07/11/10 21:33:25 y/xpYpqU
俺が住んでいた町に廃墟があった。2階建てのアパートみたいな建物で、壁がコンクリートでできていた。
ガラスがほとんど割れていて、壁も汚れてボロボロだったから、地元の人間でも、あまりこの場所に近づくことはなかったらしい。
ある日俺は、友人と肝試しをすることになって、この廃墟に行くことにした。
まだ昼ぐらいだったから、建物の2階まで上がって建物を探索した。
そしたら並んでいる扉のひとつに、文字が書いてあるものがあった。
友人と近づいて確認してみると、扉の前に
「わたしは このさきの へやに いるよ」と書いてあった。
俺と友人は扉を開けて中に入り、先に進むことにした。
歩いて行くと分かれ道に突き当たって 、壁に
「わたしは ひだり に いるよ」と書いてあった。
少し怖くなったけれど、俺と友人はそのまま左に進むことにした。
すると両側に部屋があるところに突き当たって、壁に
「あたまは ひだり からだは みぎ」と書いてあった。
友人はこれを見た瞬間に、半狂乱になって逃げだした。
でも俺はその場所にとどまって、勇気を出して右の部屋に行くことにした。
部屋に入り進んでいくと、突き当たりの壁に
「わたしの からだは このしたにいるよ」と書いてあった。
下を見ると「ひだりの へやから わたしの あたまが きてるよ うしろ みないでね」
後ろを見ると女の子の生首が床をはいずりながら近づいてきた
俺は恐怖で腰が抜け動くことができず、生首はどんどん近づいてくる
その時
「動くな!!!」
颯爽と謎の人物が私の前に躍り出た。
「目をそらすなよ」そういうとその人は何やらお経・・・もしくは呪文のようなものを唱え、
最後に「破ぁ!!」と叫んだ。
すると生首は粉々になって消滅した。私は恐怖におののきながらもその砕けた様子が硝子細工のように感じられ、
子供心ながらにどきどきしたのであった。
「危なかったな・・・まさかこんなところに隠れていたとはな」
その人は自分のことをTと名乗り、寺育ちのせいで嫌々ながらもこのようなお払いじみたことをしているのだいう。
寺生まれってスゴイ、そう思った。