05/10/21 07:13:25 ViKVNtWb
僕が入院してどれくらいだったか…、初めて彼女が見舞に来た。花束もって。
当時僕は貧血がひどくて体を起こすのもしんどかったが、
彼女を抱きしめたくて、無理矢理体を起こし、彼女を抱きしめた。
「ごめんね…」謝る彼女。「僕のほうこそつらい思いさせてごめんな…」
二人泣きながらKissを交わし、
もう一度彼女を抱きしめた……とき、
すぅ~っと体の力が抜け、僕はそのまま意識を失ってしまったんだ。
「ちょっと、ねぇ!やだ!!
目覚ましてよぉ!!!誰か!誰か!!直ぐ来て!!!」
彼女の声だけが聞こえていた……。
僕は3日間眠ったままだった。目が覚めてまず、必死に彼女を探した。でも、いなかった。
ふと床頭台の上の花瓶の花に目がいった。彼女が持って来てくれた花……。
看護婦が来て
「お花、気付かれました?あのあと、彼女さんが私に言ったんです。
『花をできるだけ長持ちさせてください! あの人の 意識が戻った時、見て気付いてほしいから!!夢じゃないよってわかってほしいから』
って。私なんだか胸が熱くなってしまって。花を長持ちさせる方法も彼女さんから教えてもらったのよ。本当に優しい、いい彼女さんね。」
僕は熱いものがこみあげてきて目からポロポロと流れ落ちてきた。看護婦は僕の手を優しく握り、
「彼女さんのためにも、頑張りましょうね」
と言って病室を出ていった……。