04/10/01 20:26:40 vlHKYyQ8
>>874 「だからドロシー帰っておいで」牧野修著
夫から蔑ろにされているドン臭い主婦・伸江はある日、同居中のボケた姑から
赤いハイヒールを贈られ、「困ったことがあったらオズさんをたずねなさい」と言われる。
そしてハイヒールを履いて出かけた先でひょんなことから異世界に迷い込み大冒険が始まる。
襲ってくる敵を撃退したり逃げたりしながら元の世界へ帰るため
「オズさん」に逢いに行く旅を続ける。これは伸江の視点で語られる物語。
もう一つの視点で異世界の冒険と平行して、ドロシーと名乗るガイキチ風味の女による
殺人行脚が繰り広げられる。ターゲットはもっぱら女をいじめる男たち。
ドロシーに息子を殺されたおっさんが復讐のために仲間とともに追跡するが返り討ちにされる。
おっさん命からがら逃げる。
やがて妄想と現実の境は崩れ始め、伸江は異世界で救世主となり現実世界へ帰還。
やっとこさ家に帰ったおっさんは「ドロシーが帰ってきた」と
電波を受信してしまった自分の妻に殺される。
同じころ日本全国でドロシーの帰還を祝った女たちによる男殺害祭りが勃発。
そして当の伸江は…
赤いハイヒールを履いて出奔、数日の後に帰宅したが完全な痴呆状態になっていた。
夫は世間体が悪いので姑ともども座敷に軟禁し、苛立ちから大酒飲んでは虐待をくわえる。
そこへ例のドロシーが現れ夫をあぼーん。ドロシーも異世界の冒険も伸江が生み出したもの、
抑圧された女たちの妄想だった。復讐を遂げた女たちによる新しい世界が始まる予感がした。