07/09/07 11:16:18 dRx4dmXo
倉本聰のエッセイ集である。
記憶がおぼろげなのだが、1970年代の終わり頃から1980年代の初頭、
たしか「諸君!」という雑誌の誌上に掲載されていた…と思う。
だから、そこに書かれている事は少なくとも 20数年以上前のテレビ界の話である。
石坂浩二の若かりし頃の話や、石原プロの話など 裏話として面白い物に混じって
富良野に移住して間もなくの 東京人が見た北海道の話には 道産子としての視点しか
持ち合わせていなかった私には とても斬新で「なるほどなぁ…」と唸る事が しばしばである。
この本を読んで間もない頃、ある新聞社が主催の倉本聰氏の講演会を拝聴にいく機会を得た。
正味2時間 氏の話す 北海道観は エッセイで触れた以上に 非常にユニ-クで勉強になった。
それまでの時点で 倉本ドラマのファンを自認していた私だが、完全に倉本フリ-クと化したのは
この本と、それがキッカケで出かけた講演会が原点だ。
そんな話の中で、ひとつだけ 特に感銘を受けたエピソ-ドを述べておく。
大型台風が日本に接近すると テレビやラジオは躍起となって警戒や注意を呼びかける放送をする。
で、四国や東海地方に上陸すると 暴風雨の様や被害を 緊迫感たっぷりに放送する。
で、台風が首都圏を抜けると 妙に朗らかな表情をしたキャスタ-やレポ-タ-が
「大型台風は 東の空に去り、ご覧下さい 今日の東京は台風一過の日本晴れです」
と楽しそうに報じる。