05/01/29 20:27:42 9T4PFXxb
高校3年だった俺は自分の志望大学に入りたいがために猛勉強した。
そして、その大学の受験日には二浪した2つ年上の地元の先輩と一緒に行くことになった。
俺の地元から、東京にあるその大学に試験時間までに到着するには地元の駅から始発に乗らなくては
間に合わなかった。地元の金持ちの試験を受ける連中は試験会場近くに前日からホテルを取っていた。
俺と先輩は乗り遅れないように必死だった。
なぜなら、電車の中でも勉強していて乗り換え駅を見落とす可能性があるからだ。
一本乗り遅れるとアウトだったからだ。
電車を乗り継いで、最後の乗り換えの時だった。
走って階段を渡って、次に乗る電車のホームに向かっていると途中に倒れているお婆さんがいた。
俺は助け起こしたかったが試験に遅れたくなかったので無視して走っていったが、
先輩はそのお婆さんを助け起こしていた。その間、俺は次の電車に乗り込んでいた。
お婆さんの無事を確認した先輩は大急ぎで走って、次の電車に乗り込もうとしたが
ホームの人込みに揉まれて、動けなくなっていた。
先輩は俺の方を見て「悲しいけど、これも受験戦争なのよね」と言い、俺に手を振った。
そして、電車は走り出した。