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しかも、河野大臣が罪深いのは、若者に啓発をおこなう口実のひとつに“ワクチンをめぐるデマ対策”を掲げていたものの、じつは河野大臣自身がデマを流していた、ということだ。
前述した400万回以上も再生されているはじめしゃちょーとのコラボ動画のなかで、河野大臣はこんなことを口にしている。
「いろんな国の様子を見てると、たぶん発症しないとか重症化しないだけじゃなくて、ワクチンを打ったらたぶん感染しないっていうことも言えるんだと。だんだん、いろんな研究を見ると、感染しないって言えるんじゃない?ってところまで来てるんで」
「そうすると、まず自分がかからないし、自分がその、症状が出なくてもかかってると人にうつしちゃいますよね。だけど、自分がかからなくなると、そういうことで人に感染すこともないんで、周りの人も守るってことになるから、そこはぜひ、若い人にも打ってもらいたいと思ってます」
ご存知のとおり、すでに国内外で「ブレイクスルー感染」が問題となっているように、ワクチンを打ったからといってコロナに感染しないわけではない。厚労省も、ファイザーおよびモデルナワクチンの説明書においてワクチンの有効性を〈発症を予防します〉と説明してはしても〈感染を完全に予防できる訳ではありません〉としている。しかも、この動画が撮影されたのは6月24日だというが、それ以前から専門家からはデルタ株の蔓延によるブレイクスルー感染の可能性が指摘されていたのだ。
にもかかわらず、河野大臣は「たぶん」と言いながらも、「感染しないっていうことも言える」、「かからないから、人に感染すこともない」などと、国内での調査結果も出ないうちから希望的観測に基づいたあやふやな情報を垂れ流し、いまもその動画はYouTubeで再生されつづけているのである。
それでなくても河野大臣は、官僚に対するパワハラ問題やメディアへの恫喝、支持層拡大のためのネトウヨ化、強固な新自由主義に基づいた自己責任論など、安倍・菅政権となんら変わらない問題を抱えた人物だ。それが、ワクチン供給の混乱を生んだ元凶としての責任をとらないばかりか、いまだにワクチン担当であることを自己PRに利用している。そして、メディアも責任に言及しないまま、河野大臣を無批判に扱う……。その上、ここにきて石破氏が出馬を見送り河野氏支援に回るという情報も出てきており、ますます総裁選の“台風の目”として河野氏の存在をクローズアップしている。この体たらくでは、安倍前首相と同じ恐怖のポピュリスト政治家を増長させるばかりだろう。
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