07/11/08 07:51:10 caduqLEn
これは講演の後の話ですが、イギリスの田舎を
ご夫婦でのんびり回る計画だったI先生、
ずっと黒服がついてくるのに閉口したそうです。
「やめてくれ」と言っても「日本の子爵に万が一のことがあったら英国の恥、
ひいては英王家の恥」と絶対離れない。
おまけに行く先々で村長だ議員だに会食を申し込まれ、
土産物屋に行ってもパブに行っても店に飾るから一緒に写真をとってくれだの
ぜひ記念の品をいただきたいだので、とてものんびりする雰囲気ではない。
何より困ったのが、宿の部屋を勝手に最高級のものに変えられてしまうこと。
当初の予定の5倍近くの出費となってしまい、日本に帰ってから大変だった、
とおっしゃっておられました。
さて話を戻して、
I先生の講演は英海軍の将校クラブだかの依頼だったので
会場も海軍の将校専用の建物だったのですが、その玄関ホールに入ってすぐのところに
英海軍の栄光の歴史を彩る品々が展示されていたそうです。
最初にあったのが古ぼけた二角帽で、聞けばかのネルソン提督の遺品とのこと。
しかし二番目に並んでいるのが日本刀で、不思議に思ったI先生が尋ねると、
(軍刀だったかもしれません。ちょっと記憶が曖昧)
「これはアドミラル・トーゴーから我がロイヤル・ネイビーに贈られた刀です」とのこと。
「英海軍ゆかりの品々の中に日本の提督のものがあるとは少し不思議ですね。
しかもあのネルソン提督の隣とは」
とI先生が漏らすと、案内係の人(この人も将校)は実に不思議そうな顔をして
「偉大なアドミラル・トーゴーから刀を贈られたのは我がロイヤル・ネイビーの誇りです。
そしてその品を収めるべき場所は我がロイヤル・ネイビーの誇る
偉大なアドミラル・ネルソンの隣以外にはありえません」
てなことを言われたそうで、I先生は東郷平八郎はイギリスでも有名なのか、と驚いたそうです。
しかしすぐに英海軍の東郷への敬意がそんな生易しいものではないことを思い知らされるのですが。