07/09/23 11:52:36 35ejRIad
メアリーは幼い頃に天然痘を患い、一命は取り留めたが顔に痘痕が残ってしまった。
「この顔では結婚は諦めるしかない」と思ったメアリーは、ある邸宅に身を寄せ
メイドとして一生奉公する決心をして、毎日勤勉に働いていた。
ある日、邸の主人がメアリーを呼びつけて言った。
「メアリー、実は昨日訪問した伯爵様が“メアリーに大事な話がある。
彼女のような女性を何年も探していたので、ぜひ会ってほしい”と仰った。
聞けば伯爵様は奥様を亡くされ、今は小さな娘さんと二人暮しだという。
どうだメアリー、悪くない話だと思わんかね?」
「でも御主人様、私はこんな顔ですし、お化粧の仕方も知りませんし…」
「それには及ばん。伯爵様は“素顔のままのメアリーに会いたい”と御所望だ」
次の日メアリーは、精一杯の正装をして伯爵邸に赴いた。
伯爵は、真剣な眼差しでメアリーを見つめた。
そして幼い娘にこう告げた。
「…いいか?種痘を受けないと、ああいう顔になってしまうんだよ」