07/11/01 00:11:57 Yn+YmI5H0
>>738
過払い裁判を起こした段階で、期限の利益喪失条項に基づく錯誤によってみなし弁済が
成立しないことを原告が認識していたとは必ずしも言えないでしょう。
みなし弁済の主張は被告の抗弁事実ですから、訴状段階では確認できません。また、被告
がみなしを主張した場合にも「みなし弁済の成立を立証せよ」という準備書面であればやはり
この問題を原告が認識していたことを確認できません。
ですから、全ての案件について一律、過払い請求後の完済が非債弁済にあたるのかといえば
(原理的に)そうはいえない、というべきではないでしょうか。
他の裁判の審理内容を当該裁判に持ち込むのは原告や被告のすることで、裁判官の仕事ではありません。
その意味ではある業者への請求や裁判が、他業者との裁判に直接影響するとは考えられません。あくまで
当事者の立証を経由してのみ影響するのですから。そうでなければ業者に対して「あなたの会社はこの前の
裁判ではこんなこと言っていたじゃないか」という裁判官の判断が証拠能力を持つことになります。
実際には「いつもごねていないで早期の和解に応じなさい」のような働きかけはあるようですが。
判決文に「私が以前担当した裁判では~だったので、原告の行為は~である」のようなことは書けないでしょう。
特定業者に過払い請求をして、なおかつ過払い分の返済をすべきでないのは、裁判の過程で期限の利益
喪失条項による錯誤の有無が直接問われる可能性が出てくるからです。被告が原告による過払い請求と返済
という二つの行為をどちらも事実として証明できますから。もっとも因果関係を立証できるかは別問題なので
部分的なみなしの成立も微妙ですが、争点を増やさないためにも「同一業者内ではやめたほうがいい」と
書いたわけです。