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宿泊予約はあるのに、人は来ず、キャンセルの連絡もない―。
東京五輪の大会関係者の宿泊先になっている東京・日本橋のホテルは、むなしさをかみしめている。
予約は101人分入っていたが、実際に来たのは5人だけ。深夜になって来る可能性もあるため、用意してある朝食の食材も無駄になっているという。
東京・日本橋にある「住庄ほてる」(中央区)は、開会式の7月23日から8月1日まで、業務が深夜になり帰宅できなくなった大会組織委員会のスタッフが泊まるための宿泊先として確保されていた。部屋は全83室で、1日10人ほど、全部で101人の予定だったという。
開会式のあった7月23日には、11人の予約が入っていた。
担当者から「これから1人行くかも」と電話があったのは、日付の変わった午前0時半過ぎ。
2時半ごろに1人が泊まりにきた。
深夜まで開会式をやっていたため、「湯船に入れた方が疲れが取れるだろう」と通常より3時間遅い午前3時まで大浴場を開けていたが、この日はほかに誰も来なかった。
その後、実際に泊まりにきたのは28~31日の延べ4人だけ。
ほかの朝食は廃棄した。
朝食は、前々日に食材を注文し、前日の昼ごろから仕込みを始める。
なるべく廃棄を避けているが、深夜まで来るか来ないかもわからないので限界がある。
社長の角田隆さんは「朝食付きのプランなので廃棄せざるを得ず、むなしい気持ち」と話す。
気も休まらない。
深夜は従業員が待機するが、いつチェックインのフロントでの対応が出るか分からないため、疲労がたまる。
「まさかこんなに来ないとは思わず、驚いている。宿泊料はもらえているものの、五輪の経費は税金なのでこれで良いのかという気持ち。やりがい搾取です」と角田さん。
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