07/03/27 21:30:29
平日のある晴れた日、暗くしめきった部屋にひとりの男がいた。
普通の人が働いている時間帯に動物虐待のコピペを
薄笑いを浮かべながら貼り付けているひとりの男。
漆黒の闇よりもなお暗い情念がにじみ出し、近寄りがたいオーラをまとっている。
彼の朝は2ちゃんねるで始まる。
もちろんそんな彼にレスはない。部屋を訪れる人もなく、話しあう友達もいない。
「スルーしろ」、書き込む彼の言葉にレスはつかない。
ところが、そんな彼に基地認定状がきたのだ。やっと来た反応。
男の口元に会心の笑みが浮かぶ。男はただうれしかった。
「スルーしろ」と自分が書いたことなど、もう男の頭にはもうなかった。
基地認定をそのまま、自らのコテハンにすることにした。
罵声であろうが何であろうが、久しぶりに得た他人からの反応だった。ただうれしかったのだ。
男は楽しそうに新たなレスを書き込む。そして、ときおり不気味な笑い声をあげる。
掲示板に書き込みをすることで、社会につながっているかのような錯覚をもてるのだろう。
そしてまたレスのない日々続く。
その長さに耐えきれなくなり、男はコテハンをはずした。
ゴミで埋め尽くされた部屋にはカビの生えたパンが埋もれていて、
敷きっぱなしの布団の裏側にもカビが生えている。
漂う腐臭の中、今日も男はここで眠る。
覗き込んでみると、男の頭皮も黴びていた。