05/01/05 10:41:40 7tG0mlR4
私が子供の頃、とても好きだった親戚のおじいさんがいて、その人も私を可愛がってくれました。
ある日、おじいさんが私あてのプレゼントとして自転車を買ってくれました。
以前から欲しくてたまらなかったもので、親におねだりしても買ってくれなかったものなので
大喜びしました。
すると親同士が何か話しながら笑っています。内容は子供心にもとても嫌なものでした。
実は、そのおじいさんは大変な資産家なのだそうです。同時に大変に吝嗇な人でもあり
周辺のゴミを漁って、使えるものは持って帰っているとのことでした。
で、父母が笑っていたのは、プレゼントの自転車も実は拾ってきたものじゃないか、と…。
上の姉二人は、自分にはプレゼントがなかったので、
「うわー、ゴミ自転車もらってる。きったなあい!」と嫉妬のせいではやし立てます。
母は私に「それ、ゴミかもしれないけどいい?」と笑って言います。
それを聞いてとても傷つき、そして不快に思いました。
その後、かなりしておじいさんが家に来たことがあり、私に
「自転車どうだった? あれでよかった?」と聞いてくれたのですが
私はおじいさんの顔を見て、無視して別の部屋に行きました。
おじいさんは、びっくりしたような悲しいような、妙は顔をしていた記憶があります。
その後もおじいさんに会うたび、逃げ回っていた記憶があります。
でも別におじいさんが嫌いになったわけじゃなくて、父母や兄弟に笑われたことで
何か恥ずかしいことを自分がしているような、嫌な気分を抱えていただけなのです。
結局自転車はそれほど使いませんでした。汚いような気がしたので。
しばらくしておじいさんは亡くなりましたが、淋しくひとりで死んだそうです。
どうしてあの時、ありがとうっていえなかったのだろう。
届いた自転車は最新のもので、拾ってこれたはずがなかったのに。
もし拾ってきたとしても、ピカピカで全然汚くなんかなかったのに。
いまだに後悔しています。
ああやって人を笑いものにするウチの父母の神経がわからないし、
それを真に受けて、おじいさんを傷つけた自分の神経もわからない。
正月になると思い出す、嫌な記憶です。