04/01/08 14:40 tQ+YVI8/
彼女は玄関にあった細長い袋を取り上げ、そこからするすると日本刀を出しました。
知人さらに低音でゆっくりと、
「ぜひ、その時の様子を聞かせてもらおうじゃないの」
セ「あの、あの、すいません、ちょっと私勘違いしてて」
知「あ?眠たいこと言ってんじゃないよ」
一歩踏み出しました。
セールスは「あの、失礼シます」(「シ」のところ声が裏返ってた)と
顔面蒼白になってヒール鳴らして走り去って行きました。
彼女は振り向いてニッコリ笑い、
絶句していた私に「逃げちゃったわねえ」と言いました。
彼女、実は「剣舞」を習っているとのことでした。刀は模擬刀で人は切れないとか。
あの口調はどこから…?と聞いたら「小説よ、小説」と。
普段は礼儀正しく、ほんわかとした奥さんなのでビックリしました。
どうして私に「一緒に来て」と言ったのかと尋ねたところ、
「ウケるかと思って」とのことでした。
A太くんは息子さんの仲良しで、名前を出されたとたんに怒りが沸いてきて、
懲らしめてやろうと思いついたそうです。
「こんなことしたのは初めてだけど、あんまり後味よくないわね」とおっしゃってました。
以前その手のセールスにしつこくされ、捨て科白を吐かれたことがあったので、
私は大変スーっとしました。