情、外界への興味の喪失、制止症状の他、罪業巻や自殺念慮等の精神症状の他に、不眠
、食欲低下、性欲低下、知覚過敏等の身体症状があり、日内変動が見られる事が多い。抑うつ神経症の
特徴はまずこれらの症状が内因性うつ病よりも軽い傾向にある。
次に、不安症状が強く、ストレスと関連して症状の動揺・変化が見られる。更に、対象喪失、即ち愛する
両親、配偶者、子供、恋人等との別離、それまで心の支えになっていた地位、職場、住居からの移動、更
には、社会変動に伴う人生観等の動揺等が発病や経過に影響を与えている事が認められている事等で
ある。しばしば、対象への貪欲なしがみ付きと強い空虚感が見られる。
また、人格障害を伴う事が多い。境界性人格障害(境界型情緒不安定性人格障害)や依存性人格障害
と近縁関係が考えられる。