07/11/08 10:11:03 OhVjzMBO0
>>350
思うのだけども、そうした奴隷道徳は遥か昔からあったものでは?
身分に格差のあった時代では、なおさらだったと思う。
「人間はみな平等」と言うのは、実は歴史的に見てもまだとても新しい考え方なんだ。
それまでは、数千年に渡って人間は生まれながらに身分の格差があり、
例えば高い身分の者が低い身分の者を傷つけても、平等な裁きは無かった。
つい最近までも、南アフリカではアパルトヘイトによる「政策としての差別」が続いていたしね。
現代であっても、容姿・健康・能力・家庭といった具合に、人間はそもそも平等に生まれて来られない生き物。
富める者もあれば貧する者もある。自分がそのどちらに産まれさせられるか分からない。貧しいところに産まれれば不平等。
そもそも「人間はみな平等」という考え方自体が空想の産物だ。
けど、今の人たちはそれが理想ではなく当然の事だと思っている。
宅間もそう思っていたからこそ、自身に向けられた社会の不平等さに眉根をひそめたのだと思う。
宅間は恐らく、そもそもが空想の産物に過ぎない「人間みな平等」という理想論が、
何者かの手によって邪魔されているがために実現され得ないのだと思っていたんだろう。
けれども理想の実現を邪魔していた人は、実は誰もいなかった。
なぜなら、はじめから実現不可能な理想の姿なのだから、邪魔しようがない。
人間社会の平等さというのは、それを目指す努力は可能だけど、実現をすることは不可能なんだ。
宅間に肩入れするつもりは毛頭ないけどあのオッサンは、
格差社会が当然の事として民衆に受け入れられていた古い時代に生まれていれば、
もっと上手く人生を生きられたと思う。
現代の薄っぺらな理想論に踊らされた哀れな男だった。