07/06/23 01:03:09 YqSyf4W1
>>644
やあ。 その後仕事の調子はどうだ？ 上手くやれてるか？
まあ、お前の事だ、きっと自分の体調考えて上手くやってるだろうよ。
そうなんだ。やっかいな患者が来てしまったのだ。
シンナー中毒患者と言うと苦い思い出があるんだよ。
俺の若い頃の患者なんだが、まあ聞けよ。
その青年は幼い頃からシンナーに溺れていて、
高校の時点ですでに生きる屍状態だったんだ。
名前を呼んでも「たけし君？（仮名）」と言っても「僕はひろしだよ」と言い、
次の日、「ひろし君？」と呼んでも「僕はこうじだよ」と言った具合に
毎日名前が違うんだよ。
施設内ではおしめ着用なんだが、そこら中汚しまくる次第だ。
家に帰っても、死んでる目でごはんをぼそぼそ食べて、
食事が終わるとビニール袋にシンナー入れて吸ってる。
そんな生活が何年も続いて、いい加減両親共々疲れ果てたんだよ。
そしてある日、シンナー吸ってる息子の後ろ姿を見て、
「この子はもう生きるべきじゃない」と思ったらしいんだよ。
そしてどうしたと思う？
父親が包丁を持ってきて、息子の背中をブスリと刺して殺してしまったんだよ。
すぐに父親は警察に電話したんだが、その後の処理が大変だったんだよ。
当然殺人事件なので綿密な調査が必要になる訳だが、
俺の施設の職員全員で、父親の精神状態や今までの経緯を説明して、
何とか減刑出来るように、毎日裁判所とかに行ったんだよ。
結果、俺達の状況説明を考慮してくれて、その父親は３年の実刑になった。
どうだ？
これも文章にすると、そんなもんか、と思われそうだが、
俺が初めて事件を聞いて号泣したのがこの事件だ。
色々な患者がいるだろ？
今のシンナー中毒患者も何とか社会復帰してくれたら良いんだがなあ。
事件思い出して泣けてきたよ・・・。。。