07/10/27 23:09:41 TnxzCn3m
もう7-~8年ほど昔になるだろうか…都内のある高校に、周囲の誰もがうらやむほど仲睦まじい女子生徒の二人組がいた―仮に一人を由美、もう一人を優子としよう。
ある日、普段から病弱だった由美が心臓の病で入院することとなった。
母親の懸命な看護の甲斐も虚しく、彼女の寿命は尽きようとしていた。
そんなある日、親友の優子が由美の病床を見舞った。すでに自らの死を悟っていた由美は弱弱しい仕草で、見舞いに訪れた優子の手を握り、こう尋ねたという…
「ねえ、優子。これからもずっと友達でいてくれる?」
優子はためらうことなく応えを返す。
「当たり前でしょ! だから早くよくなるのよ!」
「ありがとう。 約束だからね…」
最愛の友の快諾を得た由美は、やがて安堵の笑みを浮かべその日は眠りについた。
数週間後、由美は家族に見守られ静かに息を引き取る。
その葬儀はしめやかに執り行われ、ひとしきり涙に暮れた優子も無論葬儀に参列した。
そこで優子は、由美の母親から彼女が病床で自分宛にしたためた一通の手紙を受け取る。
かけがえの無い親友が、最期の最期に自分へ託した手紙……優子は激しい感動を覚えつつ、葬儀からの帰路、その封を切り手紙に目を通そうとする―かなりのスピードで背後から迫る一台のトラックに気づかずに…
手紙に注意を奪われていた彼女は不運にもトラックにはねられ、親友の後を追う様に帰らぬ人となってしまった。
事故現場を検証した警察官は、遺体の手に握り締められた一通の手紙を発見したという。
ただ一言、短くしたためられていた手紙を…
― ねえ優子、早く来て! ―