06/02/16 23:01:57 N0OvaRhc
>614 さん
御心配なことだと思います。お友だちが入院なさったということは
喀痰の中などに結核菌が比較的多く検出された、ということになりますので
密な接触(同居など)をした方に、感染している可能性がゼロではありません。
特に、はげしい咳をしていて、その咳の期間が長ければ長いほど、感染の
可能性が高いと考えられています。
ただ、ここからがお互いに(患者さんにも周りの方にも)悩ましいところなのですが
結核菌の感染は、他の感染症たとえば麻疹・風疹やインフルエンザなどと異なり
(1)感染を受けてから、それを(無症状であっても)診断したり、あるいは症状が
出てくるまで、かなり日数がかかる。10日や20日ではなく数ヶ月ぐらいかかる。
(2)あるひとが感染を受けたか、受けていないかを症状やレントゲン変化が出る
以前に確実に診断する方法が、まだ一般的に普及していない。
という特徴があります。
このため、多くの場合、ながいこと心配することになってしまいます。
いままで知られている統計的事実に照らせば確率的に考えて、おおむね御心配は
しばらくのちに解消されるはずです。しかし、早めにその御心配を解消する方法も
なく、繰り返しますがそこがこの感染症の非常に悩ましいところです。
なお、どうしても心配だとか、絶対に発病しては困る場合、免疫抑制をしていたり
免疫不全症などの場合は、ことが明らかになる前に予防内服(発病予防)をする
選択もあると思います。感染を受ける受けないを左右することはできませんが、
少なくとも発病のリスクを半分程度に減少させることはできると考えられています。
現実的にはお近くの病院で予防内服の適応を決めたり指導を行った経験のある
先生は少ないと思いますので(もともとが発生の少ない感染症でもありますから)、
おそらく御友人の入院なさっているところで相談されるのが一番いいのではないか
と考えます。