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>>363
【8.2. ゲームバランスとは何か】
とはいっても、対戦格闘ゲームで明らかに相性の悪い相手と戦って、手も足も出ずに終わ
るのはいかにもつまらない。普通、「ゲームバランスが悪い」というのはこういうことだ。
ゲームバランスが悪いゲームは面白くない。しかしゲームバランスとは勝率の事ではない。
ではゲームバランスとは何のことだろうか。
ゲームとは勝ちを目指すものである。だから、ゲームをする以上プレイヤーは等しく勝ちを
目指せるものでなくてはならない。これがゲームバランスである。「等しく勝ちを目指せる」
と「等しく勝てる」というのは同義ではない。結果ではなく過程が重要なのである。
対戦格闘ゲームの相性の問題では、「負ける」のが悪いのではなく「手も足も出ない」のが
問題なのである。つまり、最初から勝ちを目指そうにもどうやっても勝てない状況にあること
だ。あるいは最初からガードを固めて返し技を狙いにいくしかない状況だったり、相手のジャ
ンプに反応して対空技を出すしかない状況だったりする。このように、勝つために取れる戦略
が限られてしまう事が問題である。この場合、弱い側だけではなく強い側もゲームとしては
あまり面白くない。ワンパターンで勝ててしまい、考える楽しみがなくなってしまうからである。
ゲームバランスが悪い状態というのは、あるプレイヤーにとって必勝手順が見えてしまって
いて、相手プレイヤーがどうしてもそれを破れないという状態のことだ。これは結果(勝敗)と
は関係がない。必勝手順とは「この手が他のどの手よりも良い」という手順のことで、それは
勝つための手かもしれないし、絶望的な戦いの中でのせめてもの抵抗かもしれない。もしあ
るプレイヤーにとって「ガードを固めて反撃を狙う」以外に勝てる気がしなかったとしたら、そ
れはいかに確率が低いものであろうと「必勝手順」である。
ゲームは勝つために考えるものであるから、その手順がわかってしまったらもうゲームをや
る意味はないわけだ。「ゲームバランスが悪い」というのはそういう状態のことだ。