07/04/14 05:46:08
既出かもしれんが・・・
Aさんという女性が事故に遭い、植物状態に陥った。
植物状態と言っても点滴もするし下の世話もする。
臓器も悪い為30分~1時間ごとに人工透析も行わなければならない。
植物状態なので意識は無く、病状が進むのも遅かった。
明日死ぬかもしれないが、10年後も生きているかもしれない。そんな状態が続いた。
Aさんは事故前ごく普通の、ありふれた主婦だった。
愛し合った夫も小さい子供もいたが、見舞いにくるのは専らAさんの母親であった。
「Aの夫も、その子供達も、もうあんまりAには興味無いみたい。
そりゃそうです、話しかけてもビクともしないし、
手を握っても反応は薄いですからね。
気持ちが離れていっても仕方ないかもしれない」
私は尋ねた。ではあなたは何故それでもAさんを見舞い看病するのかと。
「だって先生、Aは私が産んだ子ですよ。
Aはただ、赤ちゃんに戻ってしまっただけなんです。
私にとって今のAは、
存在するだけで幸福だった、あの頃に戻ってしまっただけなんですよ」
Aさんの母親はそう言って涙を流した。
私は果たして、恋人がAさんのようになった時、こんなことが言えるだろうか。
見返りを求めない無償の愛。
それに比べ、男女間の愛の、なんと薄っぺらいことか。
純愛や性愛も良い。しかし、もっと考えるべき事があるのではないだろうか。