06/09/28 23:12:41 PfpvS/qe
次に我に返ったときはパトカーの中でした。
赤いサイレンの光と音が怖かった。でもその日一番怖かったのは、警察署の中でおまわりさんに
「君の背中を舐めたのはこの人かい?」
と聞かれた時だ。
私が言うの?この人ですって言うの?
仕返しされたらどうするの?
私おじさんに嘘ついたのに。
私が言わなきゃいけないの?
大人はなんて無神経なんだろうと、その時に私は理解しました。
結局、声も出ず、身体が震えて涙の止まらない私は、首を縦に振ることしか出来ませんでした。
後日、そのおじさんは前科持ちで、当時問題になっていた痴漢行為の犯人であったことがわかりました。
私よりひどい目にあった人が、同じ地域で3人はいたようです。
おまわりさんに、「よく機転が利いたね。君のおかげで犯人を捕まえられたんだよ。ありがとう。」
と言われましたが、それがなんだというのでしょう。
私の10歳の夏休みは、それで終わりです。
他に何があったのか。どうして過ごしたのか。他の記憶は全くありません。
ただ、あのおじさんを見ることはそれ以後一度もありませんでした。
今も幼女を狙った性犯罪が絶えることはありません。
性犯罪のニュースを見るたびに、いまだに私はどこかが痛むような気がします。
この世から、こういう事件がなくなる日が来ればいいなと心から思います。